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[全日本キック] 4.12 後楽園 (レポ&写真):佐藤嘉洋、魔裟斗の眼中に!?

全日本キック "ALL JAPAN KICKBOXING 2002 4th.BOUT - Rising Force- "
2002年4月12日(金)東京・後楽園ホール

レポート・石動龍  写真・井原芳徳  コメント編集・BOX-T(加藤のコメントのみ石動)

ダブルメインイベント第2試合 70kg契約5R
△清水貴彦(超越塾/全日本ミドル級1位)
△加藤督明(PHOENIX/WMTAサウスパシフィック・スーパーライト級王者・元MAライト級王者)
判定0-1 (50-50,49-50,50-50)

 清水170センチ、加藤184センチ。実に14センチもの身長差に苦しめられ、清水はなかなか加藤の懐に入ることができない。一方の加藤は“スネーク”の異名通り、遠い間合いからのヒジ、首相撲からのヒザなどでじりじりとプレッシャーをかけていく。
 清水もフェイントとフットワークを駆使して必死に応戦。決定打をもらうことはなかったが、新田戦で見せたような爆発的なラッシュは最後まで出すことはできず、不完全燃焼のまま試合は終了した。

◆加藤のコメント
「今日は負けたとは思ってません。清水君から『こんな戦法しかできなくてすみませんでした』と言われたので本人が一番わかっているんじゃないですか。今日は勝ちにこだわってヒジとヒザを多用しました。本当はもっとキックもパンチもできるつもりなんですけどねぇ(笑)。
 最近(ヒジなしの)K-1が流行っていますけど、時代に流されずにこれからもやっていきたいです。自分はキックボクシングに憧れて、キックボクサーになったわけですからね。全日本のリングは自分をあたたかく迎えてくれたので、また使ってもらえたらいいなあと思います」

◆清水のコメント
「(判定に関して?)負けてたとは思わないけど、儲けもんじゃないですかね僕の。クソつまんねえ試合だった。出来たのに僕が何もしなかったという感じです。もう少し出来たんじゃないですかね。(徹底して足を使ってましたが)いや。もっと使うつもりだったんですけど。(相手のリーチを警戒してですか?)そうですね。背が高くて届かないと思ったので。でも途中からボーッとしちゃいましたね。打たれたとかじゃなくて、暑くてですかね。待ち疲れですかね(苦笑)。(ダメージは?)ないですね。(攻撃の手ごたえは?)ないです。(相手は鼻血を出してましたが?)ああ、パンチが 当たったんで。(メインだという意識は?)ありました。お客さんに喜んでもらおうと思ったんですけどヤジが飛んで来て最悪。(課題は?)課題ばっかりなんで地道にやっていきたいです。(リーチの差は感じましたか?)感じましたね。前蹴りが異様に伸びてきたんで。(これからやらなきゃいけない事は?)今日の反省です。」

ダブルメインイベント第1試合 ウェルター級5R
○佐藤嘉洋(名古屋JKF/WKA世界ムエタイ・ウェルター級王者)
×チャルムサック・イングランジム(タイ/ラジャダムナン・スタジアムウェルター級1位)
判定 3-0(50-48,50-49,50-49)

 昨年11月に世界タイトルを奪取し、今年1月には金沢久幸に圧勝するなど21歳にしてエースの実力を兼ね備えた佐藤がムエタイの強豪に挑む。相手のチャルムサックは昨年12月にラジャダムナン・ウェルター級王座に挑戦し、現在も1位をキープする現役のランカーである。
 試合開始直後、佐藤を襲ったチャルムサックの左ミドルに会場からため息が漏れる。重く、速く、そして正確。本物の迫力に場内は静まるが、リング上の佐藤はひるむことなく反撃していく。
 2Rに入ると佐藤のパンチが冴えはじめる。接近しての左フックでチャルムサックをぐらつかせ、コーナーに詰めては連打を繰り出して強豪をあわてさせる。3R以降も佐藤はパンチを中心に攻め、チャルムサックはヒジとミドルで迎撃する。チャルムサックのヒジが佐藤の顔面をかすめる場面もあったが最後まで佐藤は引くことなく、堂々の判定勝ちを収めた。

◆佐藤のコメント
「ずっと中学校の時から一緒にやって来た杉浦磨(バンタム級)が、肝機能障害でドクターストップが掛かったと試合の一週間前に聞かされて、凄いショックで夜も眠れなかったんですけど、僕は勝つ事でしかあいつを応援できないので、あいつにも強い心を持って頑張ってほしいと思います。
(試合を振り返って)強かったです(苦笑)。ミドルで骨が折れるかと思いましたけど、今日は痛みを忘れるつもりだったんで、今日の僕は誰にも負けなかったと思います。(今回はパンチが多かったですが?)首相撲でかなわなかったですね。今まで4試合連続でKOして魅せる試合をして来たのに、前回たった一回判定になっただけで各雑誌からコキ下ろ されて滅茶苦茶悔しかったです。
(日本人で戦いたい選手は?)魔裟斗さん。今日で眼中に入れてくれたんじゃないですかね。あともっと色々な所で目立ちたいですね。折角(キックを)やってんだから人生賭ける事をして、みんなに知ってもらいたいですね。
(相手のミドルをほとんどカットしてましたが?)凄いでしょ?(笑)。僕の防御のテクニックはかなりイイと思います。今回、ミドルを打ち合ってみようと思ったんですけど、人間やろうと思えば何でも出来ますね(笑)。(スタミナが切れたように見えましたが)ええ(笑)。スタミナ切れを恐れてセーブする奴より、最初からガンガン行ってスタミナ切れになった方が格好イイと思うんで。」

