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kick MA日本キックボクシング連盟 3月20日 後楽園ホール大会“COMBAT-2000”
第13試合 WMAFスーパーウェルター級タイトルマッチ/5回戦 
同級王者
伊藤隆
(山木)
5R2分28秒

TKO
同級1位
センティアンノーイ・ソールンロート
(タイ)
×
※伊藤が王座防衛に成功。

昨年9月の復帰戦はいいところのない完敗だった伊藤、その後内臓疾患を患うなど必ずしも順調とは言えないようだが仕事をやめキック一本に絞り、2月にはタイに遠征しタイ人にKO勝利。少しづつ「強い伊藤」を取り戻しつつある。

今回の防衛戦の相手は「殺しのキッス」の異名をとるムエタイ戦士センティアンノーイ。ラジャダムナンの頂点を極め、10年以上も第1線で戦い続ける知らぬもののないビッグネームだ。しかしセンティアンノーイは一度引退を表明した選手。ムエタイ越えを目指す伊藤が負けてはいけない相手だ。

しかしさすがはセンティアンノーイ、試合が始まると重いローと強烈な左ストレートで伊藤を苦しめることになる。手数勝負と決めていた伊藤はガードしつつミドルを連打。またガードの低いセンティアンノーイの顔面に左ストレートを打ち込んでいく。しかしセンティアンノーイニヤりと笑って伊藤の攻撃を受け流し、ロー、ミドルを返す。ミドルを打ってきた伊藤の足をとって転ばすと伊藤の頬にキス。そして左ストレートで伊藤の顔をのけぞらせさらに左ロー。

3Rが終わるころには伊藤の太ももには無数のミミズ腫れが。 しかし伊藤も懸命に突破口を探す。下がりつつミドル、ストレートを放ちボディ狙いでガードが下がったタイ人の顔面にに肘をヒット。さらに首相撲にきたところにまた肘。4R終わってポイント的にはほぼイーブンで最終ラウンドを迎えた。

ミドル連打で前に出る伊藤にセンティアンノーイ前蹴り。伊藤左ストレート、さらにロープに詰め肘、左フックからミドルをヒットさせる。肘狙いのセンティアンノーイに対し伊藤首相撲から逆に肘をヒット。センティアンノーイ左ストレート、左ローを当てるがそれらの攻撃に対しても伊藤は全てもらっただけ反撃していく互角の展開。

異変が起きたのは最終ラウンドも残り1分にさしかかった頃。首相撲の展開から伊藤が肘を狙うとセンティアンノーイが急に背を向けてしまう。パンチと肘で追い討ちをかける伊藤だが、センティアンノーイは首相撲の攻防の時右肩を脱臼したらしくここでギブアップ。伊藤が歴史的強豪の攻略に成功した。

「やっと正式に復活しました。リングの上は居心地がいい。」とリングの上から宣言した伊藤。日本中量級のエースは「日本の代表として、どんな強い奴とでも戦いたい。」と力強く締め括った。


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レポート:新小田哲  写真:薮本直美


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