[MAキック] 4.28 後楽園 (レポ&写真):後藤龍治、K-1ベスト4の意地!
マーシャルアーツ日本キックボクシング連盟(東金ジム) "最強を求めて!「出陣・決戦」" 2002年4月28日(日)東京・後楽園ホール
レポート:磐田レン 写真:井原芳徳
メインイベント 71kg契約/5回戦 ×山上健吾(花澤/MAミドル級王者) ○後藤龍治(STEARTH/元MAウェルター級王者,K-1ワールドMAX日本代表決定トーナメントベスト4) 判定0-2 (48-49,49-49,48-49)
2月のK-1ワールドMAXで魔裟斗相手に好勝負を演じ、その存在をアピールした後藤龍治。セコンドには全日本キックの小林聡、シュートボクシングのシーザー会長と豪華な顔ぶれが並ぶ。対する山上は3月30日の後楽園のリングで「絶対100%勝ちます」と宣言しているだけに、この試合を落すわけにはいかない。日本最強を目指す山上はきっちりと試合に勝利し、K-1中量級戦線に名乗りをあげたい所だろう。 1R、不敵な笑みを浮かべ後藤を挑発する山上。しかし後藤のフックを顔面にもらうとその顔つきが厳しくなる。
2、3Rになると後藤は、後輩2人に犠牲になってもらい編み出したという、自称“斬滅ロー”でリズムをつかみ始める。 山上はミドルの後がなかなか続かなかったが、4Rに入りようやくミドルが後藤を捕らえ始める。激しい打ち合いから山上のパンチが後藤の顔面を何度も捕らえる。後藤にとってはヒヤリとした場面だがここはゴングに救われる。 5R、一気に攻めこむかと思われた山上だが、試合後にトレーナーが「減量に失敗した」と証言。山上本人も「スタミナが切れました」と語ったように、ここぞというところで明かに失速してしまう。一方の後藤は4Rのダメージを見せることなく、最後まで積極的に攻めこみ、勝利を物にした。
◆後藤のマイクアピール 「同じ日に横浜でPRIDEがあったのに、わざわざ後楽園ホールに足を運んで下さった皆さん、ほんま、お目が高い!。今日うちに帰って、PRIDEに行った奴に思いっきり自慢してください。わかった?わかった?。とりあえず、7月7日、俺のこの続きは横浜文体に見に来て下さい。S-CUP!S-CUP!。K-1はちょっと慣れんことしたから負けてもうたけど、シュートボクシングは僕の十八番やから、ぜったいに見に来て!」
◆後藤の控え室でのコメント 「(相手の印象は?)いやあ、疲れましたね。もともとスタミナある選手とわかってて 、技術よりも我慢比べになると思って。思ったよりもアゴが強くてね。(4Rに攻め込まれたが?)ちょっと疲れてたんで。やっぱり勝負どころわかってるわ、って思いました。まあ、思ったより僕のローも効いてくれたんで。絶対倒れるわ思ったんですけどね。(SBの土井広之の)キラーローに対抗するために、後輩二人に犠牲になってもらって、“斬滅ロー”を編み出しました(笑)。(S-CUPに向けての抱負は?)SBの後藤龍治ワールドを楽しんで下さい。K-1でたまたま『頭ツンツンの人や』って知った人に、僕がどういう技術あるのか、今まで何をしてきたか、SBとは何か、伝えたいですね。投げがあるだけの単純な競技じゃないんでね。」(写真:試合後シーザー会長に激励される後藤)
◆山上のコメント 「(試合を振り返ってみて?)まあ、いい経験になりました。練習して、がんばります。(K-1への参戦は?)練習して、いい結果だしてからです。」
セミファイナル MA vs. 全日本対抗戦 63kg契約/5回戦 ×武藤孝行(ビクトリー/元MAライト級王者) ○金沢久幸(TEAM-1/WPKC世界ムエタイ・スーパー・ライト級王者) 判定1-2 (48-50,50-49,49-50)
対抗戦らしいピリピリとした空気がリングを包む。1Rはお互い様子を見る展開。2、3Rになるとパンチのコンビネーションで金沢が積極的に攻めこむ。武藤はローを返すが後が続かない。4、5Rは両者打ち合いになるも金沢の手数が上回る。武藤もパンチを返していくが、金沢のペースを崩すまでにはいたらなかった。僅差の判定ながら金沢が対抗戦に勝利した。
◆金沢のコメント 「(これで対抗戦連勝ですが?)全日本の場合、小林さんが出ていくまでもなく、自分でせき止めてあげないと。みんなが思ってるかどうかわからないですが、一応兄貴分て言われてるわけですから、弟達を守らないと。」
第6試合 61kg契約/5回戦 △山崎道明(東金/元MAライト級王者) △ラビット関(山木/MAスーパーバンタム級王者) 判定1-1 (50-49,49-50,50-50)
ミドルから肘を狙う攻撃を仕掛ける関。対して強烈なパンチで前に出て行く山崎。両者気迫のこもった攻防を見せるも、お互い決定的な差は見られず、三者三様のドローとなった。
第5試合 MA日本スーパーフェザー級(59kg)選手権/5回戦 ○花戸忍(東金/挑戦者1位) ×ファイティング前沢(土浦/同級王者) 5R 2'07" KO (ボディーフック) ※花戸が新王者に