第8試合 全日本キック×J-NETWORK対抗戦 62.5kg契約5R
×林 亜欧(S.V.G./全日本ライト級王者)
○蔵満 誠(JMTC/J-NETWORKライト級1位)
判定 0-3(48-50,48-50,49-50)

林が積極的に前に出るが手数で蔵満が上回る。右フックで林をぐらつかせるなど終始優位に試合を進めて3-0で判定勝ち。林は戴冠後の初戦を飾ることができなかった。

◆蔵満のコメント
「いや〜ブサイクな試合で(苦笑)。なんとか勝てて嬉しいです。(相手がグラつく場面があったが?)グラついてからが強い選手なんで、効いてるのかどうか不安がありました。(対抗戦という意識はあった?)ありましたね。(勝因は?)気持ちの差じゃないですかね。自分は挑戦者の立場なので負けて元々って感じでぶつかって行くだけだったんですけど、相手は立場的に難しかったんじゃないですかね。(相手の攻撃で効いたのは?)やっぱりヒザが嫌でしたね。(自分のヒザと比べると?)むこうの方が巧かったですね。首相撲でちょっとあせりました。(前回はドローでしたが?)自分みたいな平凡な選手にジムがチャンスをくれたので本当に勝ちたかったです。(今後の目標は?)一戦一戦頑張って一日でも長くやりたいです。(戦い選手は?)誰とやっても勝てる保証なんてないし、誰とでもやりたいです。」

第7試合 全日本バンタム級挑戦者決定戦 サドンデスマッチ3R
○割澤 誠(作真会館/同級1位)
×YUTAKA(月心会/同級2位)
再延長1R 判定3-0 (10-8,10-8,10-8)
延長1R 判定1-0 (10-9,10-10,10-10)
本戦3R 判定0-1 (30-30,30-30,30-29)
※5R 右フックでYUTAKAにダウン1あり
※※割澤は7月21日後楽園大会で全日本バンタム級タイトル挑戦決定

 昨年二月の再戦であり、前回はYUTAKAが2RTKOで勝利している。だがその後YUTAKAは現バンタム級王者の安川賢に2RKO負け、逆に割澤はノンタイトルながら安川に4RTKO勝ち。バンタム級戦線はベルトを中心とした三つ巴という状態である。今試合の勝者がタイトルへの次期挑戦者となる。
 試合は割澤のロー、ミドルをカットしてからYUTAKAがパンチで飛び込む展開。両者決定打のないまま3Rが過ぎ、下されたドロー裁定によって試合は延長4Rに入る。ゴング直後の打ち合いの後割澤はロー、YUTAKAはヒジを中心に一進一退の攻防を続け、再びドロー裁定のため試合は最終5Rへ。
 5Rに入ると割澤が手数でYUTAKAを上回り、右フックでダウンを奪う。YUTAKAは立ち上がるが挽回することはできずに試合終了。割澤が熱戦を制し、タイトルに王手をかけた。

◆割澤のコメント
「勝負では判らないけど気持ちでは勝ってたと思います。一度負けたYUTAKA選手への リベンジの気持ちもありましたが、やっぱり安川選手と戦いたいんで気持ちで勝ったんだと思います。
(気をつけてた事は?)相手の右のパンチです。肘はパンチと軌道が一緒だと思うんで、パンチを気をつければもらわないと思ったんで。前回よりもらわなかったのでそれは成功だったと思います。安川戦はまだ全然考えてないです。今回勝ててホッとしてます。
(ダウンを奪ったのは右フックですか?)覚えてないですね。多分右だと思います。(前半肘をもらっていたようですが?)そうですね。1Rに自分のパンチにカウンターで肘を合わせられて鼻血が出てヤバイなと思ったので、パンチを4Rまで封印してワザと出さないようにしました。4Rで出したら相手が疲れてたみたいで『当たるんだあ』と思いました。
(YUTAKA選手の気持ちは伝わってきましたか?)最初は感じたんですけど、途中から自分のパンチと左ミドルと右のローに相手がカウンター狙ってたと判っちゃったので、自分のペースだと思いました。(サドンデスルールに関して)駄目ですね(笑)。普通に5Rがイイです。疲れちゃうんで。判定を聞いてる時に次のラウンドがあるつもりでいないと(延長になったとしても)立てないと思いました。」

第6試合 バンタム級3R
○藤原あらし(S.V.G.)
×中込陽介(不動館)
判定 3-0(30-27,30-28,30-27)

第5試合 ライト級3R
○ラスカル・タカ(月心会)
×キーマオ ソン(GENESIS)
2R 2'36" TKO ※タオル投入

第4試合 フェザー級3R
×デンジャー高山(TEAM-1)
○清水英樹(月心会)
判定 0-3(28-30,28-30,29-30)

第3試合 フェザー級3R
○阿部圭祐(はまっこムエタイ)
×山口 創(大誠塾)
2R 1'41" KO ※3ダウン

第2試合 ライト級3R
×坂口雅至(S.V.G.)
○湟川満正(作真会館)
判定 0-3(29-30,29-30,29-30)

第1試合 ミドル級3R
○神林 剛(青春塾)
×丸山弘通(GENESIS)
1R 3'00" TKO ※戦意喪失によるレフェリーストップ

Last Update : 05/10

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