再戦である。先の大阪府立体育館の試合の結果は、両者時間切れ引き分け。ハスデル得意のディフェンスにグラウンドでの攻撃を阻まれ、滑川が攻めきれなかった試合だった。

　それだけにすっきりとした決着が望まれた。だが、結局のところ、滑川は大阪大会と同じ轍を踏むことになる。スタンドでの打撃は気合いでしのぐものの、その後、何とかタックルで崩しても、ハスデルのディフェンスはあまりにも固い。だんだんとスタミナが切れていく。残り５分を切った時点では、もはや、打撃戦を要求するハスデルに対し、ひたすらしがみつくようなタックルを繰り返すばかりだった。

　ハスデルが、滑川がタックルで膝をついたところに思わず打撃を入れ、イエローをもらっていたために、かたち上は勝ちを拾うことにはなった。だが、試合後の滑川の消耗しきった姿と、元気のありあまったハスデルの対照的な様子を見れば、記録上の勝ち負けだけでよしとするわけにはいかない。

　もう一段上のグラウンド技術。

　それを身につけるまで、ハスデルは、大きな壁となり続けるだろう。

（山名尚志）

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取材：山名尚志　岩田貴宏　　カメラ：井田英登
HTML編集：井原芳徳