[UFC 37.5] 6.22 ベガス (レポ&写真):リデル vs. ベウフォートは打撃戦に!(一部訂正)
UFC "UFC 37.5 Belfort vs Liddell" 2002年6月22日(土) 米国ネバダ州ラスベガス・ベラージオホテル&カジノ
Report : Nick McDonell , Yoshinori Ihara Photo : Nick McDonell
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<お詫びと訂正 (7/3)> リデル vs. ベウフォートのレポートの最後の部分で、「その後ティトがマイクを取って『フランク・シャムロックを片付けたら是非チャックと戦いたい』と話した。」と記述していましたが、フランクではなく正しくはケンでした。お詫びして訂正いたします。
▼今回のUFCは米国では初めてペイパービュー(PPV)ではなく無料で放送された。日本ではアンテナで地上波のテレビを受信するのが主流だが、米国ではケーブル回線を通してテレビを見るのが普通。UFCの放送されるFOX Sports Networkの「The Best Damn Sports Show Period」という番組は、ケーブルテレビの初期費用で見られる。FOXはいわゆる三大ネットワークに次ぐ新興勢力で、独自色の強いコンテンツで人気を博している。日本の放送局で言えばテレビ東京に近いかもしれない。地域によっては夜の8時台に放映されたという。 ズッファ社が赤字覚悟で無料放映に踏み切ったのは、UFCのイメージと知名度の向上が目的だ。米国の大衆の間では、昔の「UFC=残酷ショー」的なイメージが根強い。PPVの敷き居を取り払い、とにかく多くの人の目に触れてもらうことで、「UFC=スポーツ」というイメージを定着させたい考えだ。 6月25日の同番組ではウエルター級のローラー対バーガーと他の試合のハイライトが流れた。しかし、メインのリデル対ベウフォートだけは8月のPPV番組で放送される模様だ。日本ではWOWOWの無料放送の日の7月7日の午後5時から特別番組で放映されることが決まっている。(関連リンク:WOWOWウェブサイト内のUFC番組ページ) 会場の演出はいつものUFCとほとんど変わらなかった。ただ、放送する予定の試合の前に選手のビデオクリップを流し、リングアナのブルース・バッファーが満員の観客を盛り上げる点では、いつもより少し派手目の演出がなされたようだ。(井原芳徳)
メインイベント ライトヘビー級 3R ○チャック・リデル ×ビクトー・ベウフォート 判定3-0 (30-27,30-27,29-28)
会場の歓声はリデルに向けられたものの方が多いが、ブラジルからベウフォートを応援しに来たファンも多かった。一年ほど試合をしていないベウフォートは以前より少し太ったように見える。ゴングが鳴る直前、リデルの同僚のティト・オーティスがリングサイド近くの席から立ち上がって何かをを叫んだ。 序盤は両者ゆっくり回って様子見の展開。べウフォートが両足タックルでリデルを倒し上になるが、リデルはケージをうまく利用して立ち上がる。立ったままリデルはベウフォートをケージに押し、ベウフォートの脇へパンチや足へ膝蹴りを繰り出す。離れるとべウフォートがハイキック。リデルは手でガードし、的確なローを数発お返しする。 2Rも1R終盤と同じような打撃戦。リデルはローだけでなく珍しく後ろ回し蹴りも見せる。中盤、べウフォートが得意技の左フックをリデルのアゴにクリーンヒットさせる。だがリデルも少し下がってしっかりディフェンスし、ピンチを凌ぎきる。
最終ラウンド。べウフォートがこれまで同様ハイキックを放つがリデルは防御。後半になると両者の決着を望むファンの声援のボルテージが上がる。選手もそれに押されるかのように激しいパンチ合戦を繰り広げる。だがパンチ合戦になればプロボクサーでもあるリデルが一枚上手。リデルの右フックがベウフォートのアゴを捕らえ、ベウフォートはマットに倒れる。猪木アリ状態となり、リデルは仰向けのベウフォートの足を蹴る。さらにベウフォートのインサイドガードからパンチを打ち下し、そのまま試合終了。リデルは立ち上がると両手を上げ、勝利を確信した様子だった。 リデルの判定勝ちが発表されると、リング上でリデルへのインタビューが始まる。「もちろんタイトルは欲しいよ。ティトは仲間なので複雑な気持ちだけど、リングに上がる時はビジネス。その時になれば一生懸命戦うさ。試合が終わったらまた友達に戻るよ」 その後ティトがマイクを取って「ケン・シャムロックを片付けたら是非チャックと戦いたい」と話した。
第5試合 ウェルター級 3R ○ベンジー・ラダッチ(Benji Radach) ×ニック・セラ(Nick Serra) 判定3-0 (30-27,29-27,30-27)
ラダッチは前回UFC37でスティーブ・バーガーに勝利したが、試合中反則をしていたためノーコンテスト扱いとなっていた(→関連記事)。今回の相手は強豪・マット・セラの弟ニック。ニックは1R、ラダッチの足関節を狙う場面があったが、ラダッチが上になって重いパンチを落とす。2Rこそニックが上になったが結局何もできず。3Rもラダッチが押し気味に試合を進め、判定ながら正真正銘の勝ち星を手に入れた。
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