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ド突き勝ち！

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　共にボクシングを前身とする両者。デビュー以来３連勝の天田と、昨年のJapanグランプリで安部康博から開始早々にダウンを貰いながら、全身のパワーを拳に注ぎ込むような渾身の右ストレートで逆転KOを納めた、その度迫力の印象が未だ鮮やかな滝川リョウ。しかも滝川は現在あのキックの鬼、藤原敏男に師事し、本格的なキックルールへの移行を図っているだけに、その実力アップぶりが期待された。

　ところがこの足技への考え方の違いが、いささか皮肉な結果を導くことになったように思われる。自分から積極的に蹴りを出し、キックの試合をすることを意識していた滝川に対し、天田は徹底したパンチ・ラッシュで対抗する。馴れない足技を攻撃に織り込むことより、身体に染み込んだコンビネーションを重視して、トーナメントを勝ち上がることを最大の目標にした天田の巧みな作戦だった。

　結果は第一ラウンド中にパンチラッシュで２度のダウンを奪った天田のTKO勝ち。記録では共に左フックによるダウンとなっているが、非常にスピーディな天田のコンビネーションが連打で滝川の頭部を捉えていた。滝川の実力が出る前に試合が終わってしまったのは、観戦者としてはやや残念とも言えるところ。

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