'98・11・3 堺市初芝体育館・柔道場
ナニワフリーファイト4
修斗クラスC アマチュア交流戦
 

第25試合/ミドル級 3分2ラウンド
宮崎裕二(ダイアモンドヘッドクラブ/柔道3段/2勝1敗、
      98西日本ウェルター級準優勝)
 [1R 2:24 腕ひしぎ十字固め]
× 徳岡靖之(Shoot Jam Water/柔道初段、レスリング初段/初戦)

 ず始めに、パンフレットにウェルター級と銘打たれたこの試合、両者のウエイトがそのリミットを大きく越えているのがすぐに分かった。この試合、本大会の常連選手・宮崎のウェイトアップによる階級の変更(先の大阪ドームで行われたK-1GP開幕戦での柔術フリースタイマッチより)によって、当初よりそのひとつ上の階級、ミドル級で行われる予定だった。しかし手違いにより、直前までウェルター級で行われるものとされ、徳岡側にもそのように伝えられた。当然そのため、徳岡はウェルターのリミットまでウェイトを落としていた。この手違いに気づいた大会本部は、徳岡側に試合を非公式戦にすること、もしくはキャンセルにしてしまうことを申し出たが、ぜひやりたいという徳岡の意思により、最終的にミドル級の、しかも公式戦として行われることとなった。


 合は開始してすぐ、打撃の攻防になる前に宮崎がタックルを仕掛けテイクダウンを奪う。そのままバックに周りながらチョークを狙い、キャッチを奪う。しかし徳岡(水色のパンツ)も極めさせず正対する。クロス・ガードとなった宮崎は、今度はここから十字を狙いに行く。徳岡はこれを持ち上げ、下に叩きつけることで脱出を図る。

 度か観られたこの動きの中で、テイクダウンのポイント1が徳岡に加算され る。これは立った状態の相手を倒すような動きではないが、一旦自ら相手を持ち上げ下に落とすことにより、自分に有利な体制を整えていくことによって相手をコントロールしているという観点から、テイクダウンと見なされたということである。ここで重要なのは、“相手をコントロールする”ということである。実際1Pはカウントされるんではないかというタックルや投げでを決めても、テイク・ダウン後の流れでグラウンドでのコントロールをできず、立たれたり体勢を逆転されたものにはポイントが与えられていない。そういった、相手をコントロールする有効なバスターにポイントを与える、抑・極に繋がらない有効でないテイク・ダウンにはポイントを与えないと言う場面は、今大会中いくつかの試合で観られた。

 防が場外へと流れていったため、一旦試合はフリーズ。ドント・ムーブから同じ体勢で場内からの仕切直しとなる。その後、スタンドに戻っての展開となるが、ここでも宮崎は打撃に付き合わず、すぐに自ら組み付きテイクダウンを奪う。何度か出場してきたこれまでの道衣なしの裸での試合、ポジションをきっちりと整えよするあまり、なかなか極めに行けきれない場面が目立ち、判定に縺れ込んだり、スタンドに戻されて苦手な打撃での逆転負けを喫することのあった宮崎だったが、この日は積極的に関節や締めを極めに行く。ここでもそれが狙える状態を整えると、速やかに腕十字を狙いに行き、キャッチを奪う。なんとか逃れようとした徳岡だが、がっちりと腕が極まりジ・エンド。宮崎が一本勝ちを奪う。


↑ 全試合結果に戻る
レポート・眞砂嘉明  写真・井原芳徳