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99･8･19 リングス “RISE 5th.” 横浜文化体育館

第5試合 ランキング戦（20分１本勝負）
×	リングスオランダ ギルバート・アイブル [E]	８分１７秒 アクシデントによるポイント判定	リングスジャパン 高阪剛 [-]	○

　
　高阪はかなり入れ込んでいた。
　先の対戦で、幾度となくタックルを決めながらも、鰻のような動きをするアイブルを捉えきれず、ずるずるとペースを握られたままドクター・ストップ負けを喫した高阪。今度はそうは行かない、という気持ちがあったのだろう。開始直後から、組み付き、コーナーに押し詰め、密着してから投げを打つ。そして、トップ・ポジションを何なく奪い取って、強烈なボディ・パンチ。鎖骨と脇腹を交互にねらい打つ。
　アイブルは全く動けない。先の、どう高阪が押さえ込もうとしても、ぐにゃぐにゃと曲がり、跳ねて、脱出してしまった姿とはまるで違う。ピンで止められた昆虫のようだ。
　ＵＦＣファイター、ＴＫ高阪の面目躍如である。

　５分過ぎ、十分にボディ・パンチで弱らしておいてから、おもむろにアイブルのハーフ・ガードをパスする高阪。サイドに回る。そして、体を回転させて立とうとするアイブルの足を捉え、まずはアンクルでエスケープ・ポイント奪取。
　完勝ペースである。

　だが、スタンドからの再開後、突然のアクシデントが高阪を襲った。
　再び密着してからの投げを打ったところ、コーナー近くだったのが災いし、そのまま本部席に転落してしまったのだ。下敷きになる高阪。試合がストップする。
　右足首、両手首打撲。
　続行不可能。これで二連続の負傷による試合中止である。
　「アクシデントにより続行不可能な場合、それまでのポイント差により判定」というルールに従い、高阪に勝ちが宣せられる。納得しないアイブル。だが、もっと納得できないのは、完全にアイブルの動きの封じ込めに成功していた高阪の方だろう。
　試合後、高阪の控え室に訪れたアイブルは、高阪の「オレもノー・コンテストだと思っている」という言葉に漸く納得して帰っていった。

　再々戦は必至である。

　

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