日本側3連敗で迎えた大将戦。桜井はバンタム級にも関わらず180センチを超す長身。無敗のまま5戦目でNJKFバンタム級タイトルを奪取した超新鋭王者。当然リングに上がるとポンタウィーより頭ひとつ大きい。
サウスポーのポンタウィーに対し桜井は右ローでけん制。組んでからは冷静に投げ、優位に試合を進める。180センチを越す長身の桜井に対しポンタウィーは明らかに攻めるきっかけを掴めずにいるようで、左の拳をぐるぐると回したり、タイミングをずらしたりなんとか、リーチが長い桜井の懐に入ろうとする。
2ラウンド、焦れたポンタウィーが強引に間合いを詰め、組み着いてくるが、桜井は再び冷静に対処し、ポンタウィーを投げ捨てる。ポンタウィーは離れてローを蹴るが懐の深い桜井には届かない。簡単に中間距離を取らせて貰えないポンタウィーは、苦し紛れに飛び上がって左肘を振る。この攻撃でポンタウィーはあっさりと距離を縮めることが出来たが、桜井は頭を下げてこの肘をかわし冷静に対処する。
3ラウンドになるとポンタウィーは時折ジャンプしての肘打ちで強引に距離を詰め、いい位置で桜井と組むことに成功。肘打ちをよけるために下げた桜井の頭を抱え、膝蹴りを連打。何発かいい膝蹴りが桜井のボディを捕らえる。桜井も膝を蹴り返す。
桜井は飛び肘を懸念してか、敢えてポンタウィーが攻めやすい中間距離をとり、入ってくるポンタウィーのボディーにテンカオを突き刺す作戦に切り替える。
この作戦が見事に的中。打ち気に焦るポンタウィーの胴に何度か桜井の膝がまともに突き刺さる。傾きかけた状況は一気に桜井ペースに。
そしてラウンド中盤、ポンタウィーはこらえきれずに距離を詰め、組んで状況を打開しようとする。その瞬間桜井が肘のコンビネーション。ポンタウィーの顔面に右肘が見事にジャストミート。ポンタウィーは崩れるようにリングに膝をついた。