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[修斗] 4.21 北沢 (レポ&写真):川尻、GRABAKA山崎に完勝

SHOOTO GYM K'z FACTORY
"WANNA SHOOTO JAPAN 2002"

2002年4月21日(日)東京・北沢タウンホール

レポート:石動龍  写真:飯島美奈子


第7試合 ウェルター級 5分2R
×山崎 剛(日本/TEAM GRABAKA/9位)
○川尻達也(日本/総合格闘技TOPS)
判定 0-3(18-20,18-20,18-20)

 1月の後楽園大会で組まれていたが山崎の負傷により延期になった一戦。新人王トーナメント本命の川尻と、クラスAの実力を示したい山崎。有力株同士の対戦のため、強豪揃いのウェルター級の未来を占う試合といえる。

「膝の負傷後は持ち味の粘りがでない」と試合後に語ったとおり、山崎のタックルからは前回の杉江戦のようなしぶとさが見られない。川尻はあっさりタックルを切ると上から迫力充分のパンチを浴びせる。一発ヒットするごとに山崎の動きが鈍っていくが、山崎もあきらめずに下から技を仕掛けようとする。

 だが2Rになっても流れは変わらない。川尻は一瞬上を取られたがすぐに立ち上がってテイクダウンし返す。上を取った後はまたもパンチの集中砲火で、山崎に付け入るスキを与えない。川尻が攻め続けたまま試合は終了。一本決着にこそならなかったが、川尻のパワーが山崎のうまさを封じ込めた10分間だった。
「中山さんのように試合をたくさんこなして、今年の秋か年末に再戦したい」
 ランカーの中山巧へのリベンジと新人王トーナメント優勝。二つの大きな目標に向けて川尻は突き進む。この一年を乗り切ったとき、川尻はより大きく、よりパワフルな存在となっていることだろう。(川尻は4月23日付けでクラスAに昇格した)

◆川尻のコメント
「本当は1Rでパンチでダメージを与えて、2Rで関節極めようと思ってたんですけど、2Rもパンチしか出せませんでしたね。寝技以外は自分の方が確実に上回ってると思っていたんで、下からの関節技を気をつけてれば大丈夫かなと思っていたんですけど…。予想以上に(山崎が)手首をつかんできたりして怖かったんで、あんまり動けませんでしたね。
(今後は?)一番やりたい選手は一度負けている中山選手です。彼のように連戦して上にあがって、今年の秋か年末に再戦したいですね。前回の対戦でみっともない所をみせられてしまったので、プロとして戦わなくちゃいけないですね」

◆山崎のコメント
「試合前は打撃からテイクダウンに持ち込んで、上から寝技を展開していくつもりだったんですけど、寝技に行きたい気持ちが出すぎましたね。1Rで思うような展開できなかったので、冷静になれず、焦ってタックルに行き過ぎました。1Rは、相手が上になって掴んで来るのを離せないまま終わってしまって。2Rは、コーナー際で足が出てしまったところで、もっと粘らなければいけなかったのに、途切れてしまいました。
 膝の故障で思うように打撃の練習ができなかったんですが、自分の方が当たっている感じはありました。ただ、そこから前に出て、つめていくことを練習しないといけないと思いました。(膝は完治してない?)それは理由じゃないと思うし、今日も自分では調子が良かったと思ってます。

(今回、プロ修斗公式戦では初黒星ですが?)修斗で言えばアマチュアトーナメント以来なんで、久しぶりですね…。悔しいです。いつも負けないつもりでやってるので、どんな試合でも負けるのは悔しいです。やるからには勝ちたいですから…。
(今後の課題は?)膝を悪くしてから、自分の売りだったテイクダウンからのつなぎの粘りが無くなって、力の出し方とかが自分の予想通りにはいかなくなったので、それを取り戻したいです。あと、打撃にもっと自信をつけたいです。出稽古でも、打撃に手ごたえはあるんですけど、自信が足りないので、もっと自信をもって、全体的な流れに結びつけていこうと思います。今までの試合でも、打撃は課題と言われて来たけど、自分が打撃で押し込まれるということもなかったと思うので、これからは、逆に自分のものにして、試合を進めて行きたいです。
(『年内にタイトルに挑戦したい』ということから遠のいてしまったと思うが?)やるからにはトップを目指してやってるんで、これからもその目標は変わらないです。今日は負けてしまったんですけど、これからも、チャンスは絶対出てくると思います。これで終わりじゃないと思うし、上は目指せると思ってます。今日は、課題もたくさん出たけど、チャンスが全く無かったわけではなくて、それを取り逃しただけだと思うので、それをしっかりつかんでいって、上を目指したいです。今日は、川尻選手の気持ちに押されてしまったところもあると思います。決められはしないけど、上手く攻められないという現状を、これから自分なりに改善していきたいと思います。」

第6試合 フェザー級 5分2R
○塩沢正人(日本/和術慧舟會)
×木部 亮(日本/ALIVE)
判定 3-0 (20-19,20-18,20-18)

 KIDとのデビュー対決で接戦を演じた塩澤が一年ぶりに登場。フェザー級に転向して再出発をはかる。序盤こそ動きが固かったものの、塩澤は下になってはスイープ成功、1R終了間際には腕十字を極めかけるなど寝業師ぶりを発揮する。結局2R終盤にアームロックを狙われた以外は木部にチャンスらしいチャンスを与えず、復帰戦を嬉しい白星で飾った。

