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(レポ&写真) [K-1] 12.6 東京ドーム:空飛ぶ新帝王誕生。ボンヤスキー初出場初制覇

FEG "アルゼ K-1 WORLD GP 2003 決勝戦"
2003年12月6日(土) 東京・東京ドーム  観衆:67,320人

  【→大会前のカード紹介記事】
  [→掲示板・K-1ヘビー級戦線スレッド]


  ■出場選手コメントをページ後半に掲載

第3試合 GP準々決勝 3分3R(延長2R)
○シリル・アビディ(フランス/チャレンジボクシング・マルセイユ/100.6kg)
×フランソワ・“ザ・ホワイトバッファロー”・ボタ(南アフリカ/スティーブズジム/113kg)
判定3-0 (御座岡29-28,中川30-28,大成29-28)

※3Rボタ1ダウン

 開始早々、前回の開幕戦を再現するようにアビディがスリップ。またもボタが上から乗りそうになると、アビディは下から顔を蹴り上げようとする。いきなりケンカ屋魂に火が着いたアビディ。だがローを放つも、パンチで突進し距離を縮めてくるボタに苦戦。単発ながらも元ボクシング世界王者の強烈なフックとボディを浴び、背中を見せる場面が増える。アビディがロー、ボタがパンチで突進、クリンチ、という展開が何度も繰り返され、3Rには角田レフェリーが両者にイエローカード。ダウンを奪えないまでも、ボタの優勢のまま試合が終るかと思われた。だが残り10秒を切ったところ、ボタがパンチで突進し頭が下がったところに、アビディの右ハイがクリーンヒット。一撃で文句無しの逆転に成功したアビディにファンは大歓声。気合満点の表情のまま控室に戻った。

第4試合 GP準々決勝 3分3R(延長2R)
×ピーター・グラハム(オーストラリア/ムンダイズジム/113.7kg)
○レミー・ボンヤスキー(オランダ/メジロジム/105.9kg)
1R 2'58" KO (2ノックダウン:右上段膝蹴り)


 序盤から飛び膝を放つボンヤスキーに対し、グラハムも胴回し回転蹴りで応戦。空中戦だけでなく接近戦でもボンヤスキーの膝・ハイ・ミドル、グラハムのパンチからローのコンビネーションと、両者の多彩な攻撃が目まぐるしく展開される。だが、ここぞという場面での一撃ではボンヤスキーが上。ホールディングをしない状態から膝蹴りの技術が冴え渡り、まずは左膝をボンヤスキーのレバーに叩き込み最初のダウンを奪取。さらには右膝をアゴに叩き込み2度目のダウン。一層磨きのかかった膝蹴りで、ベスト4への切符を手に入れた。

第5試合 GP準々決勝 3分3R(延長2R)
×レイ・セフォー(ニュージーランド/ファイト・アカデミー/110kg)
○武蔵(日本/正道会館/98.2kg)
判定0-2 (後川29-30,中川30-30,黒住29-30)


 セフォーは左スネにばい菌が入った影響でレガースを付けて登場(武蔵も合意)。武蔵が左スネを狙って容赦なくローを放つと、セフォーは痛そうな表情を見せつつも、お得意のノーガード戦法で観客を湧かせる。重さとスピードのあるフックで武蔵を脅かす場面もあったが、ローに苦しめられる展開は変わらず。最後まで武蔵は落ち着いた攻めに徹し、大きなダメージのないまま準決勝に進出した。

第6試合 GP準々決勝 3分3R(延長2R)
×アレクセイ・イグナショフ(ベラルーシ/チヌックジム/113.6kg)
○ピーター・アーツ(オランダ/チーム・アーツ/106.9kg)
延長1R 判定0-3 (御座岡9-10,朝武9-10,大成9-10)
※本戦判定0-1 (御座岡30-30,朝武30-30,大成29-30)


 動きのキレの戻ったアーツが左右のストレートとローのコンビネーションで優勢。一方優勝候補と目されていたイグナショフだが元気がない。ジャブやミドルの一発一発の重みはあるが、連打で攻め込むことができず、得意の膝蹴りが初めて出たのは3R残り30秒だった。アーツが本戦で勝ちでもおかしくない試合内容。延長に突入してもアーツの優位は変わらず。アーツは準決勝に期待をもたせる疲れ知らずのナイスファイトを見せた。

