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[女子ボクシング]ライカ、八島が勝利。二階級初代王者決定(写真・レポート追加)

日本女子ボクシング協会
ダブルタイトルマッチ Fighting Girls Part1

2002年2月3日(日)北沢タウンホール

レポート:西立秋、薮本直美 写真:薮本直美


ダブルメインイベント第2試合
日本初代女子フェザー級王座決定戦 57.15kg契約/10回戦
○ライカ(山木/日本女子フェザー級1位)
×菊川未紀(桶狭間/日本女子フェザー級2位)
判定3-0(97-93,99-92,100-93)
ライカが初代日本フェザー級王者に

初代女子フェザー級の王座決定戦は昨年3月以来の再戦となった。前回対戦時はバンタム級であった菊川だが、ビルドアップした体に合わせて昨年後半からはフェザー級として活動している。実際、ライカと菊川が並んでいるのを見ると、菊川のほうが一回り手足が太い。ぴっちりと筋肉の鎧をまといながら、出入りのフットワークの激しさは軽量級さながらだ。女子ボクシング協会設立前から「日本女子ボクシングの顔」とも言える活躍を続けてきた菊川。前回の結果を受けて、雪辱に燃えていることは容易に想像できた。そして、ライカはデビュー2年目にあたる昨年、菊川戦により成長したといえる。タイトルの行方はもちろん、女子中量級屈指にして唯一と言っていい好カードを楽しみに訪れたファンも多いことだろう。
1ラウンド、菊川の小刻みなジャブに対してライカは重いパンチを単打で返す。ライカの重いパンチが菊川の体にヒットした瞬間、ドン、という重い音を会場に響く。この音に会場の観客からどよめきがおきるほどだった。このライカのパンチに、2ラウンドには菊川が一瞬ぐらつく場面が訪れたが、菊川はそのまま崩れはせず手数で反撃に入る。途中バッティングによりライカは左目の上から流血した際はストップかと思われたがそのまま続行された。だが傷は深く、これでしばしライカの動きが落ち着かないものになる。菊川は縦横にフェイントを含めた連打を散らしてくる。ライカも対戦を糧に菊川の攻撃にあわせて上からフックをかぶせるという巧さを見せた。


 中盤はお互い一歩も引かずに打ち合い、激しい音が鳴り響いた。あわせて興行途中で「入場打ち止め」となるほど満員となった会場中からのコールが怒号のごとく会場を包む。
 そして8R、ライカがパンチのラッシュでついに菊川からスタンディングダウンを奪う。どれだけ手を出されてももらいつづけることはなかった菊川がロープ際に押し込まれディフェンス一方となってしまった。こんな菊川の姿は、初めて見るものだ。続く9R、再度ライカのラッシュに早めのスタンディングダウンを宣告されたのは菊川にとってアンラッキーだったかもしれない。だが「この手は何があっても止めん」というような必死の形相でパンチを叩き込むライカのラッシュは、勝利への執着をまざまざと見せつけるものだった。10ラウンド、菊川は最後の力で猛反撃にでるが決定打は出ずに終了のゴングが鳴った。
結果ではこの二つのダウンが試合を決定づけ、ライカが大差の判定での勝利。初代女子フェザー級のベルトを巻いた。
しかし、内容的には技術、体力、精神面、どれをとっても互いに引けをとらないベストバウト。ライカは「菊川さんに勝てたから・・・その次は世界のベルトを狙いたい」とコメント。
その道は始まったばかりだ。



ダブルメインイベント第1試合
日本初代女子フライ級王座決定戦 50.8kg契約/10回戦
○八島有美(ゴールドジム横浜馬車道/日本フライ級)
×土田奈緒子(入谷/日本フライ級)
判定3-0(100-93,100-93,100-98)
八島が初代女子フライ級王者に

前回大会、決勝戦がドローとなり今回に持ち越された初代女子フライ級の王座決定戦。その経緯が物語る通り、予想は五分。だが今日が最後の決着戦だ。もし万が一、再度引分となった場合は延長ラウンドが行われ、判定はたった一つの支持でも多く取ったほうが勝利(通常は2人のジャッジが支持しなければドローとなる)するという特別ルールが設定された。

立ち上がり土田はジャブを多用してリラックスした動きを見せる。逆に八島には手数は出るものの、やや堅さがみられた。それも徐々にこなれ、3ラウンドまでは両者は互角に打ちあい、イーブンペース。


4、5ラウンドになると八島のジャブが的確にヒットするようになる。当日掲げられた八島の応援垂幕にも書かれた「石の拳」がじわりとダメージを与えたか、6Rに入ると八島の連打で土田がロープに追い詰められる場面が見られた。それでも土田は気持ちで負けることなく積極的に前へ出つづけた。しかし、八島のジャブとフットワークの前に一歩後れる感が否めない。終盤ラウンドでは八島の連打で土田は鼻から出血。土田はダウンすることはなかったが、八島のパンチの威力が間接的にアピールされたシーンだ。
長丁場のスタミナは両者とも無用の心配だった。手数は衰えることなく最終ラウンドを迎え、終了のゴングが鳴った。
結果は大差の判定で、初代フライ級王者を八島がものにした。微笑みながら上げる八島の拳はとても「石」には見えないが、10ラウンドを戦い抜き、勝利をもぎ取った「王者の拳」は堅く強いものであることをこの決定戦で証明した。

第6試合 50kg契約/4回戦
△山口直子(山木/日本フライ級)
△鬼鞍幸子(横浜/日本ミニフライ級)
判定1-0(40-40,40-40,39-38)

第5試合 50.8kg契約/4回戦
×小谷敦子(ヨネクラ/日本フライ級)
○猪崎かずみ(鴨居/日本フライ級)
KO 1R終了

第4試合 フライ級/4回戦
○ミサコ山崎(岩井/日本フライ級)
×久保真由美(鴨居/日本フライ級)
判定3-0(40-39,40-38,40-38)

第3試合 フライ級/4回戦
○ジプシータエコ(山木/日本フライ級)
×勝哉(インフィニット/日本フライ級)
KO 2R1'35"

第2試合 フライ級/4回戦
○本田椿(山木/日本フライ級)
×山田香子(総武会/日本フライ級)
判定3-0(39-38,40-39,40-37)


第1試合 55s契約/4回戦
×袖岡裕子(スピード/日本フライ級)
○アティーシャ・ミク(習志野/日本バンタム級)
判定1-2(38-39,39-37,38-39)



Last Update : 02/11

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