1999年8月30日のニュース ★★★★★ 直接取材
「インカレ・フリー結果、85kg級藤田尚志が水車落としで優勝」
▼ 日本体育大学健志台キャンパスの米本記念体育館で26日から開催されてきた文部大臣杯全日本学生レスリング選手権大会は、28・29日、フリースタイルの試合が行われた。昨年、1989年の藤田和之(日大[当時]現新日本プロレス)が成し遂げて以来10年ぶりという1年生王者に76kg級で輝いた藤田尚志(山梨学院)が、今回は85kg級で優勝した。その決勝戦の相手は溝上誠治(日体大)。
今年5月の学生リーグ戦で山梨学院と日体大はほぼ互角。この二校の対戦が、事実上の優勝決定戦だった。ここで山梨学院は、山本徳郁(58kg級、4年)が日体大のグレコの選手にフリーのルールで負けてしまい、星勘定が狂う。そして、最重量級がすべて勝っても、ここで星を落としたら日体大に勝てない、という状況の中、藤田と溝上が対戦したのだが、藤田はなんとフォール負け。試合後はマットに横になったまま手で顔を覆い、まったく話を聞けない状態だったという。
そして、奇しくもその相手とインカレの決勝戦で当たることになった。しかし藤田はプレッシャーも全く感じさせず、タックルをがぶられたところから強引に持ち上げて水車落とし。完璧にひっくり返して落としたので、ポイントは5。これで勝負は決定した。さらに今年も一年生王者が誕生。76kg級の小幡邦彦(山梨学院大)が一回戦から決勝まで失ポイント0のまま優勝した。大学に入ってからの失ポイント0記録をさらに伸ばすこととなった。
そして文部大臣杯は、ナショナルチーム(グレコ)のメンバーでもある鈴木克彰(拓大)が、グレコとフリーの両方で優勝したことが評価され受賞となった。
ちなみに、58kg級優勝の山本徳郁(山梨学院大学)は山本美憂の弟で、63kg級三位の今村吉亜(東農大)は今村雄介(高田道場)の弟。
(横森 綾)
- 54kg
- 1位 足立浩二(山梨学院大学)
- 2位 早月巧(日本大)
- 3位 藤田康人(日本体育大学)
- 3位 千代延寿(青山学院大学)
- 58kg
- 1位 山本徳郁(山梨学院大学)
- 2位 太田亮介(日本大)
- 3位 谷口勝信(国士舘大学)
- 3位 北川裕基(山梨学院大学)
- 63kg
- 1位 栗尾直樹(日本体育大学)
- 2位 池松和彦(日本体育大学)
- 3位 今村吉亜(東京農業大学)
- 3位 平井進悟(拓殖大学)
- 69kg
- 1位 工藤祐士(日本体育大学)
- 2位 筧田幸宏(国士舘大学)
- 3位 飯塚匡(東京農業大学)
- 3位 黒田清志(国士舘大学)
- 76kg
- 1位 小幡邦彦(山梨学院大学)
- 2位 鈴木豊(日本大学)
- 3位 大橋理秀(桃山学院大学)
- 3位 上野和人(日本体育大学)
- 85kg
- 1位 藤田尚志(山梨学院大学)
- 2位 溝上誠治(日本体育大学)
- 3位 小坂健太郎(中央大学)
- 3位 税田拓也(拓殖大学)
- 97kg
- 1位 小平清貴(山梨学院大学)
- 2位 松本慎吾(日本体育大学)
- 3位 阿部健太(日本大学)
- 3位 高田浩也(日本大学)
- 130kg
- 1位 鈴木克彰(拓殖大学)
- 2位 伏平学(拓殖大学)
- 3位 矢野通(日本大学)
- 3位 新井真次(日本体育大学)
- 最短フォール賞
- 76kg級 中山博志(日本体育大学) 記録は8秒
- 最多フォール賞
- 58kg級 太田亮介(日本大学) 記録は4回
- 最優秀賞
- 85kg級 藤田尚志(山梨学院大学)
- 敢闘賞
- 63kg級 栗尾直樹(日本体育大学)
- 文部大臣杯
- 130kg級 鈴木克彰(拓殖大学)
- ゴールデンホイッスル賞
- 赤石博(山梨学院大学)