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[修斗] ウェルター級八隅、復帰戦は白星/1.25北沢 (写真追加!)

プロフェッショナル修斗公式戦 TREASURE HUNT 02
2002年1月25日(金)東京・北沢タウンホール
主催:SHOOTO GYM K'z FACTORY

レポート:石動龍(第2試合のみ井原芳徳) 写真:飯島美奈子

第7試合 ウェルター級 5分3R
○八隅孝平(日本/パレストラTOKYO)
×ヘンリー・マタモロス(アメリカ/ペドロ・ソーヤー柔術)
判定3-0 (27-30,27-30,27-30)

 体調不良で長期欠場を余儀なくされていた八隅が、昨年3月以来久々に復帰。対するヘンリーは八隅と同門である中山巧と昨年11月に対戦しており、その時は脇腹の負傷によるTKOで敗れている。八隅は「欠場中は打撃ばかり練習していた」と語ったとおり、開始から鋭い打撃を繰り出す。組み付いては豪快に投げ飛ばし、グラウンドでも拳を落とすなど、激しい攻めでヘンリーを圧倒する。欠場明けのためスタミナ不足が心配された八隅だが、3Rに入っても勢いは衰えない。結局試合を通して守りの場面はほとんどなく、大差の判定勝ちを収めた。充実のウェルター級にまた1人強豪が現れ、今後のランカー、クラスA同士の対戦は一層ヒートアップしそうだ。五味、三島を中心として長く激しい争いが続いていくだろう。

八隅のコメント「(復帰戦の感想は)思ったより緊張しませんでしたね。スタミナも大丈夫でしたし。休養中は打撃の練習ばかりしていました。打撃をやるのがおもしろくて。2Rに一度極めるチャンスがあったんですが逃げられてしまい、ここで極めれるのが一流選手だなぁ、と思いました。あとは打撃のプレッシャーに負けないこと。それがあれば自分は最強の選手になれると思います。(昨年12月の)NKホールの三島選手の試合を見てすごい強さだと思ったんで、今年とは言わないですけどあのレベル、いや、もっともっと強くなりたいですね。」

マタモロスのコメント「まさか負けるとは。個人的な話だが実は最近離婚してそのことがショックで...。まあ、勝つときもあれば負ける時もあるよ。今後は(マット・ヒューム率いる)AMCパンクレーションで練習して、特に試合の組立て方を勉強しないとね。(中山と八隅を比較すると?)八隅のほうが体力は上。中山のほうがテクニカルで、特にスタンドの技術が優れている。八隅は強いレスラーだけれど倒してからの戦術が無いね。(中山戦で負傷したろっ骨は?)もう大丈夫だ。(今後の試合の予定は?)今のところないけど、次回こそ今回とは違う自分を見せるよ。(初めて日本に来たことで緊張した?)いや。また日本に来たい。ルミナや宇野をやっつけたいね」

第6試合 ウェルター級 5分2R
×松本光央(日本/WILD PHOENIX)
○大河内貴之(日本/パレストラTOKYO)
判定0-3 (17-20,17-20,18-20)
※1Rローブローで松本に減点1あり

 開始早々の松本のローブローで大河内のファールカップが破損。交換のため試合が5分以上中断される。仕切り直しの後は打撃、テイクダウンで大河内が優勢に試合を進めるが、2R中盤にまたしても松本がローブロー。一時は怒りをあらわにした大河内だが、集中力を途切れさせることなくその後も攻め続け、ウェルター級転向初戦を白星で飾った。

第5試合 2002年度新人王トーナメント バンタム級1回戦 5分2R
×石井俊光(日本/タイガー・プレイス)
○生駒純司(日本/直心会格闘技道場)
1R 2'35" アームロック
※生駒が2回戦進出

 石井が片足タックルでコーナーに詰めるが、生駒は石井の腕をしっかり捕らえる。テイクダウンを狙って飛行機投げを仕掛ける石井だが、その間に生駒はアームロックの体勢に入る。石井は回転して逃れようとするが生駒はがっちり極めて離さず、最後はレフェリーが試合を止めた。

