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(レポ&写真) [パンクラス] 3.8 有明:近藤、vs菊田前哨戦を圧勝でクリア

パンクラス "Sammy Presents PANCRASE 2003 HYBRID TOUR" 2003年3月8日(土) 東京・ディファ有明

  レポート&写真:井田英登  【→大会前のカード紹介記事】 [→掲示板スレッド]

メインイベント ミドル級タイトルマッチ 5分3R
○ネイサン・マーコート(米国/コロラド・スターズ/王者)
×竹内 出(SKアブソリュート/1位)
1R 1'29" KO

 昨年10月の初対戦では寝技勝負を挑んだ事が災いして、初参戦の竹内に遅れをとったマーコート。今回はチャンピオンとしてかつての取りこぼしを精算したいところ。
 序盤、距離の取り合いから、竹内が仕掛けたタックルを闘牛士よろしく横に流して躱す。竹内は勢いあまってロープから首を突き出す格好に。初戴冠を意識しすぎてか竹内の動きは固い。「このタックルが遅かったので、パンチでいけるなと思った」と振り返ったマーコートは、左ジャブをリードにしたコンビネーションをみせ、うつむいて盲パンチを繰り出すばかりの竹内の顔面に的確にパンチを打ち込んでいく。このプレッシャーに下がるばかりとなった竹内は、うつむいた顎に左フック→右アッパーの連打をあびてダウン。マーコートにグラウンドパンチでとどめを刺され、レフェリーが試合をストップ。竹内は修斗離脱以降、一気に賭け登ってきた階段の最後の一段で、手痛い通せんぼを食らった形となった。
 試合後、初防衛に成功したマーコートは「國奥、三崎、竹内とパンクラスの同階級の選手とは全てやっている。クリス・ライトルはまだ戦っていないがチャンピオンになれる選手だろうと思う。UFCのマット・ヒューズ、マット・リンドランドあたりとやりたいが、日本でなら将来はライトヘビー、あるいはPRIDEで戦いたい」と語り、既に「同階級に敵無し」をアピールした。


セミファイナル ライトヘビー級 5分2R
○近藤有己(パンクラスism/1位)
×小谷野澄雄(烏合会)
1R 3'58" TKO (タオル投入)

 小野谷は近藤のハイをかわしての片足タックルでテイクダウンに成功。ロープ際に押し込んでチャンスを作ったが、密着したところを立ち上がられ、スタンドに戻されてしまう。スタンドに戻った近藤は水を得た魚のようにコンパクトなパンチの連打で、みるみる小野谷をコーナーに追い込み、必死に抱きついてくると必殺の飛び膝をボディにぶち込むと、さらに連打を浴びせる。小野谷はたまらずタックルで打開をはかろうとするが、近藤はこれを押しつぶしてインサイドガードからガンガンパンチを落とし、猛攻を眼前にした小野谷のセコンドがたまらずタオル投入して、試合終了となった。

 圧勝にも表情を変えなかった近藤は「今日の試合は50点。自分の理想には遠かった。もっと流れるように、息も切れないようにしたい」と語り、5月18日横文大会に決定した菊田戦に向けても「自分の体がもっと動くのをイメージしている。タイトルマッチだから、菊田さんだからと、みなさんが思っている程特別な感情も緊張も無い」と、さらなる“不動心”を強調した。

 対する菊田も「勝算は高く見積もるほうじゃないんで6:4、7:3で、苦しみながら勝てる感じだと思う。一本は取れると思う。ここ一二年戦いかたを変えてきているので。運が悪かったら膝をもらっていかれちゃうかもしれないし。寝技は外に出てやる必要もないけど、立ち技は近藤の癖を真似させて研究します。インサイドからのパンチは寝技がうまければ、食らわないんで。とにかくこれで一区切り付けるつもりでいます」と平常心を強調。開催日が重なったために今年は参戦ができなくなるアブダビコンバットについては「アブダビは完全に僕の趣味の世界なんで、開催日が重なっちゃったんだから仕方ないですね」と、寝技世界最高峰二連破より、パンクラスのトップに君臨する道を選んだ心境を語った。

 ismとGRABAKAの頂点に立つ両者の対決にゴーを出した尾崎社長は「当人の希望もあって今日は近藤の試合を組んだが、今日の試合をみて、いよいよ愉しみになった。強い菊田に対して近藤がどこまでやれるかではなく、双壁という感じになってきたと思う。勝った方がパンクラスの顔ということでいいと思う。8月か9月の10周年記念興行のメインにもってきて、世界の強豪と5対5とか7対7の対抗戦をやりたい。菊田VS近藤で、ウチの中での戦いは一区切りになると思う」と話し、パンクラス10年の総決算ともいえるこの対決に強い期待を示した。