第7試合 GP準決勝 3分3R(延長2R)
×シリル・アビディ(フランス/チャレンジボクシング・マルセイユ/100.6kg)
○レミー・ボンヤスキー(オランダ/メジロジム/105.9kg)
1R 1'46" KO (2ノックダウン:左飛び膝蹴り)


 若い両者の対決はいきなりパンチの打ち合いからスタート。だが勢いで上回るのはボンヤスキー。膝ラッシュ、右ハイ、助走をつけての飛び膝と波状攻撃を仕掛ける。クリーンヒットをもらうもアビディは倒れず、会場は大歓声。そしてボンヤスキーの左ハイがアビディの顔面にクリーンヒット。アビディは倒れないものの、背中を向け目が虚ろとなり、レフェリーはダウンを宣告する。アビディはパンチで反撃し戦意を見せるも、最後はボンヤスキーの必殺飛び膝が炸裂。それでもアビディは倒れなかったが、動きが止まりレフェリーは試合をストップ。ボンヤスキーが準々決勝、準決勝と無傷の短時間決着で、初の決勝進出を果たした。

第8試合 GP準決勝 3分3R(延長2R)
○武蔵(日本/正道会館/98.2kg)
×ピーター・アーツ(オランダ/チーム・アーツ/106.9kg)
判定2-0 (御座岡30-30,黒住30-29,大成30-29)


 しばらくクリンチの多い展開が続くも、1R残り1分を切ったところで、武蔵の重い左ミドルが炸裂。さらに左ハイの爪先が顔面に当り、アーツをヒヤリとさせる。2R、武蔵は左ミドル、アーツはパンチと膝で一進一退。ローの打ち合いとなる場面も数度あり、テクニカルな攻防が繰り広げられる。だが決して巧さに走らず、互いの気合いは満点。白熱したファイトに客席から歓声が飛ぶ。
 そして3R、声を上げて突進した武蔵は序盤から左フックと左ミドルを連打。合計6R戦ったアーツは疲れの影響もあり苦しそうな表情。それでも闘志は衰えず、右ハイで応戦。しかし武蔵はすぐに左ハイ。アーツは後ずさりをする。終盤には武蔵は左右のパンチと左ミドルの波状攻撃。アーツはローを返すも力がない。最後は武蔵が左ハイを放ったところでゴング。20世紀の暴君を3R圧倒し僅差ながらも勝利した武蔵。悲願の決勝進出を果たし、ファンに「あと1回!」と何度も叫びながら花道を引き戻った

第10試合 GP決勝 3分3R(延長2R)
○レミー・ボンヤスキー(オランダ/メジロジム/105.9kg)
×武蔵(日本/正道会館/98.2kg)
判定3-0 (御座岡30-29,中川30-29,大成30-29)


 クィーンの「ウィー・アー・ザ・チャンピオン」の生演奏の中、気合い十分の両選手がゴンドラに乗り登場。ボンヤスキーはこれまでの試合同様、開始から右ハイ、右ミドル、飛び膝と勢いよく攻める。だが武蔵はボンヤスキーの攻めを見切り、着実に左ローを叩き込む。2Rも同様の展開。さすがに武蔵は合計7Rの疲労の蓄積もあってか、動きが止まる場面もあったが、闘志は衰えず着実に左ロー。残り数秒には「ハッ!」と叫びながら左ミドルとアッパーのコンビネーションを叩き込む。
 最終R、左ハイをもらった武蔵は「来い!」とばかりに手招きのジェスチャー。ボンヤスキーの左ミドルを浴びると、逆に左ミドルを返してみせる。しばらくボンヤスキーの左ハイ、ミドル、ストレートの波状攻撃が続くが、武蔵はびくともしない。逆にボンヤスキーは終盤攻め疲れ。残り1分、武蔵は渾身の後ろ回し蹴りで一発逆転を狙う。さらに左ロー、ミドルで反撃。ボンヤスキーも最後の力を振り絞り応戦。激しい打ち合いのままゴングが鳴る。
 結局僅差ながらも2、3Rを優位に進めたボンヤスキーに軍配。武蔵はあと一歩のところで日本人K-1 GP初制覇を逃してしまったが、観客からは暖かい拍手が沸き起こった。大会前に本誌のインタビューで「このメンバーで『こいつらでもやれるやん!』ってのを見せたい」と語っていたが、その約束は果たしたといえよう。一方GP初出場にして初優勝の栄誉を勝ち取ったボンヤスキーの目には涙。リング上では妊娠中のメリッサ夫人と熱いキスを交わした。


