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リングス 99.9.15 "BATTLE GENESIS Vol.5" 後楽園ホール
 
第4試合(20分1本勝負) 
リングス・ジャパン
坂田 亘
-D
5分33秒
腕ひしぎ十字固め
リングス・ジャパン
滑川康仁
D-
×
 
 の上山戦で、何ともふがいない姿を見せた滑川。今日対戦する坂田も、滑川のそんな姿に「なっていない」と怒りを顕わにしていた。
 ここで「何か」を見せなければまずい。そのことは滑川自身が一番よくわかっているハズだ。
 
n 立ち上がりから「いろいろ考えてきた」姿を見せた滑川。なんと、踵落としをフェイントに使って掌底を坂田に打ち込んでいく。それを差して組みとめる坂田。テイクダウンにいくが、滑川が体を横にずらし、逆に上に乗る。
 動きがいい。「頭を使っている」ことがはっきり分かる。
 だが、坂田には余裕がある。切り返して上を奪い、そこから足首を狙う。その動きについていき、上を取る滑川。坂田、オープン・ガード。滑川、アキレス狙い。坂田、体を起こして滑川のバックに付く。回転し、ガードに入る滑川。そのまま首をがぶって坂田をコントロールし、見事にマウントを奪取する。
 マウントからの攻めも、坂田のディフェンスが固いと見るや、すぐに立ちあがって次の展開を図る。いい思い切りだ。坂田が、守りに入らず、積極的に来ているから、ということも勿論あるのだが、気を入れつつも的確な動きができている。

n 勿論、この程度のことで動じる坂田ではない。潜ってきた修羅場の数が違う。組み付き、差してからコーナーに押し込み、滑川を固定してから左右の掌底。「立って来ないと思った」というくらいの手応え。滑川がマットに沈む。
 カウントが進む。お終いか。
 だが、カウント9で立ち上がる滑川。
 仕留めにいく坂田。掌底ラッシュ。ところが、滑川が打ち返す。しかも、連発で前に出ていく。そこで膝蹴り。坂田を沈める。

n
 立ち上がる坂田。手応えを感じている。
 容赦なく決めに入る。組み付いて足を取りテイクダウン。だが、滑川も下から足を取る。ボディ・パンチの打ち合いから腕を取り、サイド・ポジションにうまく入っていく坂田。
 そこで、下からアームロックを取る滑川。
 坂田の顔が真っ赤になる。殆ど極まっている。もう、全く余裕がない。
 どうにか体をずらし、抜ける坂田。そのまま強引な腕十字。いきなり伸ばしてしまった。
 
n 正直、実力差はまだある。
 しかし、すっかり充実して来た坂田の余裕を、最後には、すっかりふっとばしてしまった力自体は認めなければならない。
 この力が、同門対決以外でも出せるか。
 次の試合が楽しみになってきた。



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坂田亘インタビュー・後輩との初対戦を語る


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レポート:山名尚志 カメラ:井田英登