[修斗] 淡路島の星・須田、ライトヘビー級王者に/1.12 後楽園 (レポ&写真)
プロフェッショナル修斗公式戦 2002年1月12日(土)東京・後楽園ホール 開場 : 17:00 開始 : 18:00 主催:サステイン
レポート・石動龍 写真・井原芳徳
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第1試合 ウェルター級 5分2R ×倉持昌和(日本/無所属) ○石田光洋(日本/総合格闘技TOPS) 判定0-3 (18-20,19-20,17-20)
1Rにフロントチョークでキャッチを奪い、その後もテイクダウンして上を取った石田が判定勝ち。ロープ際での差し合いに試合時間の多くが費やされた。
第2試合 バンタム級 5分2R ○廣野剛康(日本/和術慧舟會) ×端 智弘(日本/PUREBRED大宮) 判定2-0 (20-19,20-18,19-19)
元フェザー級ランカー廣野がベストウェイトに近いバンタム級に落としての参戦。 1Rは差し合ってのせめぎ合いが続く。2R開始早々に端のキックに廣野がタックルを合わせテイクダウンに成功。しばらく攻めあぐねるも、ラウンド終盤素早い動きでパスガードするとバックに回ってスリーパー、パンチの連打と猛攻を仕掛け、さらに腕十字の体勢に入ったところで試合終了。廣野は実に二年ぶりとなるうれしい勝ち星を得た。
第3試合 フェザー級 5分2R ○松根良太(日本/パレストラMATSUDO/7位) ×高橋大児(日本/SHOOTO GYM K'z FACTORY) 判定3-0 (20-18,20-18,20-18)
昨年10月の対戦で松根が勝利を収めたものの、「松根がロープをつかんで高橋に倒されるのを防いだ」とのクレームが高橋サイドから付き、再戦となった因縁の試合。前回は僅差の判定で勝敗が分かれたが、今回は松根が完勝。1Rは首投げできれいにテイクダウンして上をキープ、2Rは高橋のタックルを切ってバックに回るなどポジショニングで優位に立ち、高橋の攻めを完封した。
第4試合 ライトヘビー級 5分3R ○竹内 出(日本/SHOOTO GYM K'z FACTORY/7位) ×ロナルド・ジューン(アメリカ/808ファイト・ファクトリー/4位) 判定2-0 (30-28,29-28,29-29)
竹内がテイクダウンに成功するがジューンの下からのパンチに手を焼き、なかなかパスガードができない。逆にジューンに倒される場面もあったが、スキをついてのリバーサル、ヒールホールドなどで反撃し、決定打を許さない。結果は上を制した時間の長かった竹内が僅差ながら判定勝ち。
竹内コメント 「やろうとしたことはやれましたけど下になったことは課題です。相手はパワーがあったしコントロールもうまかったです。試合内容がショボいんでもっとはっきりした形で勝ちたいですね」
セミファイナル フェザー級 5分3R ×吉岡広明(日本/パレストラTOKYO/2位) ○池田久雄(日本/PUREBRED大宮/3位) 判定3-0 (30-28,30-27,30-28)
ランキング2位と3位による、今後のフェザー級戦線を占う注目の一戦。「警戒心がお互い強すぎて前に出れなかった」と試合後に池田が語ったように、開始からスタンドでのにらみ合いが続く。時折打撃は交錯するものの2R終盤になっても大きな動きはなく、そのままラウンドが終了すると思われたが、ゴング数秒前に池田の鋭い左フックが吉岡のあごを打ち抜く。腰から崩れた吉岡だがなんとか組み付いてダウンをまぬがれ、勝負は最終ラウンドへ。池田は挽回を狙う吉岡の寝技に付き合わず、猪木・アリ状態からローキックを打っていく。終盤吉岡は打撃のラッシュをかけ、何発かが池田の顔面を捕らえるも逆転には至らず。サバイバルマッチを池田が制し、王者・大石への挑戦に名乗りを上げた。
池田コメント 「次はもっと積極的に前に出たいですね。膠着してしまったんでその辺が課題です。(スタンドでのにらみ合いが続いたのは)吉岡選手の得意な寝技のパターンに付き合いたくなかったんで。全く寝技をやらないつもりではなかったんですけど。(フェザー級戦線について)少し減量が大変だけど、ライト級よりも今の階級のほうが自分には合ってると思います。ランキング1位の秋元選手はしばらく試合ができないようなので、もし自分が1位になったらタイトルに挑戦するチャンスが欲しいです。チャンピオン(大石)も素晴らしいチャンピオンですし、自分も全力でやるのでよろしくお願いします」