■第6試合終了後の休憩明け、マイク・タイソンのビデオレターが会場に流された。主な発言内容は次のとおり。「日本の総理大臣が俺の過去を理由に日本に入れてくれない。みんなの力で俺を日本に入れさせてくれ。K-1のリングに上がり、アイアンマイクの意味を知らしめてやる。最後に忘れていたが、ボブ・サップ、契約書にサインしろ、ビッグボーイ」。続いてサップがリングインし、「ビッグボーイは契約書にサインをした。来年戦ってやる。でもその前に12・31に曙と対戦し、本物の王者は誰かを知らしめてやる」とアピールした。


第2試合 GPリザーブマッチ 3分3R(延長2R)
×ビヨン・ブレギー(スイス/ボスジム/110.7kg)
○カーター・ウィリアムス(米国/チーム・ブードゥーUSA/118kg)
2R 2'06" KO (2ノックダウン:右フック)


 1Rは背の高いブレギー相手に攻めにくそうな様子だったウィリアムス。だが2R序盤にはブレギーの右ローに合わせてフックをクリーンヒット。さらにはクリンチの最中に右フックをブレギーのアゴに叩き込み最初のダウンを奪う。ブレギーは右目尻をカットした影響もあり冷静さを失った様子で、パンチで突進したところ、ウィリアムスが迎撃の右ストレート。接近して左右のフックの連打をブレギーの顔面に叩き込み、KO勝ちをおさめた。ウィリアムスが接近戦で身長差を克服。困難な状況への対応力の高さを見せつけた試合だった。

第9試合 スーパーファイト 3分3R
×ヤン・“ザ・ジャイアント”・ノルキヤ(南アフリカ/スティーブスジム/141.3kg)
○マーティン・ホルム(スウェーデン/ヴァレンテュナ・ボクシング・キャンプ/104.6kg)
1R 1'06" KO (左膝蹴り)


 ノルキヤが体格を活かして左右のパンチで前進。ホルムはローを放とうとするも突き飛ばされてしまう。だがホルムはパンチに臆せず近距離から左の飛び膝をノルキヤのみぞおちにグサリ。2秒ほど経ってから痛みを感じたノルキヤの巨体がマットに崩れ落ちた。

第1試合 オープニングファイト 3分3R
○藤本祐介(日本/MONSTER FACTORY/109.2kg)
×マティアス・リッシオ(フランス/XTREM TEAM/98.5kg)
2R 2'34" KO (左フック)


 序盤から突進ファイトを繰り広げるリッシオだが、3年前の修斗参戦時より約20kgも増量しているせいか、2Rにはガス欠。落ち着いてチャンスを待っていた藤本は、左・右・左のフックを3連打し豪快にノックアウト。リザーバーのウィリアムスと接戦を演じ、ジャパンGPで準優勝した藤本にとって、このレベルの選手はもう敵ではないといえよう。




