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Report

マーシャルアーツ日本キックボクシング連盟
"ODYSSEY-1 伊藤隆・引退記念試合"
2001年3月30日(金)東京・後楽園ホール

伊藤隆・引退セレモニー エキジビジョンマッチ/2分1R
WMAF世界S・ウェルター級王者
伊藤隆
(山木)

勝敗なし
ISKA世界ウェルター級王者
魔裟斗
(シルバーウルフ)

 第7試合の後に行われた伊藤隆・引退セレモニー。リッキー・マーティンの「リビン・ダ・ビ・ダ・ロカ」で入場してきた伊藤はいつもにまして引き締まった表情。リングに飛び込むといきなり魔裟斗に突進し突き飛ばすパフォーマンス。これに呼応してか魔裟斗もいきなり飛び膝蹴りで突進。伊藤も肘打ち、バックハンドブローで応戦。最後はミドルキックの応酬で湧き、わずか2分の“ドリームマッチ”はあっという間に終了した。魔裟斗はマイクで「21世紀のキック界は僕が背負う」と話すと伊藤は「任せます。日本人みんな倒してトップに立ってください」とエールを送った。

 引退セレモニーにはタレントの畑野浩子、シュートボクシングのシーザー会長・緒形・土井、伊藤の公式戦ラストマッチの相手を務めた正道会館の大野崇、山木ジムの同僚である港・山口・関、兄でタレントのデビッド伊東、伊藤の妻・子・父、真樹日佐夫師範、山木会長らが順にリングに上り花束とメッセージを送った。兄がリングに上がってきたあたりから涙を流し始めた伊藤は、マイクを持ち関係者への謝意を表し「今後はゴールドジムのインストラクター、キック界のプランナー、タレント活動を通して、キックの面白さ、芸術性を広めていきたい。キックの伊藤に負けない、新しい伊藤を作りたい」と挨拶。四方に礼をし涙を流しながらテンカウントゴングを聞き、10年間のキックボクサー生活にピリオド。最後は山木ジムの仲間達に胴上げされリングを降りた

 だが次の試合のラウンドが進んでも花道の奥で次々とファンからサインを求められる。「現役よりも人気出ちゃいましたね」と苦笑いしながらようやく記者会見に臨むと、「入場の段階から涙が出そうだった。今日は絶対泣かないと思ったのに」と込み上げた心情を告白。「魔裟斗は器用だった。まだまだ成長しますよ」と最後の相手を絶賛し、現役で一番印象に残った試合として、昨年元ラジャ王者でムエタイのトップ選手だったセンティアンノーイ・ソールンロートをTKOで破った一戦を上げた。「やっぱり選手控室の匂いをかぐと闘争心が湧きますね。タイオイルをたまには塗ろうかな(笑)」と現役への未練ものぞかせたが、「兄貴がリングの上で言ってくれたように、これからがスタートですからね」と第二の人生に踏み出す決心を示した。これまでも「生活の全てがキック中心で動いていた」という伊藤だが、「MAだけでなく枠にとらわれないキックボクシング界全体のプランナーになりたい」と展望を持っており、これからもキック中心の人生が続くことは変わりないようだ。

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「伊藤隆引退記念興行。魔裟斗、小比類巻も出場」 3/26付けニュース(戦績等詳細経歴)


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レポート井原芳徳  写真:菊地奈々子

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