PRIDE.15 レポート&写真:桜庭復帰戦飾る。ノゲイラ危なげなく勝利
PRIDE.15 7月29日(日)さいたまスーパーアリーナ 開場/14:00 開始/16:00 観衆:27,323人
第8試合 ○石澤常光(新日本プロレス) ×ハイアン・グレイシー(ブラジル) 1R 4'51" KO(ヒザ)
ハイアンの蹴りに合わせ石澤がタックルでテイクダウン。サイドポジションでハイアンをしっかり押さえ込み随所で右わき腹と頭部に膝を叩き込む。いったん石澤が立ちアリ猪木状態で膠着した後、レフェリーがハイアンを立たせスタンドで仕切り直しに。全く同じ展開が一巡した後、ハイアンが自らの蹴りでスリップ。すかさず石澤がタックルで飛び込み、サイドポジションからパンチを2発を顔面に打ち込んだところでハイアンが突然左腹部を押さえて悶絶。島田レフェリーがゴングを要請し試合が終わってしまった。ハイアンはスリップした時に腹部をひねった模様。不完全な決着ながらも石澤はコーナーポストによじ登り喜びの表情。マイクを握った石沢は「ひと言。ありがとう。それだけです」と言葉少なにリングを降りた。
第7試合 ○桜庭和志(高田道場) ×クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン(米国) 1R 5'41" スリーパーホールド
桜庭が4ケ月ぶりの復帰戦。大歓声の中、マスクやコスプレのギミックもなく、Tシャツ1枚で入場する。ゴングと同時にパンチで飛び込んできたジャクソンを桜庭は片足タックルでテイクダウン。ガードを取るジャクソンはしばらくして脱出。桜庭を股下から抱え上げ、桜庭が引き込みを狙った所をマットに叩き付ける。下から三角を狙う桜庭をさらに3度ほど叩き付ける。とにかくパワフルなジャクソンに対し桜庭は一瞬意識朦朧とした様子に。さらに下から腕ひしぎを狙う桜庭をジャクソンは持ち上げてトップロープの外に放り出そうとする。ようやく体勢が崩れてスタンドに戻り仕切り直し。桜庭は片足タックルからハーフガード、サイドポジションに移動しアームロックを狙う。力づくで脱出したジャクソンはバックを取りまたも投げを狙う。だが桜庭は落ち着いて足と腕の関節を狙いながらポジションを移動し、ついにジャクソンの背後にまわりこみスリーパー。予想外の難敵をようやく沈めた。 試合後、桜庭は「こないだベルトを取られてお腹が寂しかったので、もう1個作ってきたんです。これをまかせてもらいます」と自作の新ベルトを巻いた。
第6試合 ×ゲーリー・グッドリッジ(トリニダードトバコ) ○アントニオ・ホドリコ・“ミノタウロ”・ノゲイラ (ブラジル) 1R 2'37" 三角絞め
スタンドの間合の後ノゲイラがタックル。グッドリッジに切られて上を取られるが、足をうまく絡めてリバース。早くも柔術の高度なテクを見せ付ける。ハーフガードからパスした瞬間にグッドリッジに脱出されるが、すかさず引き込んで、振り落とされる剛腕を振り切り三角の体勢に。完全に締め上げられたグッドリッジはたまらずタップ。ノゲイラがPRIDE初戦を完ぺきな一本勝ちで飾った。 ノゲイラはマイクを持ちグッドリッジのセコンドのコールマンに対し「次のPRIDEで戦いたい。逃げないで待っていろ」とアピール。リングに上がったコールマンは負傷欠場を詫びた後、ノゲイラに「今日の戦いを見て素晴らしい選手とわかった。9月にぜひ戦おう」と返答した。
第5試合 ○ヒース・ヒーリング(米国) ×マーク・ケアー (米国) 2R 4'54" レフェリーストップ
