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(レポ&写真) [PRIDE武士道2] 2.15 横浜:ヴァンダレイ&ミルコ豪快勝利

ドリームステージエンターテインメント "PRIDE武士道 其の弐"
2004年2月15日(日) 神奈川・横浜アリーナ   観衆:14,117人(満員)

 ◆地上波 フジテレビ2/21(土)13:00〜14:00 東海テレビ2/22(日)24:30〜25:45
 ◆スカイパーフェクTV Ch.180 PPV完全独占生中継

  レポート:小林秀貴  写真:井原芳徳  コメント編集:古谷わか
  【→大会前のカード紹介記事】 【→掲示板スレッド】

第9試合 シュート・ボクセ vs. 日本 3対3 1R10分/2R5分
×美濃輪育久(日本/フリー)
○ヴァンダレイ・シウバ(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)
1R 1'09" KO (グラウンドパンチ)


 ブラジリアントップチームやタイでのムエタイ修行を敢行し、この試合直前までは韓国で調整を行ってきた美濃輪。約10kgの体重差を考えれば「無謀」な挑戦だが、「もしかして」と感じさせるのが美濃輪のスタイル。試合前の睨み合いでも美濃輪はシウバの視線をまったくそらさず、闘志は互角だ。
 開始直後の両者は、スタンドで見合う展開。シウバはゆったりとしたムエタイ流のステップ。美濃輪は距離を取って前後に大きく素早いステップ。それぞれきっかけをうかがう。
 試合が動いたのは美濃輪のスピードのあるタックルから。美濃輪がシウバの左足をガッチリとキャッチするがシウバは倒れない。美濃輪はがぶられたところでヒザ蹴りを嫌い、ガードに引き込んだ。あとはインサイドガードから放たれるシウバのパウンドが威力を発揮。力のこもった右6発で美濃輪の意識を飛ばし、なおも体重の乗った左右のパンチを畳み掛けたところでレフェリーストップ。日本vs.シュートボクセの大将戦は一方的な試合展開でシウバがものにし、チームの勝利をもたらした。
 試合後リング上でマイクをとったシウバは「(日本語で)オレハオトコダ!(ポルトガル語で)今日はシュートボクセを代表してすばらしい観客の前で試合ができて感謝している。PRIDEというリングはバーリトゥードの中でナンバーワンだと思っているが、その中でシュートボクセもナンバーワンだということになると思う」と堂々の勝利宣言を掲げた。バックステージの共同インタビューでシウバは近藤有己戦に前向きなコメントを発したが、榊原信行・DSE社長は4.25 PRIDE GP開幕戦大会での実現には消極的な態度だった。

◆ヴァンダレイ「(あっけない終りだったが予想できた?)思いもよりませんでした。今回もしっかり準備をしてきましたし、私はチャンピオンです。プレッシャーも責任も大きかったです。ファンの皆さんのためにも、シュートボクセのためにも良い試合をしなくてはいけないと、大きなプレッシャーを感じていました。
(何発目のパンチで倒せると感じたか?)どのパンチがKOに繋がったのかは解らないのですが、パンチを出している段階でイケるという印象がありました。ですからKO出来てよかったです。また、これ以上パンチを出して相手に怪我をさせたくないという思いがありました。
(美濃輪選手の動きについては?)試合開始すぐに、とても危険な動きだと感じました。私の身体もまだ完全に温まっていない状態で、パンチを受けるといけないので、気をつけながら試合をしました。
(次の試合はいつ頃?誰と?)まだ具体的にいつ次の試合があるかは解らないのですが、早い段階でやりたいと思っています。シュートボクセのメンバーとも相談をしたのですが、近藤選手が戦いたいと表明しているとのことなので、私も対戦したいです。次は間違いなく近藤選手とやることになると思います。」

◆美濃輪育久「(試合内容は?)覚えてます…。けど…。終ったっていうのが解らないんですよね。(どの辺まで覚えてますか?)最初のパンチ…。いや、ちょっと今、記憶が前後しているので。前後しているというか、試合をしたという感じがしないような状態なので…。修行し直しですね。自分の足りない部分を見つけて、もう一回リングに上がりたいと思います。
(今日の作戦は?)タックル中心で行こうと。(タックルは決まりかけたけど、潰された?)そうですね、そこが次への課題ですね。入るタイミングと狙うタイミングがあったと思うんですけど。潰されて…。(体格差、パワー差を感じましたか?)いや、パワー差や体格差はあまり解らなかったんですけど…。そういった差もクリアできるような選手になっていかないと。
(いつもと違うスタンドの構えだったようですがそれは意図的にですか?)あれはタックルに行くためのフェイントと、出て入っての間合いのステップです。(そのフェイントにシウバはのった?)だと思いますけど(笑)
(想像していたシウバとの違いは?)実際に向き合った時はイケルと思ったんですが、寝てからのパンチが…。最後の方、覚えていないんです。それも初めての体験だったので、そこをなんとかできるようにしたいですね。試合の感覚がとぎれとぎれで…。
(今後は海外修行に出て、暫くは試合はしない?)1年は海外修行を、と決めているので。次はどこに行くかわからないのですが。明日ブラジルに一回戻ってから日本に帰ってきて考えようかなと。すみません。次もまたお願いします。」



