BoutReview
記事検索 by google
news

[一撃] 武蔵、野地に辛勝/1.11 代々木大会 レポ&写真

SANKYO PRESENTS“一撃”
2002年1月11日(金)東京・代々木競技場第2体育館

主催 : K-NETWORK“一撃”実行委員会、日本テレビ放送網株式会社、株式会社ファーストウェーブ
観客動員 : 3,852人(満員)

レポート:高田敏洋  写真:井原芳徳

<テレビ放送>
日本テレビ 1月12日(土)深夜2:25〜3:20
BS日テレ(衛星放送) 1月20日(日)午後3:00〜5:00
GAORA(CS衛星放送) 2月24日(日)午後7:00〜9:45

第7試合 ヘビー級 3分5R
×野地竜太(極真会館)
○武蔵(正道会館)
判定0-2 (48-49,47-49,49-49)
(1R: 10-10,10-10,10-10 / 2R: 9-10,9-10,10-10 / 3R: 10-9,10-9,10-9 / 4R: 10-10,9-10,10-10 / 5R: 9-10,9-10,9-10)

 経験差をもろともせずR1から積極的に前に出る野地に対し、武蔵はステップを使っていなしながら、要所要所でカウンターを合わせる展開。特にカウンターの左膝(テンカオ)、左ミドルが前進してくる野地のボディを再三捉える。「左の蹴りが速くて、いいのもいくつか貰った。(野地)」「ウッて声が出て、効いてるな、という手応えはあったが、野地選手はハートが強かった。(武蔵)」しかし「K-1以外の場所、ということと、しばらくぶりの試合ということで、多少緊張してしまった」武蔵の攻撃も「一発狙いになり過ぎて」単発カウンターに留まる。

 このまま武蔵が巧さを活かしてポイント差を広げていくかと思われたが、R3に異変が起こる。ラウンド後半、相手をロープ際に押し込んだ野地が放った右フックが、武蔵の顔面を捉える。「一瞬目の前に光がとんだ」武蔵が、それまでのサバキとカウンター戦法を捨てて野地のラッシュに付き合う。野地の攻撃もいくつか武蔵にヒットし、場内はヒートアップ。特にラウンド終了直前に武蔵の右フックが空振りしたところに、合わせて繰り出した野地の右ストレートを浴びて一瞬武蔵の腰が沈み、このラウンドはジャッジ3名とも野地のラウンドに。

 その後のR4はR1〜2と同様の展開で一進一退。実直に前に出て攻撃し続けようとする野地を、経験と技術に優る武蔵がややトリッキーなステップでさばき、カウンターのテンカオ、ミドル、パンチを当てていく。武蔵に積極的な動きがあったのは最終R5。パンチのラッシュを顔面に集め、野地をロープ際に追い込む。が、野地も顔面を紅潮させながらも、ぐらつく気配すら見せない。この野地のファイティング・スピリットに場内からは「野地コール」も起こるが、試合は結局両者とも決定打を欠いたまま終了。判定ではテンカオ等を巧みに使って試合をコントロールし続けた武蔵に一日の長があった。

 いわばアウェイでの試合で「プレッシャーもあった」という武蔵は、そのプレッシャーの中で得た勝利に安堵した表情も見せながら、「もっと良い試合が出来たはず。セコンドやトレーナーは怒ってるだろう」と反省の弁も。一方野地は「まだ(極真の)世界大会まではちょっと時間もあるし、このルールをもう少しやってみたい。」K-1ジャパンの大会も視野に入れ、そこでの武蔵との再戦については「それはもう、もちろん」と力強い答え。「一杯勉強させてもらったんで、今日できなかったことを次回出せれば、違った展開になるかな、と。」

第6試合 ヘビー級 3分3R(延長2R)
○セルゲイ・プレカノフ(極真会館・ロシア)
×窪田豊彦(建武館)
1R 3'08" KO

 「ほとんどグローブの練習はやったことがなく、この試合のルールを聞いたときは驚いた」というプレカノフに対し、窪田はR1の開始と同時にパンチ・ラッシュと首相撲からの膝蹴りで短期決戦を仕掛ける。窪田の右ストレートでプレカノフ、ダウン。その後も再三パンチを浴びせ勝利目前かと思われた窪田だったが、しかしラウンド後半になると攻め疲れで一気にペース・ダウンしてしまう。ついにはラウンド終了直前にプレカノフの右後ろ蹴りをボディに受けてリング上に悶絶。ラウンド終了のゴング後もカウントは進み、そのままKOとなった。