開始早々ケァーがタックルで食らい付きバックを取る。下になったヒーリングだがアームロックでケァーを脅かす。ロックを外したケァーはハーフガードの体勢に。しばらくしてヒーリングはガードポジションに戻す。ケァーはパンチを落とすが、ヒーリングは下から細かく動きパスさせず。膠着状態のままラウンド終了。 2R、ヒーリングの膝蹴りにあわせケァーがタックルでテイクダウン。1Rと同じ体勢に。膠着状態に会場からブーイングが起こり始める。ケァーは一度ハーフガードになるが4分経過時点でレフェリーがブレイク。ヒーリングは待っていた展開とばかり手を叩いて喜びの様子。消極的とみなされたケァーには警告が与えられる。勢い付いたヒーリングは不用意にタックルに飛び込んだケァーの頭部にハイキックをクリーンヒット。もう一度蹴りを出したところにまた飛び込んできたケァーをかわし、亀になったケァーのサイドにまわりこみ横から膝蹴りを連打し勝利。ヒーリングの逆転勝利に大歓声が巻き起こった。 ヒーリングはこれでPRIDE5勝1敗。エリクソン、エンセンに続きケアーにも引導を渡した。
第4試合 ×佐竹雅昭(怪獣王国) ○イゴール・ボブチャンチン (ウクライナ) 3R 判定0-3
スタンドで距離を取りボブチャンチンがパンチ、佐竹はローで攻めの機会をうかがう。次第にボブチャンチンが組み付きコーナーに押し込むという展開が繰り返されるようになる。ついに2R中盤、ボブチャンチンがテイクダウンに成功。初めてグラウンドの展開に。ハーフからあっさりマウントに移行し重いパンチを打ち落とす。そのままゴング。3Rも間合いとコーナーでの差し合いが繰り返され、3分過ぎにボブチャンチンが佐竹を倒し再びマウントに。佐竹は腕をつかんで必死に防御するのみでそのまま試合終了。試合をリードし続けたボブチャンチンに軍配が上がった。
第3試合 ×松井大二郎(高田道場) ○エベンゼール・フォンテス・ブラガ (ブラジル) 3R 判定0-3
最近ではK-1で活躍するブラガがパンチと膝蹴りでラッシュ。松井はたまらずガードポジションに。互いにパンチを出すが、そのままのポジションで7分近く膠着。2Rも隙を突いてのパンチと蹴りでブラガが有利に。松井は何度も寝転び猪木アリ状態を作る。終盤松井のタックルを切ったブラガは頭部に膝を二発叩き込む。3Rも同様の展開で松井は最後までブラガのパターンを崩すことができなかった。
第2試合 ×大山峻護(フリー) ○ヴァリッジ・イズマイウ (ブラジル) 2R 4'44" 肩固め
序盤イズマイウのタックルをつかまえた大山が引き込んでのフロントネックロックでチャンス。だがまもなく外れてしまい大山はガードポジションに。イズマイウはパンチを叩き込んだ後、じわじわ体勢を崩しパスガードに成功。大山はなんとか脱出するがイズマイウは組み付いて離さずまたも大山はガードポジションを強いられる。パンチを落としながらパスの機会をうかがうイズマイウに大山は防戦一方。 2Rしつこくタックルで組み付くイズマイウを逃れ、大山はバックに。スリーパーのチャンスだったがイズマイウはすぐ脱出しまたも大山はガードポジションに。膠着の末イズマイウはハーフガードの体勢をとり、隙を逃さず肩固めに。大山は1分近く耐えたが、イズマイウがパスガードしさらに締め上げ、大山が失神したところでレフェリーがストップ。イズマイウがテクニシャンぶりを見せ付け復活をアピールした。
第1試合 ×ヴァレンタイン・オーフレイム(オランダ) ○アスエリオ・シウバ (ブラジル) 1R 2'47" ヒールホールド
アスエリオのセコンドには同僚のヴァンダレイが付く。開始早々タックルに来たアスエリオをオーフレイムが得意のフロントチョークにつかまえたが、アスエリオは脱出。下からの三角絞めでオーフレイムをおびやかす。だがそれが外れるとオーフレイムはパンチの連打。一端オーフレイムは立ち上がり寝転ぶアスエリオにローキックを放つ。するとアスエリオはその足をつかまえアキレス腱固めに。オーフレイムも必死に耐えるが、アスエリオがヒールホールドに移行したところでオーフレイムはタップ。アスエリオがチャンスを物にした。
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