Interview & Camera: 井田英登

来、不器用な人なのだと思う。

訥々とした語り口に、シャイな表情。何を聞かれても、うつむき気味に恥ずかしそうに答えるばかりで、ぽんぽんギャグが飛びだしたりするわけではない。むしろちょっとアナクロな言葉遣いや、ずれたセンスの中に面白みに味を感じさせる人である。

リングの上での派手な月面宙返りや、カニ道楽ポーズから想像されるような“お馬鹿”路線はむしろ、そうしたシャイさの裏返しなのかもしれない。

基本的に内弁慶で、人見知り。
この前日にインタビュウした後藤は大阪をベースにしながらも、自分の興味の赴くままに何処にでも出掛けてしまうコスモポリタンタイプだとすれば、三島は大阪(正確には尼崎)から一歩も離れたくないローカルタイプ。

TVで見たヴォルク・ハンに魅せられて大学時代に総合格闘技を始めたという三島だが、どこかプロレスごっこの延長線上のような気分だったという。しかし、持ち前の人のよさと、柔道で鍛えた技量がどんどん彼をこの世界の中央に押し上げていく。

本来、苦しい練習は大嫌い、人と争うのも苦手でとてもプロの格闘技選手になるような性格とは思えないような“草食動物タイプ”。褒められると照れるばかり、上に上りたいというどん欲さもない。いっそその気の抜け具合は気持ちいいぐらいである。

なのに、なぜかどうしようもなく強い。練習大好きな東京のシューターや、海外の気の荒い選手たちがなぜか三島の軍門に降っていく。“これでええんかいな?”。そんな、うれしいような、面はゆいような、なんとなく落ち着かない気分が、“俺はそんなかっこエエ奴とちゃうねんで!”といった気分の試合後のずっこけパフォーマンスとして大爆発したのかもしれない。

今や、格闘技ファンの間では全国区の人気者となった三島だが、いつものド派手なパフォーマンスの裏に隠された、その味のある“あかんたれぶり”を堪能して頂きたい。


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TABLE OF CONTENTS
ヴォルク・ハンに憧れて・・・「リングス甲子園」結成
「コブラ会ジム化?そんな貪欲さはまるでないんですわ」
「練習するやつには負けられへん!」アベカズ戦燃え尽き事件発生
「タイトル戦なんか決まったら精神病んでしまいますわ〜」
「フェイトーザ戦の作戦?・・・柔術はよぉわからんなあって」
必殺技『コブラ固め』のルーツは全日本プロレスだった!
レッド・スレイヤー・ガイ引退勧告?事件
【特別付録】 ☆先生直伝!コブラ固めを写真付き解説


 

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