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Report

全日本キックボクシング連盟 「YOUNG-GUN III」
2000年11月3日(金・祝)東京・半蔵門TOKYO FMホール

 

第5試合 フェザー級/3回戦 
前田尚紀
(藤原)
判定3-0

30-27,30-27,30-27
前原康男
(藤)
×

 YOUNG-GUNでは2大会続けてメインを努めることになった前田、前回は逆転KO勝利ながらも前半押された試合内容に反省しきりだった。前原はバランスの取れた試合巧者、ペースをどちらが握るかで試合の色合いはがらりと変わってしまう。


 前田は前回の試合を払拭するような激しい攻撃を最初から展開。左右のフックを中心として前原をコーナーに詰めるとガードの上からでもおかまいなしにフックの嵐を浴びせる。前原はここをしのぐとローを放ち、パンチを返していく。攻撃一方となった前田の顔面のガードが空いた瞬間、前原のパンチが入る。しかし前田の前進は止まらない。フック、アッパー、膝と前田は一瞬とも手をゆるめない。3Rになると右ローの連打で前原は体勢を崩す。試合終了間近、前原がロープ際に前田を追いつめる場面もあったが、最後までラッシュを続けた前田が終了直前にダウンを奪い、ポイント差をつけた。
 2試合連続メインでの勝利となった前田だが、フックに頼る場面が圧倒的に多く、課題は多い。対策を練られてしまえば今日のようなラッシュだけで勝つことは難しくなるだろう。
 できるなら、冷静に試合を組み立てる余裕と臨機応変さが欲しい、といったら早すぎる望みだろうか。試合が終わったあと控室でぐったりと座り込んでしまった前田を見ていると、爆発力の陰の危うさを感じずにいられない。

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レポート:薮本直美  写真:菊地奈々子

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