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(レポ&写真) [Girls SHOCK] 3.7 竹芝:タイのモー娘、唄に右ハイに大活躍

Girls SHOCK事務局 "GIRLS STANDING FIGHT - Girls SHOCK IV"
2004年3月7日(日) 東京・ニューピアホール  観衆:1050人(満員)  

  レポート&写真:井原芳徳  【→大会前のカード紹介記事】 【→掲示板・女子スレッド】

  ◆CS放送「GAORA」で5/7(金)深夜25-26時ほか放送決定

▼ 北沢タウンホールから1000人収容のニューピアホールに移動し、装いも新たに再始動したGirls SHOCK。開会セレモニーでは花火が上がり、大型スクリーンでは選手の紹介VTRが流され、グローブも女子の大会らしくピンクと水色のパステルカラーで新調。リングアナも女性が務め、メインイベントではアクション俳優で合気道の名人として知られるスティーブン・セガール氏が花束贈呈をするなど、華やかな雰囲気が充満していた。

 そんな中でもひときわ輝きを放っていたのが、タイから初来日した美少女ムエタイ戦士“ナムちゃん”ことナムワーンノーイ・サックブンマーだ。ナムちゃんはアイドルグループ「4TEEN」のメインボーカルを務める16歳。“タイのモーニング娘。”と呼ばれるほど現地で人気が急上昇中で、熱心な追っかけもいるほどだという。
 この日は休憩中にサイン会、リング上では持ち唄を披露。さらには試合コスチュームに着替え、ワイクーを踊った後、2分間のエキシビジョン。タレント業で多忙なため、最近は練習をほとんどしていないとのことだが、ムエタイ戦績24戦20勝3敗1分、02年タイ女子ムエタイ全国大会-48kg級優勝の実力者のナムちゃんにとって、打撃の試合経験のない藤井惠が相手なら全く問題なし。ゴングが鳴ると強烈な左ミドルで藤井を追い詰め、さらには右ハイを側頭部にクリーンヒット。これには藤井の動きが一瞬止まるほどで、ナムちゃんの本物ぶりを十分観客に印象づけることとなった。
 マイクを持ったナムちゃんは「昨年12月に負けたヒサエ(渡邊久江)ともう1度戦いたいです」とアピール。次回来日時は再戦となるのか? 可憐さと強さのギャップは話題性十分で、翌日の東京スポーツでも取り上げられたほど。今後タイだけでなく日本でも大ブレイクしてもおかしくはない。

 大会の主役である日本人の女子選手たちも負けてはいない。特に大きなインパクトを残したのは、ダブルメインイベントに登場したグレイシャアAki(右写真)だった。大会前の会見で「変わった戦い方をしたい」と語っていたが、韓国のフライ級王者をバックブローで豪快にノックアウトし、見事公約を実現した。グレイシャアは昨年9月の第2回大会11月の第3回大会、そして今大会と、3大会連続でメインイベンターの重責を果たしつつ3連勝。第3回大会で下した渡邊久江がダブルメインイベンターとしてグレイシャアの直後に登場したが、インパクトではグレイシャアの“圧勝”だった。渡邊は対戦相手がやや消極的だったせいもあり割を食ったが、今後もグレイシャアと渡邊のライバル関係が続いていくと考えられ、Girls SHOCKの一つの見所となるだろう。

 他にもベテランのWINDY智美の猛攻を5R耐え抜いた岐阜・士心館のGON!ASAMI(ごん・あさみ)、惜しくもまぶたのカットでTKO負けしたものの、パワーに勝るオランダ人相手に着実な攻めを見せた妃口慧(ひぐち・けい)、男子選手にも勝ったことのあるハイレベルなテクニックで、韓国チャンピオンに何もさせなかった彩丘亜紗子(さいおか・あさこ)、膝蹴りを使いこなし前座離れした強さを見せた勝山舞子の活躍が光った。小川愉可・大会プロデューサーは大会前の会見で「選手達には試合内容で見せて行ってほしい。2分5Rは彼女達が一番輝く瞬間。東京で一人暮らしをしているような女性に、勇気を持ってもらえるような大会にしたいです」と語っていたが、その期待と希望に答えられるような好勝負の連続だった。