◆榊原信行・DSE社長「今日はどうも色々ありがとうございました。2回目の武士道ということで前回同様、挑戦試合2試合を入れて全11試合、比較的長い大会だったと思います。1試合を覗いて全試合外国人 VS 日本人という形でした。選手も、プロモーターである我々も、反省点の多い大会でした。でも五味選手の戦いぶりなど一矢を報いてくれた選手も、またプロとして意識しているところも見受けられました。まだまだ2回目ですから、3回目、日本人の選手たち、ウェルター級の選手達が、前半に観客の心を掴める様にしていかねばと思います。最近のPRIDEは1試合目から会場が温まる興行ができていましたが、武士道其の1も含め、まだまだそういった空間作りには至っていないと。ただ、可能性、光は見えていますのでこれからがんばって行きたいと思います。
(シウバVS近藤戦の可能性について)シウバと戦いたい選手は沢山いると思うんです。桜庭、吉田、美濃輪も再戦を…。やりたい選手は順番を待っているので、後ろにまわって順番を待つという状態です。近藤選手にもオファーをかけたのですが、残念ながら今回は実現に至りませんでした。ヴァンダレイの意思は別にして、日本人選手でヴァンダレイと戦いたいという選手は手を上げてもらって、順番にチャレンジ権を。
(では4月の大会では無い?)4月はヘビー級のグランプリなので、その中で近藤・シウバ戦は考えられないです。
(具体的にGPのメンバーを発表できるのはいつ頃?)4月25日まで大会は無いので、明日からGP出場選手の選出を始めて行きたいです。アメリカに渡って新たに交渉したい選手もいますし。ミルコ、ノゲイラも良い状態でしたし、ヒョードルも聞くところによるとオランダで良いトレーニングをしているそうです。そのTOP3を含めて、3月中旬までには発表できるように持って行きたいですね。
(ミルコVS高山については?)高田統括本部長が2月1日の大会でもコメントしましたが、サバイバルマッチも行い、ファンがどんな選手に上がってもらいたいかをもとに16人を選出しますが。良い形で連携がとれている団体ばかりではなく、各団体ごとに色々な距離感がありますが、ファンの要望があるのであれば交渉にトライしていきたいと思います。その中で高山選手の思い、プロモーターの思い、ファンの思い、の3つの思いが強ければ、高山選手と交渉に入りたいです。色々な意見・反響を見て進めて行きたいので、マスコミの皆さんからも可能・不可能に関わらずに色々な意見を、またファンの意見を拾っていただきたいと思っています。我々は実現に向けて動いていきたいです。(山本宣久選手のGP出場は?)出場はないですね。がんばりましたが。ただ、今日の結果を見た限りでは出場権は与えられないな、と思っています。」


第8試合 シュート・ボクセ vs. 日本 3対3 1R10分/2R5分
×郷野聡寛(日本/パンクラスGRABAKA)
○マウリシオ・ショーグン(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)
1R 9'04" KO (パンチとキックの連打)


「俺が勝ったら『ショーグン』ではなく『足軽』からやり直せ」と会見で発言した郷野。さらに試合前のVTRでは観客に対しても「俺の試合がつまらないという奴は格闘技を見る目がない。勉強しろ」と挑発。ビッグマウスはPRIDEの大舞台でも衰えない。
 序盤から右ハイ、左右のフックと打撃で勝負をかけようとするショーグンに対し、距離を取ってアウトボクシングに徹する郷野。首相撲でも決定打を与えない。郷野は手数こそ少ないが、確実に当てるパンチで対抗する。
 郷野は3分、外掛けでテイクダウンを奪った後もショーグンを立たせた。逆にショーグンの外掛けで郷野は倒れない。完全にスタンド勝負か、と思われた。
 しかし7分、郷野はもろ差しから外掛けでショーグンを倒し寝技へ。ハーフガードをとるショーグンの足を越え、横四方〜上四方とポジションを取ったが、今度はショーグンが立ち上がり、勝負はスタンドへ。
 ショーグンは中盤、手数が減り、疲れが出たかに見えたが、終盤、郷野に接近すると、再び打撃のラッシュを仕掛ける。首相撲から右ヒザを郷野のアゴにヒットさせると、意識が朦朧としている郷野のこめかみにとどめの左フックを当て、ダウンを奪った。最後はサッカーボールキックでレフェリーストップ。
 「足軽からやり直す」どころか、逆に「ショーグン」の強さが際立つ結末となった。