◆塩沢のコメント
「気持ちの面で守ってしまいました。技を仕掛けても無心で極めにいけず、どこかで温存してしまう所があったので、一本取れるという感触は無かったです。1R最後の腕十字にしても、相手に隙ができたので取れたんですけど、入りが不完全だったのにそこから攻め切れませんでした。
(今日の試合を採点すると?)30点ぐらいです…。(前回の試合から期間が開いてしまいましたが?)特に理由は無いです。今日の試合を含めて、まだ2戦しかしていないので、早く次の試合をやらせてもらいたいです。(今後の目標は?)たくさん試合をやりたいです。今日の試合は積極的に仕掛けているようでいて迷っていたので、もっと自分に厳しくして、勝っても負けても自分が納得できるような試合をしていきたいです。」

第5試合 ライト級 5分2R
○門脇英基(日本/和術慧舟會)
×宮本直哉(日本/ナックル・ジム)
1R 2'12" スリーパーホールド

 2000年のアマチュア東日本オープントーナメントを制し、プロデビューした両者。ライト級を宮本が制し、門脇がウェルター級を制している。
 差し合いから門脇がボディーへのヒザを連打し、嫌がった宮本が顔を上げると顔面へヒザを叩き込んでダウンを奪う。ダメージの残る宮本はグラウンドに活路を見出そうとするが、中途半端なタックルを仕掛けたところを門脇に捕まってしまい、門脇がアマチュア時代から見せていたサイドからのスリーパーホールドで一本を奪った。

◆門脇のコメント
「相手の踏み込みに合わせてミドルを狙っていたので、膝への攻撃はそのうちの一つです。久々に自分の得意技のスリーパーホールドで勝ててよかったです。(打撃で行こうと考えていた?)相手がスタンドならスタンド、グラウンドならグラウンドと、相手に合わせて試合を展開するのが自分のスタイルなので、結果的にそうなりました。(相手の印象は?)アマチュアの時から一つ下の階級でトーナメントを勝ち進んでいた選手だということは知っていたし、強い相手だと思っていたので、今日の勝利で自信がつきました。
(今後の目標は?)前回の山本(KID)戦で負傷してしまったので、これからは怪我をしないことを第一に考えて、コンスタントに試合をしていきたいです。あとは、今やっている新人王トーナメント戦で勝ち進んで、いち早くランク上位の人と試合をやらせてもらいたいです。(試合をしたい選手は?)ランカーの人なら誰でもいいです。相手にしてもらえるなら誰でも」

第4試合 ウェルター級 5分2R
○椎木 努(日本/直心会格闘技道場)
×溝口直右(日本/誠流会)
2R 0'53" KO ※右フック

 1Rはタックルで上になった椎木がパンチを落として溝口を苦しめる。2Rに入ると溝口が左右のフックで椎木を追い込み、さらに勢いあまって椎木をリング外に押し出してしまいブレイク。再開後も溝口がラッシュを仕掛けるが、打ち合いに応じた椎木の右フックが溝口のあごを打ち抜く。崩れ落ちた溝口はうつろな目でレフリーをみつめるが、立ち上がることができずにカウントアウト。椎木が豪快なKO勝ち。

第3試合 ライト級 5分2R
○風田 陣(日本/ピロクテテス新潟)
×菅谷 Gatch 正徳(日本/直心会格闘技道場)
1R 1'11" KO ※レバーへの膝
※菅谷に左フックでダウン1あり

 昨年の全日本アマチュア選手権・ライト級の再戦。前回は菅谷が試合中に腰を痛めたこともあり、風田が判定で勝利している。
 ゴングと同時に菅谷がタックルで突っ込むが、風田は腰の強さを見せて逆に菅谷をコーナーに詰める。さらに体を放して右アッパーから左フックのコンビネーションで菅谷のあごを打ち抜き、ダウンを奪う。なんとか菅谷はカウント8で立ち上がると打撃戦を避けて組み付くが、風田は首相撲から菅谷のレバーにヒザを突き刺す。崩れ落ちた菅谷が悶絶するなか10カウントが数えられ、風田が鮮やかなKO勝利を収めた。
 修斗ルールに慣れ、元MAキックランカーの実力を発揮し始めた風田は要注目だろう。

第2試合 バンタム級 5分2R
×赤崎勝久(日本/SHOOTO GYM K'z FACTORY)
○塙 真一(日本/和術慧舟會千葉支部)
1R 失格 ※グラウンド状態の相手へのキックで塙が試合続行不能となったため

 連敗中の赤崎が押し気味に試合を進める。打撃、テイクダウンで優位に立つが、勢いあまってヒザ立ちの塙の顔面にヒザを当ててしまう。倒れこんだ塙は続行不能と診断
され、赤崎は失格によって10連敗となってしまった。
 修斗コミッションは4月27日、赤崎を厳重注意処分とし、試合当日より180日間(10月17日まで)のサスペンド(出場停止)とした。赤崎は昨年3月21日にも同反則で失格負け、本年1月25日には同反則で減点を科せられていた。

第1試合 02年度新人王トーナメント フェザー級1回戦 5分2R
○喜多浩樹(日本/パレストラTOKYO)
×加納 学(日本/相補体術)
判定 3-0(20-19,20-18,20-19)

 開始直後に加納の左フックが喜多をぐらつかせるが、その後は喜多がテイクダウンを奪って攻める。上からパンチを落としてダメージを与え、加納の反撃を許さない。経験に勝る喜多がデビュー戦の加納を退けた。

Last Update : 05/21

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