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[MAキック] 魔人・佐藤、サムライルールで冷汗勝利/1.18 後楽園 (レポ&写真+選手コメント)

MA日本キックボクシング連盟(士道館)「新春正月興行」 2002年1月18日(金) 東京・後楽園ホール

メインイベント サムライルール
○佐藤堅一(士道館総本部道場/ウェルター級チャンピオン)
×水野健次(士道館大久保道場)
1st.ステージ2R 2'23" KO(パンチ)

※サムライルール:1st.ステージはキックボクシングルール(投げあり・肘なし)3分2R、2nd.ステージはグラップリングルール(グラウンド1分間以内、オープンフィンガーグローブ着用)5分2R

 当初佐藤と対戦予定だった極真空手(手塚派)の桜井直樹(仙台青葉)が肺炎のため欠場。そのため急遽「元陸上自衛隊・格闘術チャンピオン」という触れ込みの水野(下写真左)が佐藤の相手を務めた。実は両者、昨年の士道館杯(11月4日・後楽園ホール)無差別級の準決勝で対戦しており、この時は佐藤が判定勝ちをおさめていた(佐藤は準優勝)。水野は東京出身の25歳。小学2年から柔道を10年間習い、柔道での大きな実績はないものの、自衛隊を経て、現在は植木職人を目指しながら空手の修業を積んでいるという。
 今回の試合でもその柔道仕込みの投げ技を何度も披露。1st.ステージでは倒した後の寝技は許されないが、佐藤を威圧しスタミナを奪うには十分な技だ。打撃技も空手歴は実質2ケ月、グローブを付けたのは今回が始めてとは思えないほど、豪快で様になっている。

 対する佐藤は修斗のオフィシャルジムでもある田中塾で最近寝技の練習を積んでおり、当初2nd.ステージのグラップリングルールにまで試合を持ち込もうと望んでいた。しかし「途中こりゃヤバいなとマジになって(佐藤談)」急遽作戦変更。パンチとローのラッシュで水野をノックアウト。1st.ステージの内に勝利をものにし、同ルール戦績を4戦3勝(3KO)1敗とした。

 試合後の佐藤は安堵の表情を見せながらも、自分の実力に対してはシビアだ。「まだまだどこのリングに上がりたいと主張できるほど(総合格闘技の)実力がない。最近はいきなりプロのリングに上がっちゃう選手もいるけど、自分は一番下から這い上がっていきたい。自分でお金を払ってアマチュアの大会に出てもいい。目標は“強くなること”なんですよ。今でもキックボクシングが最強だと思ってるんで、それを示していきたい」。佐藤の次の試合は3月、ドイツ士道館主催のスイス大会でのキックルール戦となる模様だ。

セミファイナル ミドル級 3分5回戦
×マグナム酒井(士道館/ミドル級1位)
○ヌンポントーン・バンコクストアー(タイ)
判定0-3 (48-50,49-50,48-50)
※当初酒井と対戦予定だったチャンデット・ソーパァンタレー(谷山)は怪我のため欠場

 百戦錬磨のヌンポントーンがノーガードで酒井を挑発。急遽代理出場したせいもあり終盤スタミナを消耗したが、しつこい膝蹴りで酒井を苦しめた。酒井も何度かパンチを当てたがすべて単発。ポイントを奪うには至らなかった。

酒井のコメント
「チャンデットが来ないことを聞かされたのは3日前です。それで(中止だと思って)気持ちが完全にゆるんで、ご飯を一杯食べたら昨日ヌンポントーンになったと聞いて・・・。
 ヌンポントーンは昔キック始めたばっかりの頃、港太郎さんとかとやってたのを見てて、まさか自分がやることになるとは思ってませんでした。
 (試合は)相手の圧力が強くて・・・。1Rパンチが入った時は行けそうかなとも思いましたけど。ダメージというよりもスタミナが削られてきつかったです。
 体力とか技術より、気持ちで前に出られないって言う部分が一番でした。ちょっと萎えちゃったところがありましたね。(ヌンポントーンに)おちょくられたりした時も何していいのかわからなくなって、考えすぎちゃいました。
 次はもっと練習していい試合します。できれば前に出てきてくれる相手の方がいいです。倒すか倒されるかの試合をしたいです。K-1中量級とかも、もちろん出てみたいです。」