◆ショーグン「今日はとても良い動きができました。狙っていたとおりKOできたのでよかったと思います。(相手の印象)とても強い選手だと思いますがイライラしました。なぜかというと、郷野選手がシュートボクセのことを悪く言っていたということを聞いたので、少しイライラしていました。(お兄さんであるニンジャと打ち合わせはした?)そういったことはなかったのですが、ニンジャと郷野の試合のビデオは見ました。シュートボクセの代表としてしっかりした試合をしようと思ってきましたので。(今後の抱負)これからもどんどん練習をして色々な技術を身につけてPRIDEで良い試合をしたいと思います。」

◆郷野聡寛「やっぱりまだPRIDEに出るのは早かったですね。相手も強かったですね。疲れてきたのも解っていたんですが、自分も疲れちゃって。圧力があるので、さばいていると疲れちゃいますね。レベルの違いを痛感しましたね。(相手の印象)今まで闘った中で一番体重差があったんですが、圧力もありました。それだけ自分の実力が足りないということですかね。(今後も試合スタイルは変えない?)そうですね。変えないで。
(試合前のアピールと結果について)負けたときに格好悪いことになるのは覚悟で言っているので。それはしょうがないですね。言って失敗したときに叩かれるのはしょうがないことですけれど。それをバネにがんばりたいですね。
(一番効いた攻撃は?)最後、フィニッシュがどうだったか覚えてないので…。そんなに組相撲の選手ではないと、パンチで来ると思っていたので。組相撲に対する練習をおろそかにしてしまったのが出たかな、という。(兄のニンジャとは違った?)あまり違いは無いと思うんですが・・・3年前のことなので。でも、ニンジャの方が寝技はすごいと思いますよ。レスリングとか。
(途中からグラウンドに切り替えていたようですが)そこは中途半端でしたね。寝技に切り替えようかと思ったんですが、『俺って寝技しにきたんじゃないしなー』とどっちつかずになってしまって、なんとなく立たせてしまった感じでしたね。」



第7試合 シュート・ボクセ vs. 日本 3対3 1R10分/2R5分
○五味隆典(日本/木口道場レスリング教室)
×ヴァンダレイ・ジャドソン・コスタ(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)
1R 4'55" KO (マウントパンチ)


 元修斗ウェルター級王者の五味隆典対「小さなヴァンダレイ」の異名を持つジャドソン・コスタの一戦。今年は修斗ウェルター級戦線に宇野薫が戻ってくるなど、五味も「元王者」とはいえ戦いの第一線に立ち続けるためには、気を抜くことは許されない。しかし今回危なげない勝利を飾ったことで、五味はまだまだ70kg級MMA戦線の最前線にいることを証明した。
 1R開始早々、五味は打ち合いと見せかけてタックルを決める。コスタはガードで耐えようとするが、五味は難なく足を割ってハーフガードに。一回はガードに戻したコスタだったが、五味はガードポジションをとるコスタを引きずってコーナーに運び、頭を固定した。さらにハーフマウント、サイドと確実に有利なポジションを獲得、落ち着いた試合運びを見せると、五味は3分、ついにマウントを奪取。右のパウンドを連打した。さらに相手の左手をヒザで固定した上での非情なパンチ。これを嫌って横を向いたコスタに対し、今度は左の連打。五味は再びサイド、マウントと自在にポジションを移動して、ひたすらパンチ、パンチ、パンチ。レフェリーが試合をストップした。

