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[シュートボクシング] 緒形、アイブルの弟子を逆転KO/2.1後楽園 (レポ&写真)

シュートボクシング 「The age of "S" vol.1」
2002年2月1日(金) 東京・後楽園ホール

レポート:井原芳徳  写真:飯島美奈子

※大会の模様はJスカイスポーツの「ワールドファイティング」で2月17日〜放映される

【→シュートボクシング協会・公式ウェブサイト

第9試合 エキスパートクラスルール 70kg契約 3分5R
○土井広之 (シーザージム/WSBA世界ウェルター級王者)
×パリーロ・ジェイソン(アメリカ/LAボクシング)
1R 2'39" TKO (3ノックダウン) ※左ハイキック
※ユーリ・シェフチェンコ (北の最終兵器軍団/キックボクシング・ウクライナ・ウェルター級王者)は欠場。

 ボクシングベースのパリーロは前傾姿勢で突進。しかし土井はパリーロのがら空きの足下とボディに容赦なくロー、ミドルキックを叩きこむ。ラウンド中盤、左ミドルの連打で最初のダウン、続いて膝蹴りの連打で二度目のダウンを奪う。最後は左右のロー、左ミドル、そしてブーメランのように伸びる左“キラーハイ”の連続攻撃でパリーロをマットに沈め、メインイベントを締めくくった。
 マイクアピールでも「今日はラウンドガールの衣装にノックアウトされました」と余裕たっぷり。「Sの時代を100年先も続けます」とSBの快進撃を誓った。

第8試合 エキスパートクラスルール 70kg契約 3分5R
○緒形健一 (シーザージム/SBスーパーウェルター級王者)
×ジャーメイン・ピエロウ (チーム・ハリケーン/キックボクシング・オランダ・Sウェルター級王者)
4R 2'37" KO ※右フック

 前の試合でギルバート・アイブル率いるチーム・ハリケーンのイドリッシが強烈な膝で前田辰也を粉砕。続いて登場したピエロウも同じく組んで&飛んでの膝蹴りで緒形を苦しめる。2R中盤、ピエロウの飛び膝蹴りでついに緒形がダウン。なんとか立ち上がったが、崩れ落ちるような倒れ方だったため、緒形のノックアウトは時間の問題だろうというムードが満員の客席に漂う。
 しかしこのダウンで「見ていてもしょうがないと踏ん切りがついた」という緒形は大反撃に転じる。ラッシュを仕掛けるピエロウに対し、緒形のカウンターフックが度々命中するようになる。アナウンス席に座っているシーザー会長も解説の仕事を忘れ緒形に檄を飛ばす。3Rになるとピエロウをコーナーに詰める場面が増える。ピエロウのワンパターンな膝蹴りもクリンチで防御。そして4R後半、左フック、右フックでついに連続ダウンを奪い、見事な逆転勝ちをおさめた。この瞬間後楽園ホールはこの日最大の熱狂に包まれた。

第7試合 エキスパートクラスルール 62kg契約 3分5R
×前田辰也 (寝屋川ジム/SBスーパーフェザー級王者)
○トリック・イドリッシ (チームハリケーン/キックボクシング・ヨーロッパ・ライト級王者)
2R 2'28" KO ※ひざ蹴り

 両者の身長差は16センチ。リーチ差を警戒してかバックステップを踏む前田に対し、イドリッシは回転の速いパンチと膝蹴りで突進する。その威力からキックボクシング27戦24勝2敗1分という戦績が伊達ではないことがわかる。前田は攻め手を見い出せず、足払いやタックルでイドリッシを倒すぐらいしかできない。2Rにはイドリッシの膝蹴りが何度も前田の体に突き刺さる。前田は左目尻を出血。最後はこの膝蹴りで前田がダウンし、10カウントになっても立ち上がれず、勝負が決まった。
 前田は控え室に戻り「(イドリッシは)頭のいい選手やった。リーチのある選手の懐にいかに入るか、もう一ひねりせんとあかん」とつぶやいていた。

第6試合 エキスパートクラスルール 67kg契約 3分5R
○宍戸大樹(シーザージム/SBスーパーライト級王者)
×ブレス・ジェイソン(アメリカ/LAボクシング)
1R終了 TKO (ドクターストップ) ※右ひざの負傷

