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Report

prideDSE主催 "PRIDE.12"
2000年12月23日(土) さいたまスーパーアリーナ

第9試合 10分1R(※ハイアンの右肩負傷による)
桜庭和志
(高田道場)
判定

3-0
ハイアン・グレイシ−
(米国/ヘンゾ・グレイシー柔術アカデミー)
×

 ホイラー、ホイス、ヘンゾとグレイシー一族を次々撃破してき桜庭が、今世紀最後のPRIDEでもグレイシー狩りに挑むこととなった。ハイアンが復讐心を燃やし、石沢戦でも見せた凶暴性がリング上で爆発すれば、これまでとは一味違ったグレイシー戦となることだろうと期待された。だが...。
 ハイアンが大会2日前の21日の練習中に右上腕二頭筋けんを損傷。ダメージが大きいため主催者はドクターストップをハイアン陣営に命じたが、ハイアン陣営が試合を行うことを主張したため、十分処置を行った上、10分1Rで試合が行われることとなった。試合前に中山ドクターが説明、リング上でヘンゾが紙を読み上げる。「(前略)サムライは体のどこかが痛いからと言って試合から逃げません。これがグレイシーの魂です。今日のハイアンのスピリットは100%。すなわちハイアンの体調は100%です。この後ハイアンは桜庭選手を必ず10分以内に倒します」
 続いてハイアンが静かに入場。桜庭はサンタクロース風のマスクで登場。肩に袋をぶら下げる。マスクを脱いだ頭髪は赤と金に染められている。ハイアンは右肩と両足に大きな青のテーピングが施されていて痛々しいが、闘志は全く衰えてない。ゴング前からハイボルテージだ。

 桜庭のローキックに合わせてハイアンがタックル。桜庭はかわしてハイアンの背後にまわりコーナーに押し込みながら腕をつかむ。桜庭×ホイスの序盤と同じ展開でスタートする。2分ほどでブレイク。

 間合いを取る両者。ハイアンがハイキックの後低いタックル。桜庭はがぶる。粘った末サイドに回りフェイスロック。大歓声が巻き起こりスリーパーを狙うが失敗。だがハイアンは亀の体勢。それも徐々に崩れ、桜庭はサイドポジションに。ハイアンはまた亀になる。桜庭はパンチ、膝蹴りで攻めるが、ハイアンは脱出すると桜庭をコーナーに押し込む。序盤同様腕を取る桜庭。そのまま倒れるが桜庭は腕を離さず、ハイアンは必死にクラッチ。桜庭はあきらめ手を放すが、ダブルアームスープレックス狙いで腕を移動させ、笑顔を見せると大歓声。これは失敗し、ハイアンが終盤足を狙えるチャンスとなったものの、桜庭落ち着いて上になりハイアンのお尻をペンペンと叩いたところで試合終了。

 判定は桜庭に。右肩を攻めずともグラップリングテクニックで圧倒した。
 勝利した桜庭がマイクを持ち「今度はもっと(ハイアンが)ピンピンの時に闘いたいと思います」と再戦アピール。入場時持ってきた袋に入れていたTシャツ等グッズを観客に投げプレゼント。再びマイクを持つと「勝てたので、徹夜でベルトを作ってきたので巻きます」と言い、SAKUと書かれたベルトを巻きファイティングポーズ。さらに「最後に大きなプレゼント用意しています」と話すと、教会の鐘が鳴り響き「きよしこの夜」が流れ、会場に雪が舞い散った。

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レポート:井原芳徳  写真:井田英登


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