Interview : 井田英登
「孤高」という言葉が似合う。
Interpretation support: 山口龍
Camera : 井出正敏
しかし、それは同時に「尊大」にも通じる。
ワン・アンド・オンリ−の存在感を持つ男、それがヒクソン・グレイシ−だ。
「400戦無敗」という称号は、見上げるものに畏怖と、同時に、嫉妬の感情を呼び起こす。1994年の日本初上陸以来、実質8つの勝利のみでその頂点に立った男は、大いなる毀誉褒貶の渦に晒される事となった。その圧倒的な強さと史上例をみない高額のギャランティが喧伝されるや、マスコミやファンは揃って「グレイシ−アレルギ−」の大合唱を奏したからだ。本来、敬意をもって称賛されるべき”勝者”が、ここまで公然と敵視されている例もめずらしい。昨年秋の、桜庭和志がホイラ−・グレイシ−を破った一戦に関する騒動を見ても明らかなように、今や、ヒクソンを、そしてグレイシ−一族を取り囲む日本格闘技界の目は、彼らの敗北と伝説一蹴を望んでいるかにも見える。その苛烈な敵意は、かつて、FBIのフ−バ−長官がマフィア組織のボス、アル・カポネを、「民衆の敵No.1」と呼んで忌み嫌った姿を連想させるほどだ。
そうした敵意の目に晒されながら、ふたたび日本のリングに上がることを決意した孤高の戦士は、今、この包囲網の中、何を考え、闘いを通して何をファンに伝えようとしているのか。
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- TABLE OF CONTENTS
- ■48戦全勝=400戦無敗のメカニズム
- ■「グレイシ−一族が敗れる日が来ても、グレイシ−柔術は負けない」
- ■「桜庭が使ったのは野蛮な打撃だ」
- ■「UWFがなんであれ、彼らは一人一人違う。」
- ■「成功へのねたみは、格闘界に限らず存在する」
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