 試合後、修斗での試合後と同じくコーナーポスト最上段に上って勝利をアピール。強い五味が戻ってきた。

◆五味隆典(リング上で)「みなさん、最高です!去年すこし勝てなくなったところで武士道に声をかけていただいて、必ず復活してやるって気持ちでいっぱいトレーニングをしてきました。まだまだ強くなります!」
(インタビュー)「去年、一昨年は苦しい状況だったのですが、今日は大きい会場、大きいイベントで凄く緊張しました。相手はキャリアも浅いし、地球の裏側から来ているということで、VTJで戦っていた頃の自分を思い出しました。向こうもチャレンジだっただろうし、自分もチャレンジだったので。沢山の人に自分を見てもらうという新しい挑戦をして、そういう意味でも緊張しました。試合に勝たないとダメだし。終わるまで緊張し続けていましたね。相手にとっては敵地なんで。僕もハワイでやってきたので(対BJペン戦)敵地で戦う気持ちが分かりました。粘るかどうかで決まるのだと思います。いずれはホイラーやBJペンと…。
(観客の声援は?)聞こえました。5年間やっているので知っている人も見えましたよ。凄く今回は新鮮に感じました。(試合内容について)やるしかないと思いました。とにかく一度パスガードしたら、ガードに戻らないように心がけましたね。そうすれば膝も入れられるし、相手がカメになればチョークもいけるし。とにかくスタンドにならないように。(久しぶりに勝ってコーナーに昇ったが?)今のPRIDEはシュート・ボクセ中心になっているような印象があるのでプレッシャーはありましたね。僕がトップバッターでよかったですね、ハイ。
(初めてのPRIDEのリングだったが?)とにかく、デビュー戦のような気持ちで挑みました。修斗で後楽園デビューした時のような『お客さんに受け入れてもらえるだろうか』『この世界でやっていけるんだろうか』そういう気持ちがあったんですが、スケールが違いましたから。(今後の目標は)もっと練習します。そうしないとこの世界では生きていけないと思います。練習だけは自分を裏切らないと思うので。一番単純なことですけど。」

◆コスタ「(試合の感想)今日は自分の実力を見せることができずにとても残念でした。次回はもっともっと練習して良い試合にしたいと思います。(まだ戦えた?)そうですね。あの段階ではこれから何をやろうかと考えていた状態だったので、あの時点でストップされるとは思っていませんでした。こういう形になってしまったのは残念でしたけれど。意識もあったし、もっと戦いたかったです。(五味の印象)とても強い選手だという印象。私はあの段階でストップされなければ、もっともっと自分の実力を出す事ができたと思っています。」



第6試合 武士道プレミアムマッチ 1R10分/2R5分
○ミルコ・クロコップ(クロアチア/クロコップ・スクワッド)
×山本宜久(日本/高田道場)
1R 2'12" KO (パンチとキックの連打)


 両者2週間前のPRIDE.27からの連戦。ミルコは4月のヘビー級GPを睨んだ2度目のピークアウト。山本にとってはアクシデント的に終わってしまったマーク・ケアー戦に続いてGPにむけてのサバイバルマッチ第2戦。
 試合開始早々、グローブを合わせようとする山本にいきなり左ローを見舞うミルコ。この試合に対しての覚悟が見てとれる。続けてミルコが出した左ミドルは山本にキャッチされたが、ミルコは倒れない。逆に強烈な左ローキックで山本の体をのけぞらせた。山本はローを嫌ってタックルを狙うが、ミルコは難なく切る。この試合最初に出したミルコの右ハイは山本がブロック。山本は笑いながら両手を上げ、効いてないことをアピールした。

 しかしこれがミルコの怒りに火をつけたのか、ミルコはさらに左ローキックを2発叩き込み、山本の右足を殺す。山本は2度目のタックルを潰され、イノキアリ状態から不用意に立ち上がったところでミルコのサッカーボールキック3発の餌食になる。ミルコはなおも下を向いている山本に対し、容赦ないキックとパンチを叩き込み、最後はレフェリーストップでのKO勝利を記録した。

 試合後、マイクをとったミルコは「4月25日のグランプリ開幕戦にぜひ応援しにきてください」とファンに余裕のアピールをしてみせた。榊原社長は山本のGP落選を明言している。