 当初宍戸と対戦予定だったアーテム・スケグロフ(北の最終兵器軍団/キックボクシング・ウクライナ・Sライト級王者)が欠場。そのため急きょ出場したブレスはキックボクシング5戦5勝という触れ込みだが、コスチュームはなんとアマレスの吊りパン。宍戸との打撃技術の差は明白で、試合でも組み付くばかり。宍戸のロー、膝蹴りを不用意にもらってしまう。1R終了後、ブレスは戦意を喪失し右膝を痛めたことが判明、ドクターストップがかかった。
 これには宍戸も「消化不良ですね。2R以降、力出したかったのに」とあぜんとした様子。しかし「(相手は)レスリングスタイルで重心が低く、パンチも強かった。短い時間だけと、いい経験になりましたよ」とこの日の試合を前向きにとらえていた。

第5試合 エキスパートクラスルール 95kg契約 3分5R
○シリル・ディアバデ(フランス/SBヘビー級1位)
×リー・ハスデル(リングス・イギリス/リングスアブソリュート級準決勝進出)
4R 2'18" KO

 長身のディアバデが豪快な左ストレート、左膝蹴りでハスデルを苦しめる。2Rハスデルはディアバデの左ストレートに倒れるが、9カウントで立ち上がる。その後もハスデルは目の下と鼻から大量の血を出しながらも、不屈の闘志を発揮し、時には笑顔を見せ戦い続ける。しかし最後までディアバデの攻勢は変わらず、4Rついにハスデルはノックアウト。
 今回も圧倒的な強さを見せつけたディアバデは、「K-1、PRIDEに上がりたい。ミルコ・クロコップ、ヴァンダレイ・シウバ、有名で強い選手なら誰でもいい」とアピールした。

第4試合 エキスパートクラスルール 65kg契約 3分5R
○阿部裕幸(AACC/修斗ライト級4位)
×ダニー・バッテン(リングス・イギリス/ヨーロッパ・ブラジリアン柔術王者)
判定3-0 (49-45,50-45,50-47)

 グラップラー同士の打撃対決。阿部のセコンドには港太郎、小路晃、バッテンのセコンドには滑川康仁が付く。
 打撃技術が心配された阿部だったが、1R序盤から土井広之ばりの右ローを的確に叩き込む。中盤には右ストレートでダウンを奪う。さらには頭から落とす投げを放ち、レスラーらしさも垣間見せる。
 対するバッテンも2R早々大振りのフックで反撃を試みるが、阿部は冷静にブロックし、時には挑発のポーズを見せながら右ローを放つ。
 前半好調な動きを見せた阿部だったが、総合格闘技と異なるラウンド時間のせいもあってか、3Rからスタミナ切れ。バッテンも同じで、クリンチの展開が続く。特に見どころもないまま5Rが終了。
 ポイントで大差を付けて勝利した阿部だったが、「まだまだ勉強不足です。課題がたくさん見つかりました」と反省の弁。だがホームグラウンドの修斗ライト級戦線の話になると「春先から復帰します。狙うは一つ(腰にベルトを巻く動作をしながら)。歳も歳なので、今年がラストチャンスです」と熱く語っていた。

第3試合 エキスパートクラスルール Sフェザー級 3分5R
○及川知浩(龍生塾/4位) 
×高久雅祐(湘南ジム)
3R 0'55" TKO (ドクターストップ) ※額のカット

 2Rに及川が投げでポイントを重ね、さらに高久の左目をカット。3Rには額もカットし及川が完勝した。

第2試合 フレッシュマンクラスルール フェザー級 3分3R
×今井教行(シーザージム)
○中野岳(大阪ジム)
判定0-3 (27-29,26-27,25-26)

 互いに投げでポイントを重ねるSBらしい好勝負。3Rカウンターのフックでダウンを奪った中野が判定勝利。

第1試合 フレッシュマンクラスルール Sフェザー級 3分3R
×白井真(風吹ジム)
○井上亮(寝屋川ジム)
1R 1'27" KO (3ノックダウン)

Last Update : 02/21

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