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(レポ&写真) [K-1 JAPAN] 4.6 山形:対抗戦は引分。角田P、JAPAN勢に厳しい評価

K-1事務局 "山形放送開局50周年記念
K-1ジャパンシリーズ K-1 BEAST 2003 〜山形初上陸〜"

2003年4月6日(日) 山形・山形市総合スポーツセンター

  レポート&写真:井原芳徳  観衆:4,645名(超満員)

  【→大会前のカード紹介記事】
  [→掲示板・K-1ヘビー級スレッド]

第7試合 ジャパンvsビースト軍団 7対7 大将戦 3分5R
△ゲーリー・グッドリッジ(トリニダード・トバコ/フリー)
△武蔵(日本/正道会館)
判定0-1 (49-49,48-49,49-49)


 99年4月の一度目の対戦ではグッドリッジが金的による反則負け。試合前のVTRでは互いに金的攻撃を予告するというテレビ向けの演出が施されていたが、皮肉にも試合も本来の攻防よりもその金的の方が目立つ展開となってしまう。
 序盤、静かな打ち合いが続き、武蔵は掛け声を上げながらパンチとキックを放つ。3R、グッドリッジの右ローが故意ではないがローブローとなり、グッドリッジに注意1。会場に一瞬不穏な空気が漂うが、武蔵のダメージは小さく、武蔵はその後も手数で上回る。だが武蔵の攻撃は単発で、グッドリッジに大きなダメージを与えるには至らず、ジャッジも0.5ポイント差ずつしか付けてくれない。

 4R終了間際、今度は武蔵の右ローがグッドリッジの股間を蹴り上げるような形でモロに入り、グッドリッジは前のめりで倒れる。武蔵に注意1。グッドリッジの体力回復をはかるため5分間試合が中断し、5Rに。するとグッドリッジは最後の踏んばりをみせパンチで猛ラッシュ。モーリス・スミスの元での1ヶ月の特訓の成果を発揮し、ジャッジ2者から1ポイントを獲得。0-1ながらもかろうじてドローに持ち込んだ。
 武蔵は「判定には納得していない。ローもボディも効いていたが、グッドリッジ選手が打たれ強かった。(故意ではないが)金的の後に休ませてしまったのが間違いだった」とコメント。試合後両者は健闘を讃え合い抱擁。金的の遺恨は感じさせず、グッドリッジは大会終了後のセレモニーで武蔵を肩車で抱え上げていた。

 対抗戦の結果は3勝3敗1ドローの引き分けに。大会後、角田信朗・競技統括プロデューサーの口からは、「この数字はどうでもいい。天田と子安がかろうじてスピリットを見せたくらい」「(引き分けた)武蔵はファイターとしての哲学を変えない限り、一生変わらない」「これまでK-1の半分の歴史をジャパンに費やして、出した内容が今日のこれですか?」「アマチュアの年間行事の一環じゃないんだから」「今回は主催者やスポンサーの協力で大会に漕ぎ着けたのに、選手だけが仕事をしていないと感じましたね」と厳しい言葉が飛んだ。さらにはK-1ジャパンが当初掲げて来た『ガンバレ日本』のテーマを「賞味期限が切れて腐っているかもしれない」とまで言い放った。谷川貞治イベントプロデューサーも「メインはドローじゃ武蔵選手の負けですね」とコメント。武蔵は「勝てなかったので偉そうなことは言えないけど、最終的には大将のボブ・サップを引きずり出したい」と話していたが、その前にプロデューサー陣を納得させる試合をする必要があるようだ。

第6試合 ジャパンvsビースト軍団 7対7 副将戦 3分5R
○マイク・ベルナルド(南アフリカ/レオナルド・ボクシングジム)
×中迫 剛(日本/ZEBRA 244)
2R 1'02" TKO (タオル投入:左フック)


 1R、ジャブの攻防が続いたが、残り1分にベルナルドの右フックが炸裂し中迫ダウン。さらにベルナルドはフックで攻め、左で2度目のダウンを奪う。2R開始早々こそ中迫は右ハイと左ミドルを出したものの、ベルナルドの圧力に屈し、左フックで2度ダウンを奪われたところで中迫陣営がタオルを投入し試合終了。
 中迫は「半年ぶりの試合で柄にもなく緊張して、最初から思いっきり蹴りを出せなかった。最初のダウンで右の脇腹を痛めて、ふんばりが効かなくなった」と反省。ベルナルドは「100%の力を出し切れなかったが、今のチームはベスト。自分は確実に強くなっている。今年はGPチャンピオンを狙う」と自信をつけた様子。谷川プロデューサーも「今日はベルナルドの復活がうれしい」と話していた。