◆ミルコ「(今日は予定通りの試合運びだった?)予定通りと言うより、今日は間違いなく1Rで仕留めるつもりで行きました。決して甘く見ていた訳ではありませんが予定通りです。
(2週間という短い調整期間だったが?)短いとは感じませんでした。もともと2週間の間に2試合、実戦で経験を積むというのが目的だったので。ただ、これだけ長い時間日本にいるのは初めてのことで、価値のある滞在となりました。小泉首相への表敬訪問ができましたし。この場をお借りして改めて小泉首相に『お招きくださってありがとうございました』とお礼を言いたいです。彼とはクロアチアの将来など、格闘技以外の話もしました。クロアチアの代表として、インタビューなどで国会議員の顔を魅せる事ができたのでとても良かったです。これから帰国しますが、3週間も息子に会っていないので早く会いたいです。
(山本選手が試合中に『効いて無いぜ』といったアクションをしていましたが?)自分はまず、ああいったことはやりませんし、やる必要もないと思っています。真剣な試合の中で、どんな瞬間でも相手に敬意を持っていたいので、相手を小馬鹿にするような行為はしたくありません。本当はラストでもっと痛めつける事ができるかな、と余裕も感じましたが。パンチもキックもかなり入っていたので、『島田さん、早く止めてください』という感じでした。
(ファンの皆さんへお知らせ)帰って少し休んでからですが、初めて映画のカメラの前に立ちます。自分にとっては大きなチャレンジですが、アメリカから制作チームが入って、クロアチアのテロ特殊鎮圧部隊の隊員達がこの映画に全面協力をしています。特に有名な俳優が多数出演しているということではなく、私達プロフェッショナル集団が最大限にリアリズムを追求したアクションシーンをお見せします。5月には撮り終えて、カンヌあたりで上映したいと思っています。タイトルは『アルティメットセブン』。由来などは後ほどどこかで発表します。
(GPまで2ヶ月間だが?)2ヶ月、とにかくきっちりと仕上げてきます。モチベーションはこの大会に向けて、上がる一方ですので。世界最強のファイターたちがこの舞台にあがるでしょうから。初戦の相手は誰でも構いませんが、マスコミなどで高山選手が『ミルコが俺から逃げた』と発言しているらしいので、きちんとリングで口を閉じてあげましょうか。」

◆山本宣久「(※椅子に座らずに立ったままで)(試合の感想を)そうですね。まぁ。やった感じ、素直にね、ミルコ選手は強かったです。(効いてないふりのアピールについてミルコは『自分はやらない』とコメントしていたが)効いて無かったですから。でもアピールしたら余計に蹴られてしまいましたが。(ミルコのキックの印象は?)一つ一つの攻撃が速かったですね。ローにしても速いです。カットしなければいけなかったのですが、自分自身が反応できなかった。打撃に関してはとにかく速かったですね。(今後の目標は?)今日負けたばっかりなんでアレですけどね。這い上がっていくしかないのでとにかくまたがんばります。ありがとうございました。」



第5試合 1R10分/2R5分
×桜井“マッハ”速人(日本/マッハ道場)
○ホドリゴ・グレイシー(ブラジル/グレイシー・バッハ)
判定0-3


 スタンドではマッハの投げを2回封じるなど腰の強さを見せ、グラウンドでは的確なポジション取りでマッハ得意の展開をさせなかったホドリゴが、大差の判定で勝利。マッハはPRIDEマットでいまだ波に乗り切れない様子。
 1R、組み付こうとするホドリゴに対し、首相撲からのヒザを見舞うマッハ。ホドリゴが引き込む形でグラウンドへ。マッハはいわゆるイノキアリ状態から踏みつけなどを放ち、ホドリゴのガードに飛び込んでいく。一旦ブレイクとなるが、マッハが後ろ回し蹴りを放ったところでホドリゴがマッハの背後に密着して倒し、再び勝負はグラウンドへ。マッハは下から上体を密着させ、フックガードをとって相手の体を浮かせる得意のスイープを狙うが、ホドリゴはこれを許さない。一方、ホドリゴも桜井の足を一本越え、ハーフガードまでは持ち込むものの、有効な攻撃につなげるまではいかなかった。
 2R、ホドリゴが引き込んでグラウンドへ。三角絞めを狙うがマッハもすぐに危険を察知。腕を抜く。マッハは再びインサイドガードからのパウンドを狙うが、ホドリゴも下から三角や十字を仕掛け、隙を与えない。ブレイク後、マッハの引き込みでホドリゴは一旦上のポジションを取るが、マッハの足関狙いを避け、スタンドに戻る。最後はホドリゴがマッハの投げを潰し、グラウンドで上になり、横四方、上四方などのポジションを奪ったところでゴング。判定決着となった。

◆桜井マッハ速人「なんというか…。試合したという感じじゃないですね。(相手の印象は?)あんまり攻めてこないですね。こっちの攻撃を待っていて、それを逆にテイクダウンに持って行こうと狙っている感じ。もっと打ってくるかと思ったんですが。打撃も完成されているタイプだと思っていたので。(判定結果は?)受け入れるしかないでしょう?結果は出ているんだから。(今日の作戦は)いつもどおりです。向こうの方が作戦はあったんじゃないですか?もっとナチュラルにやって貰いたかったですね。(今後の目標は?)やるしかないです」

