２Ｒ　今度は、宇野がタックルをしてがぶられると重心を後ろへ動かして先に寝転がり、下から三角締め狙い。だが、上になった三宅は下になる宇野に何もさせない。かといって上から関節技を狙うわけでもない三宅。状態が解けてふたたびスタンドになると、宇野のタックル→三宅のがぶり→宇野がみずから転がり、三宅が上に→宇野が下から狙うが三宅は何もさせない。の繰り返しが続く。さすがにレスリング選手にとっては未知の８分以降（昨年までのレスリングは５分１ピリオド、延長３分の合計８分が最長試合時間）、三宅の消耗が激しくなり、タックルをがぶりきれなくなってくる。

３Ｒ　三宅、スタンドから両腕を差して宇野の背中でしっかり手を組むが、なかなか投げに行こうとはせず。やはり前の試合で投げの後に決められているのを見たのが影響しているらしい。何度もコーナーへスタンドへ宇野の背中できっちりクラッチを作った状態で詰めるのだが、投げる試みは１回だけ。タックルも２Ｒよりさらにスタミナをロスした分だけがぶりきれなくなり、何度か宇野に上になられてしまうことも。会場からは終盤の宇野のチャンスに歓声が上がるが、すぐに三宅に逆に上になられてしまい、ため息が漏れる。最後は宇野が上、三宅が下の状態で、宇野が総合系の選手特有の、上になった途端コマのようにみずからがくるくる回る動きで相手の体の重心を奪おうとするが、三宅になんなく背中で手を組まれてクラッチを作られてしまい、時間切れ。

（横森 綾）