BoutReview
記事検索 by google
news

(レポ&写真) [PRIDE.22] 9.29 名古屋:ハイアン公約達成「吉田逃げるな!」と挑発

ドリームステージエンターテインメント "PRIDE.22"
2002年9月29日(日) 愛知・名古屋市総合体育館レインボーホール  観衆・9391人(主催者発表)

  レポート&写真:井田英登   【→大会前のカード紹介記事】 [→掲示板・PRIDEスレッド]

第8試合 1R 10分・2,3R 5分
×大山峻護(日本/フリー)
○ハイアン・グレイシー(ブラジル/ハイアン・グレイシー柔術アカデミー)
1R 1'37" 腕ひしぎ十字固め

 「5分以内で大山に勝ってその場で吉田に挑戦する」と戦前公言したハイアン。その公約通り、試合開始から速攻の胴タックルでマットにたたき付ける電撃攻撃でサイドポジションをキープ。ロープ際ながらマウントを奪取。しかし大山はこれをスィープし、立ち上げって、グラウンドに仰向けになったハイアンに渾身の右フックを浴びせた。しかし、それを待ち受けたハイアンはそのまま腕を取り、下からの腕十字を決めた。そのまま前に倒れこんだ大山は、右うでの肘を外された状態にされ、無念のタップアウトを喫することになった。

試合後ハイアンは「今日は兄のために闘った。俺は公約通り5分以内で勝ったのに吉田は逃げたのか? 俺はプライドファイターだからプライドルールで吉田と闘いたいが、もしDynamite!の時のルールでやりたいならやってもいい。ただし審判は日本人以外でないと、負けさせられてしまうだろうな(笑)」と会心の勝利を得て、吉田への“口撃”を繰り広げた。

※メインイベント前に、この日TV解説を務めた高田延彦がリングにあがり「私、高田延彦は11月24日のPRIDE.23におきまして最後の戦いとします。長い間、応援ありがとうございました」と短く“引退”を表明した。ただし、森下社長によれば、それがPRIDEマットからの引退にすぎないのか、プロレスも含んだ全面的な選手生活からの現役引退宣言なのかは“まだ高田さんの中でも明快にはなっていないのではないか”という感触を得ているという。今後、2ヵ月の間に詳細を固める方向で話しあいに入るという。

第7試合 1R 10分・2,3R 5分
×イゴール・ボブチャンチン(ウクライナ/フリー)
○クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン(米国/チーム・パニッシュメント)
1R 7'17" KO

 フロントネックロックに取られながらそのまま100キロを越えるボブチャンチンの巨体を頭上に抱え揚げ、マットにたたき付けたランペイジ。パワー差を見せ付けて、再度頭からの危険な投げでボブチャンチンを組み敷き、ボディに浴びせ続けたパンチで、ボブチャンチンのろっ骨を“破壊”。試合続行不可能に追い込んだ。


第6試合 1R 10分・2,3R 5分
○マリオ・スペーヒー(ブラジル/ブラジリアン・トップ・チーム)
×アンドレイ・コピィロフ(ロシア/ロシアン・トップ・チーム)
1R 6'02" TKO (ドクターストップ)

 南北トップチーム対決は、グラウンド状態のコピロフの顔面を蹴ったスペーヒーの 一撃が、コピロフの上唇が切るというアクシデントを誘発。結局、ドクターストップでスペーヒーに軍配が上がった。一瞬の切り返しで膝十字をキャッチしようとするなど、ファンタジスタぶりをみせていただけに惜しい試合となった。


第5試合 1R 10分・2,3R 5分
○ヒース・ヒーリング(米国/ゴールデン・グローリー)
×コーチキン・ユーリー(ロシア/ロシアン・トップ・チーム)
1R 7'31" TKO (レフェリーストップ)

 グラウンドの体のこなし、パワー、スキル、全てにおいて上回ったヒーリングが、コーチキンに再三4Pでの膝を打ち込んで攻め込むが、「なぜこれで倒れないのか不思議だった。凄く頭の硬い選手だ」と試合後ヒーリングがあきれ顔で言うほどの打たれ強さを見せたコーチキン。逆にグラウンドでバックを奪い、スリーパーを狙うシーンも見られた。最後は、やはり得意の4Pでの膝連打で勝負を決めた。



第4試合 1R 10分・2,3R 5分
×小路晃(日本/フリー)
○パウロ・フィリォ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
1R 2'48" 腕ひしぎ十字固め