メインイベント ライトヘビー級チャンピオン決定戦 5分3R ×ランス・ギブソン(カナダ/ギブソン・パンクレイション/1位) ○須田匡昇(日本/クラブJ/2位) 判定0-3 (28-29,28-29,27-29) ※須田がライトヘビー級王者に
一昨年7月にも対戦している両者。前回はギブソンの判定勝ちに終わっているため須田にとっては二度目のタイトルマッチであると共に、リベンジ戦でもある。 試合は開始からロープ際で差し合い、肩パンチ、ボディーへの膝など、細かい打撃の応酬が続く。2Rになっても同様の展開が続くが、中盤に須田の豪快な首投げが炸裂。袈裟固めからそのまま腕ひしぎ足固めの体勢に入り、後楽園ホールが大歓声に包まれる。完全に極まったかに見えたが、ギブソンは並外れたパワーと、顔に押し付けた手がそのまま目に入る「細かい反則(須田談)」で何とか脱出に成功。3Rも差し合いで膠着するが、3分過ぎに勝負をかけたギブソンが怒涛のラッシュ。須田はリングから何度か落ちそうになる。危ない場面の続いた須田だが声援に後押しされて何とか凌ぎきり試合終了。ゴングと同時に両者がガッツポーズを見せるも、2Rの腕ひしぎ足固めが決め手となったか、僅差で須田に軍配が上がり、修斗に初の地方在住の王者が誕生した。 郷野聡寛、佐々木有生の GRABAKA勢らが離脱し、層が薄くなったという声も聞かれるライトヘビー級。新チャンピオン・淡路の星・須田匡昇には、そんな評価を吹き飛ばしてしまうくらいの大活躍を期待したい。
須田のリング上でのコメント 「できれば1本勝ちでチャンピオンになりたかったのですが・・。まだまだ発展途上のチャンピオンなので、もっと練習していい試合をしたいと思いますので応援よろしくお願いします。地方在住の初のチャンピオンになれました。地方に住んでる方、地方で修斗やってる方、これからも修斗をよろしくお願いします。 みなさんのおかげでチャンピオンになることができました。ありがとうございます。今回チャンスをくれた関係者の方や、年末年始返上で練習に協力してくれた仲間にお礼を言いたいです。」
須田の控室でのコメント 「あまりリベンジとか関係無しに、純粋に勝ちたかったです。僅差の勝負だったと思うけど、勝ちたいという気持ちが少しだけ僕のほうが上回っていたので勝てたんだと思います。力がすごくて何度もロープの外に出されそうになって、あと細かい反則とかも使ってきたけど、それでカッカせずに自分のペースで戦えたというのが今日の勝因じゃないかと思います。今日、ベルトを取れなかったらチャンスは無いだろうなと思ってたんですよ。だから前回よりも今回のほうがモチベーションは高かったです。 日本全国、どこででも修斗はできると思うんですよ。淡路島にいてもこうしてチャンピオンになれるんだから、修斗は日本全国に広がっていくと思います。地方在住でも世界の一流選手と戦えるということを見せられたので、同じ環境にいる人たちの励みになればいいなあ、と思います。 会場のファンの人の声が聞こえて「印象が悪い」とか「押されてる」というのが頭にあったんで、これはヤバイなって思えました。次の防衛戦はラリパパとやることになると思います。1回引き分けてるんで。あの時もダウンを奪ってなかったら負けてたかもしれないですし。もう1回ラリパパと戦って、決着をつけたいです。今日やったランスともまたやりたいです。今度は一本とかKOで、今日みたいな僅差の判定じゃなくて、ちゃんと決着をつけられるように。強い選手ですから、もう一度やりたいですね。」
※第2〜第3試合の間に予定されていた山崎剛 vs. 川尻達也は山崎の負傷により中止。
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Last Update : 01/17 13:30
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