◆ホドリゴ・グレイシー「(桜井の印象を)とてもアグレッシブなファイターだった。ビデオで彼の試合を見ていたので、今回勝つことができてとても嬉しかった。しかしながらタフな選手だった。(今日の作戦は?)グラウンドにもちこんで、関節技を狙っていこうと思っていたが、彼はとてもガードが上手かったので極めることができなかった。グレイシー柔術の技でフィニッシュしたいと考えていたのだけれど。(次に戦いたい選手は?)桜庭和志選手とやりたい。グレイシー一族のリベンジとして『カカッテコイ!』という感じさ」



第4試合 1R10分/2R5分
○高瀬大樹(日本/フリー)
×クリス・ブレナン(米国/ネクスト・ジェネレーション・ファイティング・アカデ
ミー)
判定3-0


 1R、高瀬は首投げでテイクダウンを奪うと、最後まで上のポジションをキープ。グラウンドでしつこく密着し、パスガードを狙う作戦だ。しかしブレナンの上体をしっかり固定することができず、完全に有利なポジションは得られない。8分には肩固め、9分には横三角絞めを狙ったが、完全には極まらずゴング。
 2R、高瀬が外掛けでテイクダウンし上を取る。ブレナンも下からラバーガードで逆転を狙うが通じない。高瀬は2分、ハーフガードのブレナンの左腕にアームロックを仕掛けると同時にパスガード。サイドにつく。アームロックは決定的かと思われたが、ブレナンの腕力も強く極めきれない。ラストは高瀬がインサイドガードからパウンドを落としたところで終了。高瀬の判定勝ちとなった。

◆高瀬大樹「一本獲れませんでした。全然ダメでしたね。パンチが2Rに一発当たったのと、組んでからテイクダウンするまでは練習の成果が出せたので、唯一良かったと思います。次、またチャンスをいただいた時には頑張りたいと思います。(相手の印象は?)粘り強かったです。寝技はそんなに強くなかったですが、一本勝ちを狙ってくる姿勢が感じられました。(足で首を極めていたが?)変形横三角締めです。今、研究しています。あと1ミリ、2ミリの所で入りませんでしたね。(入場のコンセプトは?)松浦亜弥のファンではないんですが、パフォーマンスでやると怒られちゃうんで…。せめて入場曲で笑わせようと思って。(今後の目標は?)年末から時間がなくて…。でもどうしても前回(マッハ戦)の雪辱を晴らしたかったので出場したくて。チャンスを下さって心から感謝しています。また次チャンスをいただけるのであったら、カーロス・ニュートンとやってみたいです。カーロスと戦って会場を沸かせることができなかったら、もうPRIDEでは一生戦うことはないと思っています。榊原さんよろしくお願いします」

◆ブレナン「まず最初に、非常に面白くない試合をしてしまったことをお詫びしたいと思います。こんな試合になってしまいましたが、幸運なことにまだ2,3試合、PRIDEとの契約が残っていますので。(相手の印象は?)あまり相手の選手についてあれこれ言うのは好きではないのですが…。あまり面白くないファイターだなぁと。持ち上げてテイクダウンするのは上手かったですね。ただバックに周ってアグレッシブな試合展開に持っていけなかったのは私のミスです。彼はよいファイターだと思うのですが、もっと攻撃的なアグレッシブなファイトをしたかった。彼は今まで、有名な選手と闘ってきてよい評価を得ているようですが。今度試合する機会があれば、もっとアグレッシブな試合をしたいと思います。どうもすみませんでした。」



第3試合 1R10分/2R5分
○マリオ・スペーヒー(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
×マイク・“バットマン”・ベンチッチ(米国/クロコップ・スクワッド)
1R 0'11" KO (右フック)


 ブラジリアン・トップチームの大将格、マリオ・スペーヒー対、ミルコの師匠、マイク・“バットマン”・ベンチッチの因縁対決。両者のセコンドにはノゲイラ、ミルコがつくという代理戦争となった。
 試合はスペーヒーの右フック一発。ベンチッチのアゴを捕らえた会心の一撃で、スペーヒーがKO勝ちをモノにした。試合後はBTT勢がリングに上がり勝利をアピール。ミルコ陣営は代理戦争で雪辱を果たすことができなかった。

