98・10・25
VALE TUDE JAPAN '98
東京ベイNKホール
 

第5試合(65キロ契約)

修斗ライト級チャンピオン
3R時間切れ
ドロー
 
朝日 昇 ジョン・ホーキ
PUREBREDシューティングジム大宮 ルイス&ペデネイラス柔術
   

 

 業師同士の一戦で、高度な技術戦を期待していたが、それはあっさりと裏切られた。

 1R。ホーキのタックルをさばいて差し合いでも優位に立った朝日は、相手をコーナーに押し付けてヒザを当てていく。押し付けられているホーキとしては、次の展開を待つしかないのだが、朝日は動かない。いわゆるガイメッサー戦法、つまりスタンドでの膠着である。


 業を煮やしたホーキが自分の後ろのコーナーポストを蹴って、その場は脱するが、今度は猪木アリ状態で膠着。ホーキは立ち上がるも、またもやコーナーに押し付けられ、そのままラウンド終了。

 R。ホーキが左右のフックをかわして朝日がテイクダウン。しかしすかさず返されてスタンドに戻ると、朝日はまたコーナーへ押し付け、スタンドでの膠着。5分過ぎにホーキが足を刈って倒し、インサイドガードからパンチの連打。この試合で唯一湧いたシーンだが、有効打もほとんど無く、朝日が返したところでゴング。


 R。朝日がタックルにいき、コーナーで膠着。ヒザを強く打ってはいるが、時間が過ぎるにしたがって、観衆のヤジと、勝負を催促するセコンドの声が響く。それでも朝日は動かず。最後の1分でグラウンドにはなるが、この日唯一の引き分けに終る。


 日は試合後、「グラウンドに行くのが怖かった」と語った。

 朝日も、川口と同じくVTJ(ホイラー戦)をきっかけに迷路に入り込んでしまっている。時代の流れに乗り遅れてしまったか、それ以前の自信あふれる勝ちっぷりは影を潜め、今年1月の復帰戦以来チグハグな試合が目立っていたが、今日は戦うことさえなく終ってしまった。奇人が復活するには、ライト級のタイトルを賭けた再戦でケジメをつけるしかないだろう。

 
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取材:岩瀬俊  カメラ:井田英登