ヌンポントーンのコメント
「試合の話を聞いたのは3日前。3日で4キロ落としたよ。相手の酒井は、まあまあ普通。パンチがちょっとだけ効いた。急な試合だったけど、タイでは普通だから、関係ない。でも年明けから風邪引いてるし練習もあんまりしてないから、最後はスタミナ切れて、疲れた。」

第10試合 59kg契約 3分5回戦 
×カズ工藤(士道館新座/ライト級2位)
○花戸忍(東金/フェザー級3位)
判定0-3 (42-50,45-50,42-50)

 モンゴル出身の花戸が身体能力の高さを発揮。花戸の憧れるアンディ・フグが得意としたカカト落としも織り交ぜつつ、ミドル、膝蹴り、回し蹴りと多彩な技を見せ、最後まで攻撃が途切れることなく大差の判定勝ちをおさめた。これで花戸はデビュー以来破竹の8連勝。3.30後楽園大会で開催されるワンデートーナメント「COMBAT-2002」に向け勢いのあるところを見せ付けた。

花戸のコメント
「大学の冬休みの間に、1ヶ月ちょっとタイ(シットヨートンジム)に練習に行ってきました。膝蹴りはそこで練習してきました。今日はそれを意識して出しました。倒せなかったので、もっと強く打てばよかったです。試合はちょっと疲れました。タイでは12/26にパタヤで試合をしました。タイ人の選手と対戦して結果は左フックで3RKO勝ちです。目標はもっとテクニックをつけて3/30のトーナメントに優勝することです」

第9試合 55kg契約 3分5回戦 
○加村健一(習志野/バンタム級1位)
×阿部乃泰彦(東金/フェザー級2位)
判定2-0 (50-49,50-50,50-48)

 加村がムエタイスタイルの豪快な左ハイ、ミドルで試合の主導権を握り続けた。

加村のコメント
「体調があんまり良くなくて・・・。倒せなかったし、ダメですね。最近あんまり怒りがないんですよ。相手は器用だったんで、余計やりやすかったです。同じスタイルだし、何を考えてるかもわかったんで。
 次はそろそろ、大将(MAバンタム級王者・田中信一)に出てきて欲しいですね。もしやるなら、2〜3ヶ月はそれに備えて、走り込みとかみっちり練習したいです」

第8試合 ライト級 3分5回戦
△水町浩(士魂村上塾/ライト級8位)
△山崎通明(東金/前スーパーフェザー級王者)
判定1-0 (49-49,50-49,50-50)

 新鋭の水町がベテラン山崎のクリンチに手を焼きドロー。

第7試合 ウェルター級 3分4回戦
○岩楯知篤(士魂村上塾)
×飯塚英史(山木)
判定3-0 (40-38,39-38,39-38)

第6試合 ウェルター級 3分4回戦
○俊太郎(士道館)
×狩野治(仙台青葉)
2R 1'12" KO(パンチ)

第5試合 ヘビー級 2分3回戦
×神谷友和(士道館橋本)
○笹田勝俊(武勇会)
判定0-3 (29-30,29-30,28-30)

第4試合 58kg契約 2分3回戦
×関口カズユキ(士道館飯島)
○結城央司(ビクトリー)
判定0-3 (28-30,29-30,29-30)

第3試合 ウェルター級 2分3回戦
×瀧沢直樹(士道館)
○南本隆之(ビクトリー)
判定0-2 (29-30,30-30,29-30)

第2試合 フライ級 2分3回戦
×森田晃光(士道館橋本)
○山下大輔(山木)
判定0-3 (29-30,29-30,29-30)

第1試合 ライト級 2分3回戦
×南雲裕一(士道館橋本)
○三田謙司(土浦)
1R 0'30" KO(パンチ)

(レポート&写真:井原芳徳)

Last Update : 01/21 15:08

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