出場選手コメント集


■ボンヤスキー


(優勝おめでとうございます。今の気分は?)もちろんすごくいい気分。王様になったみたいで非常にうれしい。ありがとうございます。
(グラハム選手、アビディ選手との試合であんなに早く勝負がつくと思っていたか?)3Rぐらい戦わなければならないと思っていたが、1Rで倒れてくれたので非常に良かった。
(決勝まで疲れは残っていなかった?)決勝戦まではケガなどはなかったので、いい状態のままで出ることができた。武蔵選手は非常に良く、タフな選手だった。
(武蔵選手のローキックは効いたか?)試合の終盤ではだいぶ効いた。武蔵選手はずいぶんローキックのトレーニングをしてきたようで、非常にいいタイミングでローキックを出してきた。
(武蔵選手が決勝に上がってくることは予想していたか?)武蔵選手が決勝に上がってくるまではアーツ選手かイグナショフ選手と戦わなければならないので、たぶん自分が決勝で戦うとしたらアーツ選手かイグナショフ選手だと思っていた。
(武蔵選手と戦う前と後では印象が変わった?)対戦相手を過小評価したことはないが、事前に武蔵選手の試合を見て、たぶん自分の中では彼の現在の実力を低く見ていたと試合が終わってから感じた。武蔵選手がいいトレーニングをしてきたとわかるぐらい成長していた。
(武蔵選手と戦うための作戦は?)当初考えていた作戦では戦えなかった。当初、なるべく右のキックで武蔵選手のボディに攻撃しようと思っていたが足がだんだん痛んできたので、左のキックやパンチに切り替えた。しかし、武蔵選手は大変な石頭で(笑)なかなか倒れてくれなかった。
(GP王者としてタイソン選手と戦いたい?)もちろん戦ってみたい。1マイク・タイソンファンとしては彼が今でも世界で有数の非常にすばらしいボクサーだと思っているので。
(今回のトーナメントに登場していない選手で戦いたいのは?)新しい世代の選手ではなく、歴史を築いてきた選手、例えばホースト選手やバンナ選手たちと戦ってみたい。
(カーター・ウィリアム選手は先ほどのインタビューでボンヤスキー選手よりも高く飛べると言っていたが、彼と対戦したいか?)もちろん。彼は強くて若い選手なので、機会があれば戦ってみたい。
(年末のDynamite!!に出場したい?)今現在、そのような話はまったくないし、よくわからない。
(もしその大会が総合ルールだったら?)万が一、総合ルールだったら、総合のトレーニングをする時間があまりにもなさすぎるので、その場合は無理だと思う。
(新しい世代の選手ではなく、前世代の選手と戦いたい理由は?)彼らはすばらしい選手だし、K-1の歴史を築いてきた彼らがいなければ今の舞台はない。彼らと戦えるのは光栄なことだから、ぜひやってみたい。
(今大会のメンバーが地味だと言われているが、チャンピオンとしての権威が必要だと思った?)今大会が地味になったことは自分がどうこうできる立場にはないが、もし彼らがこの大会に出ていたとしても同じように正々堂々と戦ってそれなりの成果を残すことができたと思う。
(彼女は何か言ってくれた?)短期間に結婚して子供ができてチャンピオンになったという、人生で非常にうれしい時期。彼女からは"I love you."と言われた。彼女も非常にうれしく思ってくれている。
(フライングニーを連続して出せればと谷川プロデューサーが言っていたが?)フライングニーという技は一生懸命開発したものだが、連続してひたすら飛んでいればいいというものではない。ローキックを同じ所に連続して当てても効き目がないように、場所とタイミングをつかんで出すのが一番有効だと思うので連続してというのはどうかなと思う。
(フライングニーは大変美しい技だが、誰かに習ったのか、それとも自分で開発したのか?)習ったというわけではないが、オランダのロドニー・フェブラスという選手が似たような技をしていたのを見て、自分ならもっとうまくできると思い、一生懸命トレーニングして習得した。


■武蔵


(結果について)優勝したかったので残念。フランキーと一緒にトレーニングして1ヶ月足らずだが、ここまでやってもらってありがたいと思っている。もっと練習して、来年はさらに頑張りたい。
(どこが進歩したと思う?)一緒に練習したのは1ヶ月だけなので、習ったことをどれぐらい試合で出せるか半分不安があった。練習でやったことが試合ではできなかったと思う。フランキーは試合が終わるたびに怒っていた。試合に臨む考え方や精神的な部分でかなりサポートしてもらえた。やはり元世界チャンピオンは強いなと思った。
(作戦は?)全員オーソドックスの構えなので、コンビネーションと、手と足をつなげることと相手の左側に動いて行くこと。

