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SISCO PROMOTION PRESENTS 宇野 和男選手 追悼試合
日・タイ親善ムエタイ 「日本VSタイ」
2000年10月19日(木)バンヤイ・スタジアム

第4試合 52Kg契約 日本・タイ国際戦/5回戦 

NJKFバンタム級王者
桜井洋平
(岩瀬スポーツ)

3R1分46秒

KO


ポンタウィー・ウィンクンスントン

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日本側3連敗で迎えた大将戦。桜井はバンタム級にも関わらず180センチを超す長身。無敗のまま5戦目でNJKFバンタム級タイトルを奪取した超新鋭王者。当然リングに上がるとポンタウィーより頭ひとつ大きい。

サウスポーのポンタウィーに対し桜井は右ローでけん制。組んでからは冷静に投げ、優位に試合を進める。180センチを越す長身の桜井に対しポンタウィーは明らかに攻めるきっかけを掴めずにいるようで、左の拳をぐるぐると回したり、タイミングをずらしたりなんとか、リーチが長い桜井の懐に入ろうとする。

2ラウンド、焦れたポンタウィーが強引に間合いを詰め、組み着いてくるが、桜井は再び冷静に対処し、ポンタウィーを投げ捨てる。ポンタウィーは離れてローを蹴るが懐の深い桜井には届かない。簡単に中間距離を取らせて貰えないポンタウィーは、苦し紛れに飛び上がって左肘を振る。この攻撃でポンタウィーはあっさりと距離を縮めることが出来たが、桜井は頭を下げてこの肘をかわし冷静に対処する。

3ラウンドになるとポンタウィーは時折ジャンプしての肘打ちで強引に距離を詰め、いい位置で桜井と組むことに成功。肘打ちをよけるために下げた桜井の頭を抱え、膝蹴りを連打。何発かいい膝蹴りが桜井のボディを捕らえる。桜井も膝を蹴り返す。

桜井は飛び肘を懸念してか、敢えてポンタウィーが攻めやすい中間距離をとり、入ってくるポンタウィーのボディーにテンカオを突き刺す作戦に切り替える。
この作戦が見事に的中。打ち気に焦るポンタウィーの胴に何度か桜井の膝がまともに突き刺さる。傾きかけた状況は一気に桜井ペースに。

そしてラウンド中盤、ポンタウィーはこらえきれずに距離を詰め、組んで状況を打開しようとする。その瞬間桜井が肘のコンビネーション。ポンタウィーの顔面に右肘が見事にジャストミート。ポンタウィーは崩れるようにリングに膝をついた。

ポンタウィーはそのまま立って来れず。レフェリーに抱え上げられる。桜井はポンタウィーのまわりで踊り、全身で喜びを表現。

勝利者賞のプレゼンテーターとして現在ビッグマッチ9連勝中で本年度MVP候補、WMCバンタム級チャンピオンのワチャラチャイ・ゲオサムリットがリングに上がり、桜井にトロフィーを手渡す。当然桜井の方が頭ひとつ以上身長が高い。近い将来、この反則的高身長のNJKFバンタム級チャンピオンが順調に経験を積んでゆけば、両者の対戦もあり得ないことではない。

それほどの期待を抱かせるほど、この日の桜井の仕事は素晴らしいものだった。

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レポート:白石昇  写真:菱田慶文

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