[修斗] 桜井隆多、クロマドの弟子とドロー/3.13 北沢 (レポート&写真)
プロフェッショナル修斗公式戦 "TREASURE HUNT" 2002年3月13日(水)東京/北沢タウンホール 主催 : SHOOTO GYM K'z FACTORY
レポート:岩城健太郎,井原芳徳 写真:井原芳徳
(→02年度新人王トーナメントについて)
第1試合 02年度新人王トーナメント ミドル級1回戦 5分2R
○弘中邦佳(日本/SSSアカデミー)
×中山 徹(日本/インプレス)
1R 3'10" 三角絞め
デビュー戦で大河内貴之相手に完勝した弘中の注目の第2戦。対する中山はレスリング出身だけあり片足タックルであっさり弘中をテイクダウンに成功する。だがガードポジションを取った弘中は再三に渡り三角絞めを狙い続ける。何度か凌いだ中山だったが遂にがっちりと捕まってしまった。勝った弘中は余裕のコマネチポーズ。弘中の将来性が感じられた一戦だった。
第2試合 02年度新人王トーナメント ウェルター級1回戦 5分2R
○川尻達也(日本/総合格闘技TOPS)
×滝田J太郎(日本/和術慧舟會)
2R 1'22" TKO(ドクターストップ)※滝田の左目負傷による
デビュー戦の滝田に対し川尻が強烈なパンチで攻める。1R終盤、テイクダウンに失敗し体勢の崩れた滝田のバックを川尻が取り、おんぶの状態でパンチを連打。スリーパーを狙うがこれは倒される。
2Rのパンチ合戦も川尻が主導権を握る。滝田は時折カウンターを当てるが、次第に不利な展開となる。滝田はタックルで打開をはかるが、川尻はこれを切る。サイドを制した川尻は強烈なパンチを滝田の顔面に叩き込む。滝田は鼻血を出し左目も青く腫れ上がり、ドクターチェックが入る。滝田の「花粉症なんで」というとっさの弁明に客席が爆笑に包まれたが、当然聞き入れられることもなく、ドクターストップがかかった。
第3試合 ウェルター級 5分2R
×松本光央(日本/WILD PHOENIX)
○朴 光哲(日本/SHOOTO GYM K'z FACTORY)
判定0-3 (18-20,18-20,18-20)
1R、スタンドの間合いと差し合いの展開が交互に繰り返される。差し合いでは9センチ身長で勝る朴が膝蹴りを連打する。
2R、松本はタックルに行くが、朴はこれを返してサイドポジションを取り、パンチを連打する。この後朴が立ち上がって猪木アリ状態から強烈なローを放つ。再びスタンドの状態になるが朴が膝蹴りを有効に使い試合を優位に進め、勝利を物にした。朴はこれでデビュー以来3連勝。
第4試合 バンタム級 5分2R
○漆谷康宏(日本/RJWセントラル)
×五木田 勝(日本/KIGUCHI WORKOUT STUDIO)
判定3-0 (20-19,20-18,20-18)
1R、スタンドでの打撃の攻防が続く。漆谷のパンチが五木田の顔面を時折捕らえる。
2R、五木田はタックルに行きテイクダウンを奪うが、漆谷はスイープして再びスタンドの状態に戻る。漆谷のミドルレンジからのパンチが有効に五木田の顔面を捕らえ始める。漆谷はタックルに失敗した五木田を捕まえパンチを連打。そのままテイクダウンしインサイドガードからもパンチを打ち続ける。最後はスタンドに戻ったが、五木田に反撃の時間は残されていなかった。
五木田はスタンドでの打撃に課題を残す結果となった。一方の漆谷はこれで3連勝。クラスA入りの日もそう遠くはないだろう。
第5試合 バンタム級 5分2R
×廣野剛康(日本/和術慧舟會)
○久保山 誉(日本/SHOOTO GYM K'z FACTORY)
判定1-2 (18-20,19-20,20-19)
1R、スタンドの攻防と差し合いの展開が交互に続く中、久保山は時折強烈なローキックを放つ。久保山は勢いをつけた膝蹴りからタックルに行き、テイクダウンを奪う。だが廣野は守りに入ることなく、ガードポジションから三角絞めの体勢に入る。廣野は久保山の頭にパンチを連打し、三角絞めの形を整えようとする。しかしなかなか完全な極めの体勢に入ることができず、三角が崩れた所で1R終了のゴング。
2R、久保山のローキックに合わせて廣野がタックル、テイクダウンを奪う。久保山は三角絞めを狙うが、廣野は持ち前の腰の強さを発揮し、久保山を持ち上げて外す。この後は廣野が寝転んでの猪木アリ状態が何度か繰り返され、お互い特に決め手が無いまま試合終了のゴング。
ドローか廣野の勝ちかという会場のムードだったが、判定は鈴木レフェリーだけが廣野を評価し、他のジャッジ2人が久保山を評価したため、久保山の勝利に。久保山はこれで4連勝。内容はともかくクラスAの廣野を破ったことで、クラスA昇格の可能性が高くなった。
第6試合 ライトヘビー級 5分2R
△桜井隆多(日本/総合格闘技TOPS)
△マルセロ・ピッチブル(ブラジル/RFT)
判定1-0 (20-19,19-19,19-19)
今回の桜井の対戦相手は修斗初参戦のマルセロ・ピッチブル。宇野薫を沈めたこともあるマーシオ・クロマドの1番弟子である。
1R開始早々、桜井のカウンター気味の左フックが炸裂し、マルセロはダウンを奪われる。すぐに立ち上がるが足元はふらついている。勝負あったかと思われたが、ここからマルセロは粘りを見せる。マルセロはテイクダウンに成功し、ガードポジションを取る桜井に対し強烈なパンチを叩き込む。桜井は体勢を入れ替えようと試みるが圧力に押され、この状態のまま1R終了のゴング。
2R、桜井の左ミドルに合わせてマルセロはタックルに行きテイクダウンを奪う。桜井は時折顔面にパンチを浴びながら、隙を見てアームロックを狙う。一瞬マルセロの腕が伸び、マルセロは苦痛の表情を浮かべるがこれを力で脱出する。さらに桜井は三角絞めを狙うがこれも極まらず、2R終了のゴング。
試合終了後「練習不足だった」とうなだれる桜井に対し、初参戦のプレッシャーから開放されたためか、マルセロは師匠のマーシオ・クロマドと抱き合い涙を流していた。その後も終始ご機嫌で「試合結果には満足している、桜井のパンチは強かった」と話していた。
◆桜井のコメント
「(ドローの裁定については?)うーん、しょうがないですね。自分がダウンさせたのはいいけど、下になってたんで。あれでスイープしてたら印象違ってたと思うんですけどね。最初のダウンでやれなかったのが反省点ですね。(アームロックの感触は?)汗で滑って。やっぱまだ極めが甘いですね。(相手のパワーは?)それなりに圧力はあったんですけど、ほんと自分の練習不足ってのが出ちゃったんで。反省ばっかりです」
Last Update : 03/14
|