(フランキーさんは武蔵選手の戦いを見てどう思う?)今回準優勝だったが、彼のトレーナーとして満足している。テクニックだけではなく、すばらしいスピリットを見せてくれた。セフォー選手、アーツ選手というK-1の中で有名なタフな選手と対等に戦って勝ち、今まで練習してきたことが全て出せたのではないかと思っている。武蔵選手を教えたことを非常に誇りに思っている。今回の結果に自信を持ってほしい。がっかりすることなく、自信をもってこれからも一緒にトレーニングしていきたい。武蔵選手は一回戦と準決勝で厳しい試合ををしてきた。その中でボンヤスキー選手とあれだけ戦えたのはすばらしい。ボンヤスキー選手は1回戦、準決勝とダメージもなく、スタミナも消耗することなく戦うことができた。そのあたりに若干不利な点があったと思う。
(武蔵選手はキックがすばらしい選手だが、それを十分に出せたか?)今回のトーナメントでプレッシャーを感じていた。トレーニングの時間が若干少なかった。武蔵選手は以前、トーナメントで戦ったことがあり、そのプレッシャーがどんなに大きなものであるかよくわかっていたと思う。その大きなプレッシャーの中でセフォー選手やアーツ選手と対等に戦って勝った。武蔵選手は上達してすばらしい選手になったことを証明した。まだ若く、将来いろいろとやっていけると思う。これからも日本の代表選手として立派にやっていってほしい。
<武蔵に質問が戻る>
(アーツ戦・セフォー戦について)リベンジ達成だと思う。でも、ワンマッチではないので・・・出ている選手がみんな強いので、誰が上がってきても厳しい試合になると思っていた。セフォー戦から気合を入れて、リマッチに関係なく勝ちに行こうと思っていた。
(勝利は自信になった?)勝てると信じて戦っていた。自分を信じた結果かなと思う。
(最後の涙は悔し涙?)もっとやれると思っていたので、悔しさが残った。もっと練習しなければいけないと思った。
(武蔵流の完成形は見えた?)もっと貪欲にもっといろいろなものを得たいと思った。
(決勝で相手が左ミドルを出してから流れが変わったようだが?)1発いいのをもらった。この流れを変えなければと思いながら戦っていたが変わらなかった。悔しい。
(ボンヤスキー選手の左ハイでダメージは大きかった?)ハイキックよりミドルキックが効いた。これだという攻撃がなかった。自分から手が出なかったことが悔しい。
(精神的な教えで印象に残っているのは?)「自分を信じるように」とフランキーが言ってくれた。優勝はできなかったが、日本人が強いことを見せられたかなと思う。東京ドームでは8人のうち1人が日本人だが、日本人が入っていない感覚があったので、今回はそういう点では見せることができたかなと思う。
(膝蹴りを受けていたようだが、効いた攻撃は?)膝蹴りはそんなに効かなかった。膝蹴りをカットしようとして脛に膝が当たってそれがすごく痛かった。
(アイシングしてるのはその時のダメージ?)アーツ戦の時も痛かった。試合後は決勝までアイシングしていた。
(賞金は何に使う?)いくらでしたっけ(笑)特にまだ考えていない。とりあえずうまいものを食いに行きたい。フランキーに焼肉をおごりたいが、彼は焼き鳥しか食べないので・・・
(アーツ戦で足を怪我したのは肘を蹴ったから?)何で痛めたのかわからない。蹴ったときのカットだと思う。セフォー戦では全然ダメージがなかったので大丈夫だと思っていたが、アーツ戦でダメージを受けた。
(優勝には何が足りなかった?)フランクに言われてできたことがあまりなかった。もっとそれが自然に出せるようにしたい。コンビネーションや手数を出せるような練習をしたい。
(Dynamite!!参戦について)全く考えていない。観には行きたい。怪我を治さなければいけないので。1ミーハーとして見たい。


