今年になって出場した3試合全てがメインの佐藤。それだけではなく前回6 月大会では大塚一也とのキック史に残るライバルストーリーに6回目の対戦で初勝利することで終止符を打ち、今回は王者として、連盟のエースとして初のリングだった。
対するは、高い技術を誇りつつも全国的には全く無名の寺田。観客の興味は勝敗に対するというよりも、佐藤が何ラウンドで寺田を倒すか、という点にあったはずだ。
ところがゴングと同時にいきなり寺田が仕掛ける。「玉砕覚悟で仕掛けて行け」という八王子FSGジムの会長の指示通り、普段はスロースターターの寺田が鋭いハイキック、ローキック、飛び膝、右ストレートとたたみかける。
佐藤も応戦しようと得意の左フックを振り回すが、寺田そこにカウンターの左縦肘を一閃。これが見事に佐藤の額にジャストミート、あっという間に佐藤の顔面が鮮血に染まり、ドクターストップを呼び込んだ。
「あの肘はたまたまです」と謙遜する寺田だったが、今回唐沢や中西の活躍も含めて八王子FSGの強さを知らしめることが出来たと言えそうだ。
ノンタイトル戦で王者に快勝したことでタイトルマッチの話も出てくるだろう。それについても「是非挑戦したい」と淡々とした口調ながらも意気込みを語る寺田。さらに今後対戦したい相手として前フェザー級王者の大塚一也(渡辺)の名を挙げた。