(レポ&写真) [シュートボクシング] 9.22 後楽園:後藤龍治、S-cup王者サワーと激戦
シュートボクシング協会 "SHOOT BOXING The age of S Vol.4" 2002年9月22日(日) 東京・後楽園ホール
レポート:石動龍 写真:井原芳徳,石動龍 <テレビ放映> JSkySports 3 10/07 01:00〜(リピートあり。1、2でも放映)
第10試合 3分5R ○アンディ・サワー(オランダ/リンホー/S-cup2002世界王者) ×後藤龍治(STEALTH/SB日本ミドル級1位) 判定2-0 (49-49,49-48,49-48) ※5R後藤にシュート(S)ポイント1
7月のS-cupで一回戦負けを喫した後藤。本来ならばトーナメント覇者であるサワーへの挑戦権はなかったはずだが、シーザー武志・シュートボクシング会長より課せられた「30人組手」の荒行達成によって対戦が実現した。 開始からサワーの鋭いパンチが後藤を襲う。S-cupでもボディブローを武器に勝ち上がっているだけに観客からは悲鳴が上がる。セコンドの小林聡、港太郎からも「打ち合うな」の指示が出るが、後藤はアッパーを中心にした攻撃で真っ向から応戦。体格差を利用して前に出るサワーに終始ロープ際での戦いを強いられるが、打たれても打ち返しサワーに鼻血を出させるなど互角の戦いを見せる。 一進一退の攻防のまま試合は最終Rを迎える。疲れの見えた後藤に対しサワーの手数が多くなるが、後藤も組み付いての首投げでシュートポイントを奪う。試合終了のゴングと同時に両者ガッツポーズをし延長戦も予感させたが、ジャッジ二名が一ポイント差でサワーを支持。後藤の下克上が実現することはなかった。
試合終了後、判定に納得の行かない後藤が「もう一回やらしてください」とアピール。すると、7月にサワーに敗れた土井も再戦をアピールする。だが左膝のじん帯の怪我が治っていない土井がサワーと対戦することはしばらく無理だ。そこに現れたのがSB日本スーパーウェルター級チャンピオンの緒形健一だった。S-cupの行なわれた横文大会ではリングスルールの試合が組まれたため、S-cupには出場できなかったが、その試合後は「これからはSBを極めていきたい」と語っていた。半年ぶりのSBルールでの相手として、また、SBを極めるための相手として、サワーは最高の選手だろう。シーザー会長は11月4日(月・祝) の後楽園大会でサワー vs. 緒形を実現させることを即決。対戦の決まった緒方は「打ち合います!」と真っ向勝負を宣言。今回同様熱い試合が期待できそうだ。
第9試合 SB日本Sフェザー級タイトルマッチ 3分5R ×前田辰也(寝屋川/王者) ○及川知浩(龍生塾/4位) 5R 1'31" KO (右ストレート) ※2R及川にSポイント2、4R及川がダウン1回 ※及川が新王者に
前田が巧みなコンビネーションで攻めると、及川も速いミドル、鋭いパンチで反撃。緊張感のある試合展開となる。2R組み付いた前田は首投げを狙うが、カウンターで及川の裏投げが炸裂。2ポイントのシュートポイントを奪う。ダウンに等しいポイントを奪われた王者・前田だが、焦りの色を見せることなく激しいラッシュを仕掛ける。及川も真っ向から応戦し、鋭い攻撃が交錯する試合展開となる。 4R、ついに前田の左フックが及川のアゴをとらえ、ダウンを奪う。ポイントを互角に戻し、さらに前田はラッシュを仕掛けるが、及川もさほどダメージはないのか打ち返していく。 試合は最終5Rまでもつれた。打ち合いとなるが今度は及川の右ストレートが前田のアゴにクリーンヒット。ゆっくり崩れ落ちた前田は立ち上がることが出来ず、そのままゴングを聞くこととなった。