■アビディ


(ボンヤスキーの戦の感想)残念。彼の方が強かったから私が負けた。
(パンチが当たっていたが、手ごたえはあったか?)あまり感じていない。今回は自分の力をうまく発揮できなかった。
(最初のボタ戦があのような形で終わって、集中力が切れた?)最初の試合から次の試合まで1時間ほど待つので、それまで集中力をもう一度高めてコンディションを整えるのは大変。トーナメントだと他の選手も同じことなので仕方がないこと。
(ボンヤスキー戦のハイキックでダウンを取られたときのダメージは?)ハイキック自体は強くなかった。あまりにも速く来たので、体勢を整える時間がなかった。テクニック的にどういう解決方法を取ったほうがいいのかつかめないままにどんどん相手が攻撃してきたので、悪い方向に行ってしまった。
(二度目のダウンはレフェリーストップだったが、ダメージは?)決定的なダメージではなかった。頭に受けたのであのような結果になった。頭に攻撃を受けると何も感じずに試合を続行することが非常に大変。打撃自体ががすごく強かったわけではない。
(自分の力を発揮できない理由は?)負けは負け。人生にはそういうこともあるかなと思う。ダメージを受けたので負けた。
(第一試合でボタ選手に勝ったことについて)結果自体には満足している。試合前にボタ選手が自分のことを言いすぎという感じで言っていたので、あの試合でムエタイ式のボクシングがどれだけ強いかボタ選手にわかってもらえたと思う。試合中は相手がクリンチしてきたので、美しい試合運びではなかったが勝てたことには満足している。
(2年前にドン・フライ選手とMMAの試合をして以来、今までMMAはしていないが、今年の年末はMMAの試合をする予定があるか?)今のところは全くわからない。最近の練習は今日の試合のためにしてきたのでもしそういう機会があるならそういうことになるのかなと思う。前回のドン・フライ選手のような非常に優秀な選手と戦うほどのテクニックがないことはわかっている。
(唇が腫れているが、最後の膝蹴りが原因?)昨日の夜、テニスをしたせいです(笑)
(ボールが当たった?)そうです(笑)


■アーツ


(右ひじを痛めているようだが?)そうです。
(試合中に?)一回戦目で痛めた。
(イグナショフ選手との再戦について)3R内で勝てたと思ったが、ジャッジはそう思わなかったようだ。試合中、一度はいい攻撃をもらったが、それ以外は効いたものはなかった。意図的に僕を勝たせたくなかったのかなと思った。
(イグナショフ選手とは1年半ぶりの対戦だが、彼が成長したと思う?)今日出場した他の7選手に比べて、イグナショフ選手は一番と言っていいぐらいいい選手だと思う。そういう意味では、自分との戦いが決勝戦のようなものだと思う。
(その強いイグナショフ選手に勝てた要因は?)3Rで上手くポイントを稼げたから。最初の3Rで簡単に勝てていたと思う。試合はポイントをうまく重ねていって勝つものだと思うので、そういう意味でも自分が勝っていたと思う。どうしてジャッジがあのようになったのかなぁ・・・
(1回戦に4R戦ったことで、準決勝の武蔵戦に影響した?)武蔵選手との対戦で2〜3回いい攻撃をもらったが、そこを自分がうまくしとめることができなかった。以前、ラスベガス大会でレコ選手と戦ったときと同じように、自分の方で取りこぼすような形になった。右ひじの状態を考えるとこれ以上戦える状態ではないので、仕方がないのかなと思う。でも、そのことを言い訳にしたくない。もちろん、自分がKOで勝っていればそれで済んだことだし、この次ははっきりとした形で勝ちたい。
(武蔵選手は1ヶ月前からボクシングのトレーニングをしてきたが、どうだったか?)彼のパンチはまだ十分なパワーがない。クリンチやキックのような技術的なことはよくできているが、あと、彼に必要なのはパワー。以前に比べると、メンタルな面は非常に強くなった。以前は自分が効いてしまった攻撃を受けると崩れていくところがあったが、今大会ではそれが見られなかったので、そういう意味の進歩があった。
(親友のペドロ・ヒーゾ選手とMMAのトレーニングをしていると聞いているが他にどんな選手とトレーニングしている?)ヒーゾ選手と時間を一番多く割いて練習している。ノゲイラ選手ともする。大晦日にという話があったが、今の状態では無理だと思う。
(今後のトレーニングについて)とりあえず、腕の状態を良くしたいので、しばらく休養する。
(すぐオランダに戻る?)あと2日間ぐらい日本にいるが、その後はオランダに帰る。
(もう一度K-1に挑戦する?)はい。