第5試合 ジャパンvsビースト軍団 7対7 五鋒戦 3分5R
×トム・エリクソン(米国/フリー)
○天田ヒロミ(日本/TENKA 510)
4R 1'14" KO (右フック)


 「1Rで倒す!!左ボディで悶絶KO」というプラカードを持って入場した天田だが、38キロ近く重いエリクソンのフックに思いのほか苦戦。2Rに左ボディでダウンを奪ったものの、その後何度もスリップする展開が続く。結局、4Rの打ち合いで天田が2度目のダウンを奪ったところで10カウントのゴング。

第4試合 ジャパンvsビースト軍団 7対7 中堅戦 3分5R
○シリル・アビディ(フランス/チャレンジ・ボクシング・マルセイユ)
×子安慎悟(日本/正道会館)
判定3-0 (50-42,50-43,50-43)


 素早いコンビネーションから繰り出されるアビディのパンチとハイキックで、子安は試合中計5度のダウンを喫する。だが3Rには1度ダウンを取られた後に左ハイでダウンを奪い返し、4Rには2度ダウンしながらもラウンド終了間際に“子安キック”を放つなど、不屈の闘志を発揮。ポイントで大差を付けられ敗れたものの、この日のベストバウトともいえる試合内容で、角田&谷川両プロデューサーも子安を高く評価した。

第3試合 ジャパンvsビースト軍団 7対7 参鋒戦 3分3R
○モーリス・スミス(米国/モーリス・スミス・キックボクシング・センター)
×TSUYOSHI(日本/ボスジム)
判定2-0 (30-29,30-29,30-30)


 “サップの先生”とVTRで紹介でされたスミスが、まるでTSUYOSHIにキックのイロハを教えるように、的確に打撃をヒットさせ続け圧勝。だが今やスミスも41才。「1年半ぶりの試合で力を出し切れなかった」といい、勢いに欠く試合内容だった。

第2試合 ジャパンvsビースト軍団 7対7 次鋒戦 3分3R
×ケリ・カレナ(ニュージーランド/TTKハリケーンズ・タイボクシングホークスベイ)
○藤本祐介(日本/MONSTER FACTORY)
3R 1'13" KO (右ストレート)


 1R、カレナのカウンターの左ミドルがローブローとなり、藤本の回復を待つため5分の休憩が取られる。再開後は藤本がストレート、ボディ、ミドル、ロー等で攻め続け、最後はクロスカウンターでカレナのパンチをもらいながらも右ストレートで見事KO勝ちをおさめた。

第1試合 ジャパンvsビースト軍団 7対7 先鋒戦 3分3R
×チャド・バノン(米国/チーム・ビースト)
○富平辰文(日本/SQUARE)
判定0-3 (27-30,28-30,27-30)


 ボディビルダーのような体型のバノンが開始早々飛び膝蹴りで奇襲するが、見せ場はここだけ。富平の右ローに苦しみ、組み付いてディフェンスするしかなかった。

オープニングファイト 第2試合 3分3R
×滝川リョウ(日本/日進会館)
○伊藤 学(日本/アイアンアックス)
判定3-0 (29-30,28-30,29-30)

オープニングファイト 第1試合 3分3R
×西田和嗣(日本/全日本キックボクシング連盟・S.V.G)
○堀 啓(日本/チームドラゴン)
2R 1'11" KO (左上段膝蹴り)

 身長で14センチ、体重でも7キロ上回る堀(写真左)が、レスリング修行で付けたパワーも活かし、左ミドル主体でペースを維持し、最後は豪快な膝。1年ぶりの試合をKO勝ちで飾った。

フレッシュマンファイト 3分3R
△青柳雅英(日本/フリー/新空手全日本大会第3位)
△HIROSHI(日本/ボスジム)
判定0-0 (29-29,29-29,29-29)

Last Update : 04/07

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