第8試合 SB日本Sバンタム級タイトルマッチ 3分5R ○森谷吉博(シーザー/王者) ×市政貴文(大阪/3位) 判定3-0(50-47,50-49,50-46) ※森谷が王座防衛
5月に対戦した両者。前回は王者の森谷がまさかの判定負けを喫しており、王者ながら雪辱を目指す形となる。挑戦者の市政は一度勝っているという余裕からか、恐れずに前に出るファイトを見せる。森谷もそれに付き合う形で応戦。互角の打ち合いが続く。しかし次第に正確性に勝る王者の手数が増え、最終Rにはコーナーに詰めてのラッシュも見せる。試合はそのまま終了し、判定ながら森谷が初防衛とリベンジに成功した。
第7試合 3分5R ○宍戸大樹(シーザー/SB日本Sライト級&WMC-IC王者) ×タリック・ベンフキー(フランス/オートテンション/WPKA世界Sウェルター級王者) 判定3-0(50-47,49-48,50-47) ※1,2,5各Rに宍戸にSポイント1
ベンフキーの破壊力充分のパンチが宍戸を襲うが、宍戸は華麗なディフェンスを見せクリーンヒットを受けない。体格差のためか宍戸は有効打をなかなか当てることが出来ないが、首投げで3度シュートポイントを奪い危なげなく判定勝ち。
第6試合 現役引退スペシャルマッチ 78kg契約 3分5R ○平 直行(ストライプル&シーザージム/元SB日本ホーク級1位) ×ネストー・ジンメルマン(オランダ/リンホージム) 2R 1'30" TKO (タオル投入)
様々な格闘技を渡り歩き、マンガ「グラップラー刃牙」の主人公のモデルにもなった平が、ついに引退試合を迎える。大歓声に乗って入場した平は開始からバックブロー、ニールキックと派手な回転技を見せて観客を魅了する。さらに組み付いての豪快なジャーマンスープレックス、ノーガード戦法等で一瞬たりとも目が離せない試合を展開する。 2Rに入り、フィニッシュが唐突に訪れる。ロープ際でアルベックの後に組み付いた平は、なんとロープを超えてリング下へアルベックを投げ捨てる。観客の絶叫の中カウントが数えられるがアルベックは立ち上がれず。前代未聞のフィニッシュで平の引退試合は幕を閉じた。 引退式で大江慎、吉鷹弘ら往年の名選手から花束を受け取った平は涙を見せる。そしてマイクを取り、「色々と危ないことをやってきたけれど、思い出に残っているのは心と心のふれあい。今後も技術面だけでなくそれを広めていきたい」と語ると、会場は大きな拍手に包まれた。 (平の相手は当初発表のジェーン・ルイス・アルベック(フランス/オートテンション)から変更された)
第5試合 3分5R ○ホセイン・キャリミラード(湘南/SB日本ミドル級5位) ×関本宏(寝屋川/SB日本Sウェルター級) 4R 2'31" KO (チョークスリーパー)
第4試合 Sライト級 3分5R ×松浦知希(風吹) ○中野 岳(大阪) 判定1-1(48-49,49-48,49-49) 延長0-2(9-10,10-10,9-10)
第3試合 Sバンタム級 3分3R ×今井秀行(シーザー) ○歌川暁文(UWFスネークピットジャパン) 判定0-1(29-29,30-30,29-30) ※2R歌川にSポイント1 延長0-3(9-10,8-10,9-10) ※延長1R歌川にSポイント2
第2試合 レディース 3分3R ×大沼慶子(シーザー) ○ジェット・イズミ(Jネットワーク・アクティブJ) 判定0-1(29-30,30-30,30-30) 延長0-3(9-10,9-10,9-10)
第1試合 フェザー級 3分3R ×中林英貴(シーザー) ○菊田光正(寝屋川) 判定0-3(26-30,25-30,26-30)
Last Update : 09/23
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