■イグナショフ


(体調は?)いい調子だった。病気もしてない。
(敗因は?)パンチを出す軽さがなかった。パンチをもっと打ちたかったが・・・ハーモニーが見つからないまま終わってしまった。今回の試合に対してとても不満で、喜びの感じられない試合だった。こんなことが自分の身に起こるとは考えていなかった。でもそんなことが自分にも起こるんですね。
(なぜ軽さがなかった?)相手によると思う。今回の対戦相手はアーツ選手で、自分の中にアグレッシブな面が少なかったかもしれない。
(以前戦ったときと比べてアーツ選手はどうだった?)前の時はアーツ選手に勝てると思った。それが違い。今回は試合自体をコントロールできなかった。
(前回のアーツ戦よりも首相撲が少ないと感じたが、それがコントロールしきれなかったところ?)そうではない。
(アーツ選手にプレッシャーを感じた?)彼は自分がしたいようにボクシングをして、そのせいでかなり疲れてしまっていると思う。決勝戦まで行けるかとても心配。力が足りなくなってしまうかもしれない。自分との試合でエネルギーをほとんど全部使い果たしてしまったと思う。
(アーツ選手はさきほど武蔵選手に負けてしまったが)武蔵選手におめでとうと言いたい。武蔵選手は決勝戦でかなりつらくなるだろう。
(1Rが終わった時点でいつもどおり汗をかいていたか?)あまりかかなかった。1Rで試合のハーモニーを見つけられたように感じたが、2Rと3Rでそうでなかったことが証明されてしまった。
(年末のDynamite!!に参加する意思はあるか?)もちろん参加する。
(総合ルールもあるが?)生まれて初めてのルールで参加することになるが、トライしてみたい。もしかして総合ルールの方を気に入るかもしれない。


■セフォー


(ケガの具合について)特に問題ない。昨日の記者会見で説明した通り、体調が悪く、体の節々が痛い。今日このリングの上に立って試合をすることが重要だと思っている。現在は薬を飲んでいる。体調を早く治したい。
(3年前と比べて武蔵選手はどうだった?)経験を積んで成長していると思う。今回、自分はこのような体調なので、トレーニングがしっかりできない状態で試合に臨んだ。体調が悪かったから武蔵選手が勝てたというわけではない。武蔵選手も非常に上達し、可能性のあるいい選手なので、それを理解していただきたい。武蔵選手だけでなく、日本人選手はすばらしく、経験を積んでいて、すばらしいスピリットを見せている。自分もその選手に負けないようにサムライスピリットを見せることができたと思う。
(体調がすぐれないということで辞退を考えたが、今回参戦したのはファンのため?)もちろん。ファンをがっかりさせたくないという気持ちが非常に強く、今回の参戦を決めた。最初の時点で体調が100%ではなかった。そのような状態の中で試合をすることは良くないと思っていたが、ファンをがっかりさせたくないという力が非常に強かった。1週間前に辞退を考えたが、ファンのため、そして1年間頑張ってきた自分のために参戦を決意した。実際、体調が非常に悪く、脛が腫れてしまう状態で、走ったりしてはいけないと医者に言われたが、抗生物質を飲んで体調をできるかぎり調整した。そのような状態で試合をするのは危険ではないかと言われるが、リスクが高いということをわかった上で参戦した。人生でリスクが高いとわかっていてもそれを受けて取らなければいけないこともある。
(総合格闘技の進出についてDynamite!!のオファーがあったが、良く考えてみると試合までに時間がないということ、きちんとトレーニングできていないという状態で参戦することはない。アメリカでテレビや映画の撮影があるのと、LAに両親が来ることを考えると参戦は来年になる。


■グラハム


(東京ドームでの試合の感想)勝てなかったので非常にくやしい。
(緊張していた?)緊張はしていない。ベストの試合をしたいと思っていた。
(最初に倒れたとき、どれぐらいのダメージがあった?)ボンヤスキー選手はパワーのある選手ではなく技巧派だと思う。彼のテクニックに負けた。
(作戦について)一生懸命戦うということ、ローキックに集中して戦うこと。中に入って距離をつめて戦いたいと思っていた。ボンヤスキー選手はキックでもパンチでも距離をおいた攻撃が得意だと思ったので、自分は中に入りたいと思っていたが、今日は彼の技巧的なテクニックにやられた。全てに関して彼は勝っていた。いい選手だった。
(今後の課題について)経験不足だと実感した。ヨーロッパの方がこのようなトーナメントが盛んに行われているので、トレーニングに励んで、できる限り試合をして、より良い選手になりたい。