第5試合 76kg契約 3分3R(延長2R)
×ギャリー・オニール(極真会館・オーストラリア)
○松本哉朗(新日本キック/藤本ジム)
1R 2'19" TKO(3ダウン)

 試合開始直後、後ろ回し蹴りから踵落とし。しかしオニールらしさが出たのはそこまでだった。直後に松本のパンチ・ラッシュを顔面に受けてバタリと前のめりに倒れる。立ち上がったものの、今度は首相撲からの膝蹴りを顎にもらって2度目のダウン。立ち上がった直後に駆け込んできた松本の跳び膝を再度顎に受け、敢えなく3度目のダウンを喫して敗れ去った。
「相手が極真ということより、自分が新日本キックのチャンプとして負けられない、という気持ちが強かった。(松本)」

第4試合 ボクシングマッチ 3分5R
○ジョージ・アリアス(キョクシン/アリアスジム・ブラジル)
×チャン・ブーン(ケビン バリーズ ボクシング・ニュージーランド)
1R 2'47" KO

 ブラジルの現役チャンプであるアリアスが、ブーンを終始圧倒。サイド・スタンスの構えから、相手のテンプルにストレートを数発叩き込み、足をもつれさせながらダウンしたブーンはそのまま立ち上がることなく10カウントを聞いた。

第3試合 73kg契約 3分3R(延長2R)
×ネステロフ・ヴィアチェスラブ(キョクシン・ロシア)
○中村高明(全日本キック/藤原ジム)
3R 判定0-2(28-30,29-29,27-30)
(1R: 9-10,9-10,9-10 / 2R: 9-10,10-9,9-10 / 3R: 10-10,10-10,9-10)

 ヴィアチェスラブがパンチを振るって積極的に出るが、身長で大きく上回る中村の方がむしろインサイドから軽いカウンターを当てて、このルールへの対応の差を見せる。だがヴィアチェスラブもパンチを出し続け、中村が押される場面も。終盤になると、中村がヴィアチェスラブに再三首相撲からの膝蹴りを仕掛け、0-2の辛勝。

第2試合 77kg契約 3分3R(延長2R)
×マルコス・コスタ(極真会館・ブラジル)
○重虎(Kネットワーク西日本)※阿部重男改め
3R 判定0-3(28-30,28-30,28-30)
(1R: 9-10,9-10,9-10 / 2R: 9-10,10-9,9-10 / 3R: 10-10,10-10,9-10)

 上背のある重虎が、プレッシャーをかけるようなモーションの大きい右ストレートを繰り返し出すが、ブラジルでフィリョらとグローブ=顔面パンチのトレーニングをしていたコスタはきちんとガードして顔面には当てさせない。両者3ラウンドにわたって打ち合いを演じたが、首相撲等で試合の主導権を握っていた重虎が判定では勝利を納めた。

第1試合 ヘビー級 3分3R(延長2R)
○マウリシオ・ダ・シルバ(キョクシン/TEAM TBC・ブラジル)
×百瀬竜徳(至誠館)
1R 0'59" KO

 R1開始と同時に空手の突きのラッシュを彷彿とさせる攻撃でシルバが一気に百瀬をコーナーに詰める。「何が何だか判らない内にマットに這っていた」という百瀬は、最初のダウンのダメージを回復する暇もなく、再度シルバの怒濤のラッシュに見舞われて2度目のダウン。そのまま10カウントまで立ち上がれずKO負け。

※極真会館所属選手は、世界大会ベスト8以上、世界ウェイト制大会ベスト4以上の選手のみ、所属を極真会館と表記している。

【本誌関連記事】
1月11日(金)代々木大会・概要&主要カード紹介
野地、武蔵戦に向け公開スパーリング(12/30)
武蔵×野地、きょう代々木で激突!(1/10)

Last Update : 01/12 15:25

[ Back (前の画面に戻る)]



TOPPAGE | NEWS | REPORT | CALENDAR | REVIEW | XX | EXpress | BBS | POLL | TOP10 | SHOP | STAFF

Copyright(c) 1997-2002 MuscleBrain's. All right reserved
BoutReviewに掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
著作権はマッスルブレインズに属します。

編集部メールアドレス: ed@boutreview.com