本気のペケーニョ、“あの技”でリベンジ&王座防衛/9.2修斗後楽園
SHOOTO TO THE TOP 2001年9月2日(日)後楽園ホール 主催:イーフォース・ジャパン
Report : Yoshinori IHARA (井原芳徳) Photo : Minako IIJIMA (飯島美奈子)
第7試合 ライト級チャンピオンシップ 5分3R ○アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ(ブラジル/ワールド・ファイト・センター/王者) ×勝田哲夫(SHOOTO GYM K'z FACTORY/1位) 2R 2'45" フロント・スリーパー・ホールド ※ ノゲイラが2度目のタイトル防衛
5月1日の後楽園大会では、ノンタイトル戦ながらもペケーニョ(ノゲイラの愛称)に判定勝ちをおさめた勝田。「次はベルトを巻いた本気のノゲイラと闘いたい」と試合後アピールしたが、本気のペケーニョがここまで強いとはどれほどの人が予想していただろうか...。
リングアナウンサーのコール中も一度も目を離さなかった両者。1Rはなんと一度もグラウンドの展開にならず、終始スタンドでの打撃戦が続く。勝田はパンチ、ペケーニョは組み付いての膝蹴りを有効に使う。
2R、勝田の左右のフックに後退する場面が増えてきたペケーニョは、打撃で突進して勝田をロープに押し込み、テイクダウン。インサイドガードとなるが、まもなく立ち上がり、その際に勝田が片足タックルで飛び込む。しかしこれはペケーニョの罠だった。一瞬の隙を突き、ついに必殺ギロチンチョークで勝田の首を捕らえる。前回はこの技に二度捕まりながらも脱出に成功した勝田だったが、今回は為す術無くタップするのみだった。
王座を守りリベンジにも成功したペケーニョは安堵の表情。「別の技で極めたかったけどたまたまそういう体勢になったからギロチンに行っただけ。なかなか攻められずハードな試合だった。今日に向けて一生懸命練習してきたけど、王座を守るためにもっと練習するよ」と語ったペケーニョは、12月16日(日) 東京ベイNKホール大会にも出場予定だという。
敗れた勝田はK'zの同僚に囲まれぼう然とした様子。控室に戻ってもペケーニョの凄さをルミナと語り合い、そのままインタビューになだれこむ。「あそこからギロチン来るとは思ってなかったんですよ。新しいの考えたんでしょうね。膝も打点が高い。顎に一発だけもらいました。パンチを下がって打つのもうまい。ギロチンの形に入ると難しいですね。タックル入って一瞬でも止まると、手が入ってきますからね。あそこで倒せればよかったんですけど...。今日の作戦はスタンドで押していって、相手がふらついた所を押して倒そうと思ってました。でもスタンドでの距離の取り方がうまかった。天性の物ですよ」。「もう一回闘いたいけど、他の人がやると思うし。確かに強かったけど、越えられない相手じゃないと思いますよ」。敗れはしたが悲壮感はなく、相手の技術を素直に認める勝田のさばさばした口調が印象的だった。
第6試合 フェザー級 5分3R ○秋本じん(SHOOTO GYM K'z FACTORY/1位) ×廣野剛康(和術慧舟會/5位) 判定3-0 (30-27,30-27,30-27)
30歳同士の対決だったが、秋本がグラウンドではスピードのある動きで廣野のバックを何度も取り、スタンドでもプレッシャーをかけ続け廣野にほとんど攻めさせないまま完勝した。廣野はこれで戦績8戦1勝4敗3分となってしまった。
第5試合 ライトヘビー級 5分3R ○山下志功(パレストラSAPPORO/8位) ×レオポルド・セラオン(ブラジル/クルービー・ジ・ルタ) 判定2-0(30-27,29-29,30-28)
セラオンはスピードのあるパンチ、高く上がる膝蹴り、ガードでの足の利かせ方が長所の選手だが、下になる場面が多く、3Rには山下の肩パンチの連打に苦しみ判定負け。山下がクラスA初戦を白星で飾った。
第4試合 ウェルター級 5分2R ○中山 巧(パレストラTOKYO/7位) ×ブルーノ・ケロイ(ブラジル/ワールド・ファイト・センター) 判定3-0(20-18,20-17,20-18)
インサイドガードからのパンチを打つ場面の多かった中山が判定勝ち。
第3試合 ライト級 5分2R ○井上和浩(インプレス/7位) ×フラビオ・ペローバ(ブラジル/ワールド・ファイト・センター) 判定3-0 (20-18,20-18,20-17)
テイクダウン、インサイドガードからのパンチで攻め続けた井上が判定勝ち。
第2試合 ライト級 5分2R ○阿部和也(パレストラTOKYO/8位) ×石川 真(PUREBRED大宮) 1R 0'29" TKO (レフェリーストップ)
第1試合に続く衝撃的なKO劇。軽い打ち合いの後、もっぱらボクシングのトレーニングに重点を置いているというアベカズが、右のロングフック一発で石川を沈めた。控室に戻ったアベカズは、「減量がきつかったせいもあって、今日は気持ちが高ぶってました」と涙顔で語っていた。
第1試合 ライト級 5分2R ○山本"KID"徳郁(PUREBRED大宮) ×門脇英基(和術慧舟會) 1R 4'02" TKO (レフェリーストップ)
間合いを取った両者が緊張度の高い打撃の攻防を見せる。門脇の3度のローブローにKIDは苦しみながらも、ローキックにあわせてタックルで倒すと、インサイドガードから門脇の顔面に右フック一撃。「白目をむいた(KID談)」門脇を見たレフェリーが、殴り続けようとしたKIDに割って入り試合は決着した。 2試合続けて衝撃的なKO劇を見せたKID。戦績を3戦3勝とし当日クラスA入りが決定した。なんとデビュー6ケ月のスピード昇格である。「上の人なら誰でも闘いたい」と語っており、タイトル戦線を盛り上げる日はそう遠くはなさそうだ。
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