第4試合 ミドル級 5分2R
△三崎和雄(パンクラスGRABAKA/3位)
△久松勇二(TIGER PLACE)
判定0-0(20-20,20-20,20-20)

 この日の裏メインとも言うべき一戦。すっかりお馴染みとなった11PMのテーマに乗って、久松がピンクに統一された怪しい仮面とガウンとジュリ扇で登場すれば、三崎はシャツ一枚すら着ないまま、きつく締まった表情で花道をストイックに歩んで来る。余りに対照的な両者のいでたちだが、硬軟両者とも格闘技界一二を争う日焼け肌の褐色対決となったのは御愛嬌。

 決して打撃が得意では無いと認知されていた久松だが、この日は三崎の左ローにきっちりカウンターをあわせて左のストレートをカウンターで返し目を引く。いわば肉を切らせて骨を断つ戦法だが、これを実現するためにかなりの研究を重ねてきたことが伺える。

 組んでコーナーに詰めても、膝の撃ち合いで互角に張り合って来る久松。DEMOLITIONでメインを張った経験もあってか、精神的にひとまわり逞しくなった感がある。だが、意あまってか、膝の一発が流れて三崎の股間に入ってしまい、久松に注意一が宣告される。怒りのおさまらない三崎は、謝罪する久松を突き飛ばして試合再開。

 意地でも引かない攻めダルマ状態の三崎は、ローのカウンターを狙って来る久松のボディに強烈なミドルを打ち込み、早いワンツーで顔面を襲う。しかし、この攻防で今度は久松の目に指が入るアクシデント。再度試合はリセットされる。
 三崎はさらに左右のハイや内モモへのローと多彩なケリのバリエーションで久松のリズム分断を狙うが、下がらずにカウンターのジャブを打ち返す久松を崩しきれない。
 2Rに入って、三崎の正確な左のロングフックが久松の顔面を捕らえるが、それでも久松は怯まずジャブを打ち返す。ロープに詰めた三崎が肘で久松の顔面を押しつぶしても、一切視線をそらさない久松は、離れ際のショートフックにも反応。結局、一進一退の攻防のままゴングが鳴り、三者20-20のためドローに。

 試合後、「判定には納得していますが結果には納得していません。3Rで再戦させてください! どーですかお客さん?」と久松がマイクアピール。ネイサン・マーコートを頂点とし、混沌としてきたミドル級戦線に一石を投じる事となった。

第3試合 無差別級 5分2R
○石井 淳(超人クラブ/10位)
×ジェイソン・ゴドシー(米国/I.F.アカデミー)
2R 1'51" TKO(グラウンドパンチでのタップアウト)

 昨年5月の多田尾戦以来久々の登場となるゴドシーだが、この日はかつて恐れられた重戦車的なタックルに切れが見られず、逆にそれを受け止めた石井に、押しつぶされてバックを奪われピンチに陥る。最初のピンチこそ、バックからのチョーク攻撃を耐えぬいて立ったものの、またも引きずり倒され、四つん這いになった頭部へサッカーボールキックを浴びるなど精彩に欠き、受け身一方になってしまう。場内は割れんばかりの石井コールに埋め尽くされる。

 2Rも同じ展開。タックルを潰され、バックからのパンチを浴びるゴドシー。四つん這いになったままキックを浴びせられ、立ち上がりざまには顔面にパンチを浴びる猛攻でたまらずギブアップ。

第2試合 ウェルター級 5分2R
×アライケンジ(パンクラスism)
○関 直喜(フリー)
1R 1'20" フロントチョーク

 アライの蹴り足を取ってテイクダウンした関は、起き上がろうとするアライの首をフロントチョークに捕まえ一気に締め上げる。たまらずタップしたアライ。師匠である高阪に抱きついて喜ぶ関が、感極まって号泣する一幕もあった。

第1試合 フェザー級 5分2R
○和知正仁(チームRoken)
×渡邊将広(フリー)
不戦勝

 渡邊は前夜肺炎を発症。会場入りまでしていたが、ドクターストップがかかり出場できず、和知の不戦勝となった。


パンクラスゲート ライト級 5分2R
△荒牧拓(P's LAB横浜)
△牧瀬洋人(A3)
時間切れ

Last Update : 03/09

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