 「体調が良すぎるぐらいで、そこに油断があったかもしれない」と試合後小路が振り返るように、半年間AMC勢と練習を重ねた結果、体もしぼれ、すっきりした印象の小路。さし合いからの攻防で、倒されない腰の強さをみせ、焦れたフィリョがコーナーで低空のタックルを敢行したのも、足を抜いて躱すなど、確かに動きには切れもあった。上になって、コーナーに押し込んだ状態でパンチを降らせたのも緻密な組み立てだったはずだ。しかし、下からロープをも巻き込むようにして足を跳ね上げたフィリォに、腕十字を一瞬で極められてしまったのだった。
これで小路はPRIDE五連敗。迷路はまだまだ深い。




第3試合 1R 10分・2,3R 5分
×アレクサンダー大塚(日本/AODC)
○アンデウソン・シウバ(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)
判定0-3

 入場テーマをマイケル・ジャクソンの「今夜はドントストップ」にして、花道ではそのステップを再現してみせたシウバは余裕綽々。一方、アレクは格闘技選手としての評価を下げた菊田戦の後だけに、ここで真価を見せなければ後が無い。
 その自覚を見せようとするかのように、アレクは目を見張るような早いタックルでシウバをテイクダウン。すかさずアマレス仕込みのグラウンドコントロールで相手を二つに折り、腰を浮かせてパスガードを狙う。しかし、下になったシウバは長い足を活かして三角締めで、がっちりアレクの首をしめあげる。なんとか釣り上げてパワーボム風におとして、乗り切るアレクだったが、その後の攻め手が無かった。バックを取ったシウバは、マッハ戦でもみせたように、そこでカメになったアレクに胴締めで張り付き、パンチを見舞っていく。
 結局アレクはタックルで上になりながら、シウバの多彩な足技に翻弄され続ける形となった。試合終了直前の逆転のアキレス腱固めをねらってみたものの、ヒールホールド〜膝十字へとつなぐコンビで、逆にシウバの技術をみせつけられてしまった。


第2試合 1R 10分・2,3R 5分
×山本憲尚(日本/高田道場)
○ガイ・メッツァー(米国/ライオンズ・デン)
判定0-3

 ハイから一回転してのソバットや膝などガイの多彩な蹴りのバリエーションに、ド突きあいを望んだ山本は、泥沼に沈んでいく。蹴りもモーションを読まれ、再三顔面にカウンターのストレートを浴びては、フラッシュダウン気味にふらつくシーンが見られた。結局、スタンドばかりの消耗戦となり、手数正確さでまさったメツァーがリードを守り切った形に。


第1試合 1R 10分・2,3R 5分
×小原道由(日本/フリー)
○ケビン・ランデルマン(米国/ハンマー・ハウス)
判定0-3

 新日本プロレスを離れフリーとなった小原は、国士舘大学在学時にはの柔道部の主将も務めた経験もあり、今回“柔道閥”として吉田秀彦がセコンドについた。しかし、今回PRIDE第一戦となったケビンとはかなりの実力差があった。特に立ち技のスキルの無さを露呈。コーナーにつめられて面白いようにパンチを浴びてしまう事に。しかし、何発パンチを浴びても倒れない小原に、ケビンがあきれたように腰をかがめて目の色を伺うようなシーンも見られた。
 1R右のローのカウンターに、ハエたたきのようなランデルマンの右のカウンターフックが浴びせられ、たまらずダウンした小原だが、追い討ちのパンチをのがれて素早くころがって場外に出ようとしたのは、長年染み付いたプロレスラー的ムーブだったのかしれない。これにイエローを提示された小原は、ポイント的にかなりのビハインドとなったが、ケビンのプレッシャーに、ついついまっすぐ下がってしまう癖が修正できず、コーナーにつめられてしまう。
 2R、突っ込んできた小原を飛行機投げでテイクダウンしたケビンは、グラウンドパンチ主体に攻めを切り替えたが、スタミナ切れもあってか決定打にまでは至らず。ドロップキックなどもみせ、打たれ強いタフネスを感じさせたが、強さは圧倒的にケビンのものであった。



Last Update : 09/30

[ Back (前の画面に戻る)]



TOPPAGE | NEWS | REPORT | CALENDAR | REVIEW | XX | EXpress | BBS | POLL | TOP10 | SHOP | STAFF

Copyright(c) 1997-2002 MuscleBrain's. All right reserved
BoutReviewに掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
著作権はマッスルブレインズに属します。

編集部メールアドレス: ed@boutreview.com