■ボタ


(試合の感想)試合内容にがっかりした。硬くなって難しい戦い方をしてしまった。もう少しリラックスして戦えば、違った結果になったと思う。
(作戦について)アビディ選手に絶対勝てると思っていた。今でもそう思っている。ジャブを出していった。彼はキックで試合を優位に運んでいったと思う。自分はまだ学ぶことがあり、1つの事柄を学んだという経験にしたい。これからトレーニングしていけば十分にやれる。
(ボクシングに関しては問題ないが、ハイキックをまともに受けてしまったのは油断してたから?)確かにそう。パンチには何の問題もないし、相手よりずっと勝っていると思っていたが、あのハイキックの瞬間にガードが下がってしまった。K-1の戦い方にまだ慣れていないからだと思う。キックをからめた戦い方はまだ少し違和感がある。今回はキックを足で受けても耐えることができたのはひとつの進歩。一回目のときは経験になることもしなかった。今回、本当のK-1を経験できて、これからもっと良くなり、K-1で十分やっていけると自信がついた。
(最後のハイキックは見えていた?)見えていない。本当にいいパンチやキックを受けた人間は見えていないことが多い。
(この結果でタイソン選手との対戦が遠ざかったようだが?)一般的に、ボクサーがK-1で戦うためには、キックボクシングで経験をつまなければならない。タイソン選手がもしK-1のリングで戦いたいのなら、キックボクシングの試合を何戦か経験してからになると思う。


■ウィリアムス


(今の気分は?)うれしい。
(残念ながら、トーナメントには出場できなかったが)残念ながらそうですね。でも、リザーバーの試合であっても勝つということを目標にしていたので、達成できたのはうれしい。
(試合後にカメラに向かって話していたが?)K-1の印象や、アメリカでK-1が人気が出るかなど聞かれた。K-1を好きになってきている人が増えてきている。また、ボクシングよりもKO率が高いこと、もっと激しさがあるので印象度が高いと話した。
(もし本戦に出場していたら、準決勝に進んだ4選手の中で誰に勝てそう?)今日出場している選手はみんなすばらしいが、全ての選手に勝つ自信はある。自分は体が小さいが、パワーがあって動きも速い。
(3年後ぐらいにはチャンピオンになるチャンスがあるのでは?)3年も待てないよ(笑)やる気満々で、来年こそはこの舞台で華々しく活躍したい。優勝回数はホーストの4回が最多だが、自分は6回ぐらいチャンピオンになるのが目標。K-1の世界で足場を固めてやっていこうという気持ちが強い。しっかりトレーニングして、いつでも勝てるようにしたい。ボンヤスキー選手のことは大変気に入っている。彼とは近いうちに戦うことになるだろう。彼は高く飛ぶが、自分の方がもっと高く飛べると思う。
(現在持っているタイトルについて)アメリカのアマチュアキックボクシング(IKF)のタイトル、アメリカのISFAのワールドタイトル、アメリカのK-1タイトル、カナダのWKAのタイトル、アメリカのグラディエーターのタイトル(MMA)のタイトルを持ってる。


■ブレギー


(目の傷の具合は?)よくある普通の切り傷なので、深刻なものではない。
(敗因は?)言い訳にしたくないが、来日して空港に降り立った時点で熱が39度あった。体調が非常に悪かったが、東京ドームのリングに上がりたいという一心で戦いに臨んだ。しかし、風邪の影響が思ったより大きく出てしまい、リングに上がったときにあまりしっくりこないと感じたまま戦った。ドームのリングというプレッシャーを自分にかけすぎてしまい、思ったような力を出すことができなかった。
(今回、東京ドームのリングを経験したということで、次回は実力を発揮することができる?)もちろん。ドームでの試合はいい経験になった。自力でこのリングにあがるためにはいい試合をしていかなければならないと自覚している。今年はリングに立てたというだけでうれしい。体調が悪かったことは残念。来年はこの経験を生かして、いい形でここに戻って来たい。体調のいいときにウィリアム選手との再戦を希望している。

Last Update : 12/09

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