◆スペーヒー「とても嬉しい。いい気分です。手の手術をしてから調子が悪かったのですが。去年の大晦日のPRIDEの試合では非常に残念な結果になりましたが、反対にそれが良いきっかけになって、またPRIDEに上がりたいと奮起してトレーニングを積み、勝利できました。失敗が良い薬になったということですね。ブラジルで頑張ってきて良かったです。BTTのみんなの支えのおかげです。この場を借りてお礼を言いたい。(打撃の練習を積んだのか?)私は20年以上柔術のトレーニングをしてきましたが、同時にムエタイなどのボクシングの練習も積んできていました。ですが、これまでの対戦相手がグラウンド中心だったので自分の打撃の実力を試合で見せる機会がなかったのです。でも、ベンチッチ選手はミルコ選手の鬼教官ということで、必ず打撃で来ると思ったので打撃の練習を強化してきました。試合が始まってみたら、自分の打撃の方が強かったので勝利できました。(ミルコがセコンドについていたが?)ミルコは間違いなく素晴らしい選手だと敬意を示しています。でもノゲイラが彼を倒した事実は変わりません。BTTではいつも『BTTの誰かが倒した相手のチームメンバーにはBTTの誰でもが勝てる』と言っています。ですから『ノゲイラが勝った相手である、ミルコ選手のチームのベンチッチ選手には絶対に勝てる』と確信していました。」

◆ ベンチッチはノーコメント



第2試合 1R10分/2R5分
×上山龍紀(日本/U-FILE CAMP.com)
○ショーン・シャーク(米国/ミネソタ・マーシャルアーツ・センター)
判定0-3


 日本では、DEEPミドル級タイトルを取るなどトップクラスの実力を認められている上山だが、対するショーン・シャークはスピード、パワー、レスリングテクニック、すべての局面でその上山を上回り、終始圧倒した。
 1R、シャークは素早いタックルでテイクダウンを取ると、サイド、ニーインザベリーと自在にポジションチェンジ。上山が回転するように逃れようとすると、4点ポジションでのヒザが飛んでくる。スタンドに戻ると、シャークはまたも高速タックルで上山を持ち上げ、プロレスのパワーボムのような体勢で落とす。以後1Rは、シャークが上山を倒してパスガード、サイドからマウントを奪い、殴り、バックを取る、という展開が3回繰り返された。
 2Rも1Rとほぼ同じ展開。シャークはタックルからグラウンドでポジションを自在にチェンジし、マウントパンチでのKOとバックからのスリーパーを狙う。上山は終始防御に徹するほかなく、無念のゴングを聞いた。

◆上山龍紀「(試合の感想)やってみて、世界のトップクラスはすごいなぁと。自分から仕掛けたけれど、パワーの差がすごくて。とにかくパワーが凄かったですね。(セコンドの田村選手からのアドヴァイスは?)平常心で。いつもどおり落ち着いていけと。インターバルの時には打撃を出していくように言われたのですが、相手の間合いに入れませんでした。(相手の印象は?)タックルでくるとは解ってはいたのですが、あんな持ち上げて投げつけるようなテイクダウンは初めてだったので。すごいパワーだなぁと。(今後の目標)またチャンスをもらいたいので。今回はとても勉強になったので、じっくり練習をして次に出るときには良い試合をして絶対に勝ちにいきます。期待していてください。」

◆シャーク「全て思い通りの良い試合になりました。コンディションもよかったですし。試合中には、止まらない、常に動き続けて観客を沸かせることを考えていました。(相手の印象)とてもタフな選手でした。サブミッションでも技がかかりにくくてグラウンドに持ち込んでもつるつる滑ってしまい手間取りました。とてもタフで良い選手でしたね。(今後について)マッハ、ニュートン、桜庭と戦いたい。ゆくゆくは自分のウェイトであらゆる大会を制覇したいと思っています。(今日の試合で嬉しかった点は?)自分の能力…柔術、レスリングなどを全て出す事ができました。日本に来る前に話していた通りに勝利して、有言実行できたので嬉しく思っています。」



第1試合 1R10分/2R5分
○滑川康仁(日本/フリー)
×エギリウス・ヴァラビーチェス(リトアニア/リトアニア・ブシドー協会)
1R 1'05" フロントチョークスリーパー


 2年8ヶ月前、リングスマットでヴァラビーチェスが勝利して以来の再戦。勝負は一瞬で決した。ワンツーを放ってきたヴァラビーチェスに対し、滑川がタックル。一度は立ち上がった両者だが、次の瞬間には滑川のギロチンが極まっていた。ヴァラビーチェスは30秒ほど耐えたが滑川の腕のホールドは外れずギブアップ。滑川は体重をかけて躊躇なく一気に絞め上げた思い切りが勝利につながった。マイクを持った滑川は「師匠の前田日明目指し、このリングでリングスの強さを見せていきます」とアピールした。