 今後は6/27(日)、9/12(日)、12/19(日)に、今回同じく東京湾岸のニューピアホールでの開催が決まっているGirls SHOCK。今回の記事で美少女ムエタイ戦士のナムちゃんをあえてフューチャーしたのは、彼女達日本人選手の頑張りを、普段この分野に興味の無い人たちにも知って欲しかったからこそ。ミーハー的感覚からでもいいから、一度足を運んでみて、男子の大会とはひと味違った感動を味わっていただきたい。

ダブルメインイベント ライトフライ級 2分5R
○渡邊久江(AJジム/インターナショナル女子ムエタイ・ライトフライ級王者)
×サブリナ・レイ(イタリア/WPKCイタリア女子ライトフライ級3位)
判定3-0 (内山50-47/朝武50-46/大成50-46)


 イタリアでは「パニッシャー(処刑人)」と恐れられているというサブリナだったが、意外や慎重なファイトスタイル。渡邊は右ストレートと右ロー主体で着実にポイントを稼ぐ。5R、渡邊がパンチラッシュでサブリナの鼻から出血を誘い、残り30秒でようやくダウンを奪取。危なげ無く白星を得た渡邊だったが、「KOできなかった」と内容には不満顔だった。

ダブルメインイベント ライトフライ級 2分5R
○グレイシャアAki(彰考館/J-NETWORKレディース2位)
×ヂョン・ヨンシル(韓国/韓国女子フライ級チャンピオン)
3R 0'51" KO (バックブロー)


 右ストレート主体のグレイシャアと、膝主体のヂョンの互角の攻防が続くが、3R、グレイシャアがヂョンを右ストレートと左ミドルでロープ際に追い詰め、いきなりのバックハンドブロー一撃で見事KO勝ちをおさめた。

スペシャル・エキシビジョンマッチ 2分1R
−ナムワーンノーイ・サックブンマー(タイ)
−藤井 惠(GIRL FIGHT AACC)
勝敗なし


セミファイナル バンタム級 2分5R
○WINDY智美(AJジム/WPKL世界女子スーパーバンタム級5位)
×GON!ASAMI(士心館/新空手02年全日本女子-55kg優勝)
判定3-0 (内山50-46/朝武50-45/大成50-45)


 「早く倒して早く終らせたい」と豪語していたWINDYのパンチをもらい、いつ倒れてもおかしくないぐらい攻め込まれ続けたASAMI(右)だったが、決して倒れることなく前へ前へと出続け、観客の度胆を抜く。逆にWINDYをロープ際に追い詰め、ボディの連打をお返しする場面も。WINDYの完勝だったが、最後までダウンしなかったASAMIに対しても観客から温かい拍手が送られた。

第6試合 バンタム級 2分5R
×妃口 慧(S.V.G.)
○カロリン・フブレクツ(オランダ/メジロジム)
4R 0'36" TKO (ドクターストップ:右まぶたのカット)


 回転の早いパンチで突進するフブレクツに苦しめられる妃口。ローと左ミドルをじわじわと効かせ反撃に出たかったが、4R開始早々に右まぶたを切られて無念のドクターストップ負けとなってしまった。

第5試合 -58kg契約 2分5R
○彩丘亜紗子(S.V.G./IPMTO&IPMTF女子王者)
×シン・ジヨン(韓国/韓国女子ライト級チャンピオン)
3R 0'32" KO (2ダウン:膝蹴り)


 シンが173cmの長身を活かして伸びのある蹴りを放ってくるのに対し、彩丘は左ミドルとボディブローを効かせ、右ストレートで追い詰める。2R終了時点でかなり苦しそうだったシンを、最後は膝で仕留めた。

 
第4試合 バンタム級 2分3R
×正木純子(Hilltop)
○末弘真由美(アクティブJ)
判定0-2 (内山28-29/朝武29-29/大成28-29)
※1R正木1ダウンあり

第3試合 -45kg契約 2分3R
×渡辺亜矢子(勇心館)
○勝山舞子(峯心会)
3R 1'34" KO (2ダウン:膝蹴り)

第2試合 バンタム級 2分3R
×成沢紀予(ソーチタラダジム)
○四十内としえ(青春塾)
判定0-3 (内山28-30/朝武28-30/大成29-30)

第1試合 ライトフライ級 2分3R
○星野久子(勇心館)
×大鷹らん(AJジム)
判定2-0 (内山30-28/朝武29-29/大成30-29)

Last Update : 03/10

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