3月に行われた「KING COMBAT 2002」では圧倒的な強さで優勝を果たした花戸。一方の前沢もこのトーナメントに出場したが1回戦で梅下に破れている。対照的な結果になったこの両者のタイトルマッチ戦。今回も花戸の持ち味である空手仕込みの華麗な足技が炸裂するのか。それとも前沢が王者としての意地を見せることが出来るのか。この日の「裏メイン」と言っていいような注目の一戦となった。 序盤動きに硬さが見られる花戸。得意の足技も影を潜める。対する前沢は慎重にローからパンチを繰り出していく。
しかし、3Rになるとようやく花戸らしさが見え始める。得意の後ろ廻し蹴りで一気に流れをつかみ、膝蹴りで最初のダウンを奪うと、後ろ廻し蹴りで二度目のダウンを奪う。4Rに入ると飛び後ろ蹴りにカカト落しと花戸の独壇場。左ミドルを軸に前沢をコーナーに追い詰め、右肘でこの試合3度目のダウンを奪う。 5Rになると花戸のKOを期待する声援が高まる。しかし前沢も最後の意地を見せる。前沢の放った右肘が花戸を襲った。花戸の左目尻がみるみるうちに腫れ上がる。だが反撃もここまでだった。組み合うと一枚も二枚も上手の花戸。ボディーにダメージの見える前沢に対して、的確にパンチを叩きこみダウンを奪う。1度は立ちあがった前沢だったが、更にパンチのラッシュを受けダウン。レフェリーが試合を止めた。
ついに新王者となった花戸。MAキックの山木理事長がリング上でアピールする。 「これで花戸選手が日本一になったと思っています。実績と実力が認められたと思います。この後、いかなる挑戦者がいても、受けて立ちます」 これを受けて、花戸は控え室で全日本キックのエース・小林聡との対戦を希望した。このまま花戸が連勝街道を突き進めば、いくら小林といえども無視できる存在ではなくなるだろう。もし実現すれば、花戸の足技にどう小林が噛み付くのか? 楽しみな一戦になることは間違いない。
◆花戸のコメント 「(おめでとうございます)ありがとうございます。とてもうれしいです。(これでMAの階級で1番になったが?)これから強い人とやりたいです。(コンディションは?)少し疲れがありました。(今日の作戦は?)パンチとキックでKOを狙ってました。(具体的に対戦したい選手は?)小林聡さんとやりたい」
第4試合 MA日本フェザー級王座決定戦/5回戦 ○山田健博(東金/同級1位) ×ハンニバル鈴木(山木/同級2位) 1R 2'38" KO (左ミドル) ※山田が新王者に
山口元気の王座返上により空位になったフェザー級の王座決定戦。両者ともタイトルマッチは初体験となる。ジワジワと前に出て圧力をかける山田。力のこもった左ミドルが鈴木のわき腹を襲いダウンを奪う。カウント後も鈴木は立ち上がれず、山田が新王者となった。
第3試合 63.5kg契約/5回戦 ×東金シャノン(東金/ISKA豪州王者) ○宍戸大樹(シーザー/JSBAスーパーライト級王者) 4R 2'10" TKO (右肘でのカットによるドクターストップ)
シャノンにとっては昨年11月のSB大会の試合のリベンジマッチ。今回はホームでの試合でもあり、きっちりと借りを返したい所。対する宍戸もSBのチャンピオンとして敵地に乗り込み、無様な試合は出来ない。 1Rから宍戸はフットワークを駆使しコンパクトに攻撃を仕掛ける。シャノンも力強いパンチを繰り出すが、攻撃が単調で追いこむまでには至らない。
しかし4Rに入るとシャノンのパンチが宍戸に当たり始める。試合後「打ち込まれると止まる癖が直らない」と反省していたように、宍戸のフットワークが止まってしまう。これを機に接近しての打ち合いとなるが、これが結果的には宍戸に吉と出た。「無意識に出た」という右肘がシャノンの額を見事にカットする。シャノンはドクターチェックを受けすぐにストップがかかった。
◆宍戸のコメント 「パンチに対して苦手意識があるんで、一発貰うとカメになってガードを固めてしまう。次までには直すようにしたいです。(対抗戦という意識は?)ありました。歴代の先輩達が通って来た関門なので、勝たなくてはいけないと思ってました。シュートボクシングのチャンピオンが敵地で負けるわけにはいかないですから。(今後は?)シーザー会長が組んだ試合でしっかり勝つだけです。がんばります。」
第2試合 ライト級/5回戦 ○木村允(土浦/同級1位) ×中村玄志(山木/同級5位) 3R 2'12" KO (左肘による3ノックダウン) ※2R パンチにより中村にダウン1あり
2R、木村がミドルから中村をコーナーに追い詰めパンチでダウンを奪う。3Rに入り木村が一気に攻め込み、左肘で3ノックダウンを奪った。
第1試合 68kg契約/5回戦 ○ランボー豊栄(東金/MAウェルター級) ×飯塚英史(山木/MAウェルター級) 判定3-0 (49-48,49-48,49-48)
ランボーがパンチから膝蹴りをねらい押し気味に試合を進める。最終ラウンドに飯塚もローの連打でランボーをぐらつかせるが、逆転するまでにはいたらなかった。
Last Update : 05/10
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