これまで最強外人の名を欲しいままにしながら、なかなか王座奪取を果たせなかったシュルト。今年四月の第８代王者決定戦の再戦ながら、約８カ月ぶりにめぐってきたチャンスに、普段はみられない程の気迫をみなぎらせて入場。リングインとともに一声吠えて気合いを入れる。

　試合は、大砲のように打撃を繰りだすシュルトと、それををかいくぐってタックルに入る近藤の追いかけあいになる。しかし、懐の深いシュルトは近藤にテイクダウンを許さない。回転式のヒザ十字も決まらず、スタンド勝負を望むシュルトに押される近藤は、ハイキックを掻い潜ってシュルトに抱きつくが、逆にバックを奪われコ−ナ−でスリ−パ−を仕掛けられる。シュルトのクモのような腕が近藤の首にからみつき、アッという間にタップ。あまりのあっけない決着に場内は、一瞬声を失った。