◆滑川康仁「嬉しいですね。ほっとしました。今回は相手が良い所がなく、自分が勝てたのですっきりしました。支えてくれた先輩、高田統括本部長、DEEPの佐伯代表、このリングにあげてくれた榊原代表に感謝します。1月21日のDEEP、続いてU-Style、今回と短い期間で3試合はちょっときつかったですね。今はゆっくり休みたいです。本戦に上がれるチャンスがあったら、強い選手と是非戦ってみたいです。(ヴァラビーチェスは再戦を希望しているが?)まだ言ってるんですか?同じ元リングスメンバーとして仲間意識はありますが、いいライバルですし。やってみるのもよいですね。(戦ってみたい選手は?)PRIDEミドル級なら誰とでも。グレイシー一族とは対戦経験がないのでできればハイアン選手とリング上で睨み合いたいですね。」

◆ヴァラビーチェス「(試合の感想)1ラウンド目はコンディションも万全だったのですが、相手の術中にはまってしまいました。まだ戦える力はあったので…。とても残念です。(今後も目標)滑川はラッキーでしたね。次のリベンジの際には隙を見せないようにしないと。今後はただ戦い続けるだけです。」



武士道挑戦試合2 5分2R
×桜井隆多(日本/R-GYM)
○岡見勇信(日本/和術慧舟會東京本部)
判定3-0


 共にPRIDE初参戦。1R序盤、最初に攻撃を仕掛けたのは桜井。左右のストレートで距離を詰める。しかし組み付いて外掛けでグラウンドに持ち込んでからは岡見のペース。インサイドガードから強烈なパウンドを落とす。終盤桜井はハーフガードから岡見の左腕にアームロックを仕掛け、反撃に転じたがゴング。鼻血を出した桜井はインターバル中ドクターチェックを受ける。
 2Rも差し合いからテイクダウン。そしてパウンドと自分のペースで試合を進める岡見。インサイドガードから相手の上体を固定したまま立ち上がり、顔面に右パンチを落としていく技術は特筆に値する。しかし桜井もパウンドを受けながらもタフさを見せつけ、岡見の攻め疲れを誘い、勝負を判定に持ち込んだ。判定では試合の大半を上のポジションで戦った岡見が大差を得て勝利した。

◆岡見勇信「当初の作戦では打撃でテイクダウンからパウンドで行こうと思っていました。最初は上手く運んで、パウンドもいい感じで入っていたのですが、力んで力が入りすぎてしまって。体重差もあったのか、簡単に上をとられてしまいました。(アームロックの極まり具合は?)最初は極まっていなかったのですが、ラスト5秒は極まってましたね。あんな形で完全に曲げられてしまったのは初めてだったのでびっくりしました。(次の目標は?)今日はしょっぱい試合になってしまいました。緊張して力みすぎて、練習してきた事が出せなかったので。もし次回、本戦に上がれるようだったらもっと良い試合ができるんじゃないか、と。」

◆桜井隆多(左目眼か底骨折の疑いがあるため病院へ直行)



武士道挑戦試合1 5分2R
×今村雄介(日本/高田道場)
○チェ・ム・ベ(韓国/CMA-KPW KOREA)
1R 4'08" チョークスリーパー


 1R、グレコローマンレスリングのバックボーンを持つチェは、距離を詰めてコーナーでの差し合いに持ち込む。スタンドのままバックを取ると、そのままジャーマン気味に今村を後方に投げ落としテイクダウン。グラウンドでもハーフガードで相手の上体に体重をのせつつ、マウント、バックとポジションを移行し、チャンスをうかがう。今村はバックを取られかけたところで足関で逆転を狙ったが、落ち着いて外す技術を持っているチェには通用せず。最後はマウントからバックをとり、フェースロック気味に入ったスリーパーで今村を絞め落とし、実力を示した。

◆今村雄介「相手の力が強かったです。最初十字を狙っていたんですけど、力が強かったので焦ってしまいました。(敗因は?)焦りと練習不足ですね。(準備期間が短かったのでは?)言い訳になるので余り言いたくないのですが…。常に出られる態勢にしていないと…。もう一度練習してやり直してきます。次がんばります。」

◆チェ・ム・ベ「アンニョンハセヨ、コンニチハ。(試合の感想)緊張していましたが試合が終わって安心しました。勝てたので嬉しかったです。(初めてのPRIDEのリングは?)韓国でPRIDEは人気があって憧れていました。実際に試合に出場できて、勝つことができたのでとても嬉しいです。(闘ってみたい相手は?)どなたでも良いです。(今後の目標は?)関節技が上手く出せなかったので帰国してからもっと練習します。次、また機会があったらもっと練習して良い試合ができるようにがんばります。アリガトウゴザイマス。」

Last Update : 02/16

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