第4試合 ウェルター級 5分2R
×飛田拓人(日本/インプレス)
○朴 光哲(日本/SHOOTO GYM K'z FACTORY)
判定0-3 (18-20,18-20,17-20)

 朴がスタンド、グラウンド共に迫力のあるパンチ、そしてコーナーに詰めての細かい打撃、猪木アリ状態からはジャンピングフットスタンプと大技小技で終始攻め続け、判定ながらも圧勝。

第3試合 2002年度新人王トーナメント ライト級1回戦 5分2R
△田村彰敏(日本/格闘結社田中塾)
△風田 陣(日本/ピロクテテス新潟)
判定1-0 (19-19,19-18,19-19)
※2Rローブローで風田に減点1あり
※ドローだがポイント有利のため、田村が2回戦進出

 元MAキックのランカーである風田に対して田村は真っ向から打ち合いを挑む。積極的に前に出るが風田もカウンターを合わせ、白熱の打撃戦になる。総合のリングで見るものとは明らかに違う強烈なローキックを効かせ、風田が優勢に試合を進める。だが、2R中盤に差し合いから田村の急所に膝を入れてしまい痛恨の減点。結局これが判定に響いてドローとなり、新人王トーナメントの2回戦へはジャッジ1人の支持を得た田村が進むこととなった。

第2試合 バンタム級 5分2R
×赤崎勝久(日本/SHOOTO GYM K'z FACTORY)
○阿部マサトシ(日本/AACC)
判定0-3 (18-19,18-20,19-18)
※2Rグラウンド状態の相手への顔面蹴りで、赤崎に減点1あり

 ライト級ランカー阿部裕幸の弟、マサトシが待望のプロデビュー。所属ジムなどから50人以上の大応援団が集結し、修斗北沢大会史上最大といっていいぐらいの声援が巻き起こる。マサトシはコーナーでの差し合いから、得意技の反り投げを繰り出すが、赤碕はうまく回転し有利なポジションを取る。1R終盤には赤碕が足関を極めそうになる。マサトシはなかなか思い通りの展開に持ち込めない。2R、グラウンド状態で赤碕が下からマサトシの顔面を蹴り注意1。その後マサトシはテイクダウン→マウントポジション取りに成功。終盤の赤碕の足関狙いもしのぎ、僅差ながら判定勝ちをおさめた。マサトシは安堵の表情で「次は判定じゃなく一本勝ちできるようにしたいですね」と語っていた。

第1試合 ミドル級 5分2R
×福本洋一(日本/和術慧舟會)
○菊地 昭(日本/SHOOTO GYM K'z FACTORY)
1R 3'18" 腕ひしぎ十字固め  

 大会名の「TREASURE HUNT(宝探し)」にふさわしい、アマチュア王者同士のデビュー対決。菊地は柔道をベースとし、昨年度アマチュア修斗のトーナメント3大会で優勝、カンペオナートでも青帯メジオ級でパンクラスの北岡悟を破って優勝するなど、アマチュア時代から大きな実績を残している選手だ。福本はコンテンダーズにも出場経験のある選手。
 試合の方は開始早々に菊地がタックルでテイクダウンし、あっさりとパスガードに成功。反転して逃れようとする福本だが菊地は落ち着いた動きでポジションをキープ、さらにマウントを奪って腕十字。試合後に「デビュー戦なので緊張した」と語った菊地だが、全くそれを感じさせない試合運びで1本勝ちを収めた。早くも大物感の漂う23歳が、今後のミドル級戦線の台風の目となるかもしれない。


 今回もハイレベルな試合の続いた北沢タウンホール大会。まだ訪れたことがない読者の方も機会があればぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。大会名の通り、宝捜しが堪能できる。もしかすると未来のチャンピオンがのし上がっていく様を、リアルタイムで見ることができるかもしれない。

(※BoutReview編集部からのお詫び:第1試合の写真が編集部の不手際により撮影できませんでした。読者ならびに関係者の皆様にお詫び申し上げます)

Last Update : 03/08

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