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五輪資格獲得大会(フリースタイル1)

ベラルーシ・ミンスク2000年1月29-30日


 1月29、30日にベラルーシ・ミンスクで開かれていたフリースタイルの五輪資格獲得大会(通称「グランプリ大会」)の第一戦が終了した。

 五輪資格獲得の第二のチャンスと呼ばれるこのグランプリ大会は、グレコローマン、フリーの双方で5大会が開かれる。大会に参加するごとに、参加人数と順位に応じてポイントが加算され、グランプリ終了後、各階級でポイント数の高い上位7カ国にシドニー五輪の出場権が与えられる。

 ポイントの算出方法は、各階級の参加選手数をその階級での満点とし、優勝者にその満点のポイントが与えられる。2位以下は、順位が下がるごとにポイントが一つずつ減らされて与えられる。

 なお、フリースタイル85kg級については、1999年の世界選手権で川合達夫(日体大助手)が5位に入賞し、すでにシドニー五輪出場権を獲得しているため、グランプリ大会への派遣はされていない。

 日本は、すべての階級で決勝トーナメント進出ができず、高いポイントを獲得するチャンスを逃した。

 69kg級和田貴広(和歌山県教育庁)は予選リーグで98年世界選手権2位のZaza Zazirow(ウクライナ)と一試合目で対戦。第1ピリオドはリードして折り返すが、後半、ポイントを畳み込まれて勝利を逃した。二試合目ではフォール勝ちを修めており、「(69kg級の力には)まだ追いつかないですね。」と口調は控えめなものの、トップクラスを狙える力が付いていることに自信を持ったようだった。

 初めてのシニアの国際大会となった76kg級の小幡邦彦(山梨学院大学1年)は「(ジュニアとシニアの)力(の差)がすごいです。(腕などを)とらせてくれないです。これほどとは。」と驚きを表していた。

 国別順位は85kg級で優勝、97kg級で2位、58kg級、69kg級で3位を得たウクライナが1位。2位はアゼルバイジャン、3位にはアメリカ、モンゴル、ロシアとなっている。日本は入賞者が一人もいないため、国別順位はつけられていない。

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 予選突破をすべての階級で逃したとはいえ、次の大会である程度のポイントを獲得できれば、五輪出場資格圏内に確実に入れる見込みはまだある。2月12,13日にドイツ・ライプチヒで開催される二つ目のグランプリ大会で更なる健闘が望まれる。

 なお、次のライプチヒ大会では減量の調整が難しいため、63kg級が宮田和幸(クリナップ)から伊東克佳(河北建設)に、戦績から76kg級が小幡邦彦から小柴健二(自衛隊)、小菅裕司(自衛隊)から中尾芳広(自衛隊)へ派遣メンバーが入れ替わる予定。

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▼ フリースタイル
階級 出場者 出場選手数 予選リーグ 順位決定戦 順位 獲得P
1R 2R 3R
54kg級 田南部力
(警視庁)
22
○ 4−2
Mikhail Japaridse(CAN)
○ 7−3
Gotcha Kirkitadze(GEO)

× 2−3
German Kontoev(BLR)

 

15
58kg級 関川博紀
(新潟県体協)
21
× 3−6
Elman Askerov(AZE)

× 1−3
Ruslan Madjinow(KGZ)

 


16
63kg級 宮田和幸
(クリナップ)
26

× 0−4
David Pogosyan(GEO)

○ 4−3
Stefan Fernyak(SVK)

○ 10−1
Serban-Florian Mumjiev(ROM)

 

10 17
69kg級 和田貴広
(和歌山県教育庁)
25
× 4−6
Zaza Zazirow(UKR)
○ F
Ahmad Al-osta(SYR)
 


10 16
76kg級 小幡邦彦
(山梨学院大)
24
× 1−8
Arapad Ritter(HUN)
× 2−4
Igor Kozyr(BRL)



18
97kg級 小菅裕司
(自衛隊)
18
× 1−4
Jurij Ianowitsch(LAT)
× 0−5
Joel Sharratt(USA)
 


13
130kg級 小幡弘之
(警視庁)
19
× 0−8
Wayne Weathers(CAN)
× 0−4
Sumiyabasar Dolgorsuren(MGL)
 


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