[DEEP2001] ランバー、総合デビュー戦でまさかの勝利! /12.23 有明
DEEP 2001 3rd IMPACT X'mas in DIFFER ARIAKE 2001年12月23日(日) 東京・ディファ有明 観衆1611人(満員:主催者発表)
フューチャーファイト第1試合 5分2R ×本田朝樹(P's LAB 横浜) ○小沢 稔(フリー) 1R 3'28" ストレートアームバー
フューチャーファイト第2試合 5分2R △富山浩宇(P's LAB東京) △西野 聡(和術慧舟會) フルタイムドロー(判定無し)
第1試合 5分2R ○佐藤伸哉(P's LAB 東京) ×美木 航(RJW/CENTRAL) 2R 3'07" 腕ひしぎ十字固め
序盤から佐藤がポジショニングで圧倒。腕十字、アームロックと何度も腕を狙っていく。1Rこそ極めきれなかったものの、2Rにがっちり腕十字を極め、タップを奪った。
第2試合 5分3R ×村浜天晴(ワイルドフェニックス) ○大石幸史(パンクラス横浜) 判定0-2(平28-30,大城29-30,梅木30-30)
大石がタックルで上を取り、村浜が下から間接を仕掛けるという展開が続く。互いに決め手を欠いたが、終始上を制した大石が判定勝ち。 ◆ 村浜兄コメント 「大石君、あっぱれ。芸人魂不発ですね。何度もタックルで倒されたので、判定には納得しています。(1Rの)膝十字は、ポイントが横にずれてましたね。横じゃなくて、縦の修正ならできるんですけど・・。次回はリニューアルした芸人魂に乞うご期待、ですね」
第3試合 5分3R ×冨宅飛駈(パンクラス東京) ○長南 亮(U-FILE CAMP) 判定0-3(平27-30,大城27-30,梅木28-30)
UWF時代からの大ベテラン・冨宅と、この試合がプロデビューとなるルーキー・長南の一戦。長南はUWF時代の冨宅の同僚、田村潔司の弟子である。 試合のほうは序盤から長南が優勢。右ストレートやヒザ蹴りで冨宅をコーナーに追い詰め、グラウンドになっても上からパンチを落とし続ける。最後まで冨宅は攻められる展開を変える事ができず、判定で長南がデビュー戦を飾った。
第4試合 5分3R ○美濃輪育久(パンクラス横浜) ×大久保一樹(U-FILE CAMP) 1R 3'38" 腕ひしぎ十字固め
美濃輪の豪快なリフティングが今回も炸裂。最後はマウントからバックに移行しての腕十字で完勝。
◆ 美濃輪コメント 「スタミナは考えないで最初からガンガン飛ばすつもりでした。試合の時は自分をどれだけ出せるかという事を考えているので、相手がだれであろうと関係ないです。 三月のDEEPは(故郷の)名古屋での開催なので出たいです。あとはアメリカでも試合をしたいですね。地元なり、アメリカなり、意味のある場所が好きなんで。 PRIDEに出場する気持ちもあります。(PRIDEのリングに)戦ってみたい相手が一人いるんですが、今はまだ言えません」 ◆ 大久保コメント 「美濃輪選手と戦えただけで勉強になりました。思い切り練習して、出直してきます」
第5試合 5分3R ○上山龍紀(U-FILE CAMP) ×ラバーン・クラーク(アメリカ/ミレティッチ・マーシャルアーツ・センター ) 2R 0'00" TKO *タオル投入
立って寝ての素早い攻防が続いたが、1R終盤バッティングで試合一時中断。以降クラークの動きが鈍くなり、1R終了後のセコンドがタオル投入。上山にとっては不完全燃焼な内容に終わってしまった。
第6試合 5分3R ×窪田幸生(パンクラス横浜) ○坂田 亘(坂田道場EVOLUTUON) 1R 4'05" TKO *グラウンドパンチによるレフェリーストップ 窪田が左フックを利かし坂田を脅かしたが、ローブローをもらってから失速。ラウンド後半にバックをキープした坂田がパンチを振り落とし快勝した。勝利後坂田はプレス向けインタビューで鈴木みのるとの対戦を熱望した。
◆ 坂田コメント 「初めにパンチが目に入って、距離がつかめなくなっていた。回復するまで少し休もうかな、っていう感じだったんだけど、気付かれてそのまま攻められていたら、どうなっていたかわからないね。 窪田は良かったね。いい経験を積んでいるし、これからもっと強くなるんじゃないかな。 自分は名古屋にジム(坂田道場EVOLUTION)を出したので、練習相手がいない。昼はキックボクシング、夕方に自分の道場で指導をしたあと、夜はALIVEで練習させてもらっている。窪田は東京にいて練習環境がいいはずなんだから、自分より伸びるのも早いはず。彼らの練習を見たわけじゃないからわからないけど、漠然と練習しているだけではダメだと思うね。 俺としてはこれ以上若い選手とやっても白星が増えるだけで、いいことはない。だからもっとキャリアのあるやつとやりたい。近藤は別格として、高橋さんは強い選手だしすごく戦ってみたいんだけど、UFCに照準を絞ってるみたいだから邪魔しちゃ悪い。 横浜の若い奴をやったんだから、大将出てこいよ。引導渡してやるからさ。 これを聞いた鈴木がどんなコメント出すか楽しみだな。適当なことを言ってごまかすかもしれないけど、若いやつがあんなに頑張ってんだから、うじうじ言ってないで出てくればいいんだよ」
◆カネック vs. 大刀光の前のインターバル
ドス・カラス・Jr.の挨拶 「左肩を脱臼してしまって、試合ができないことをとても残念に思います。三月にまたお目にかかりましょう。ドウモアリガトー、ジャパン!」
メキシコ・ルチャリブレ協会・エル・ファンタズマ代表の挨拶 「近いうちに佐伯社長がメキシコにバーリトゥードを持ち込みに来ます。三月はもっとたくさんのルチャドールをつれてくることを約束します」
この後ドス・カラス・Jr.と謙吾の再戦が発表され、花道から謙吾が入場した。
謙吾の挨拶 「試合を組んでくれたDEEPさんに感謝します。やるだけです。応援よろしくお願いします」
第7試合 5分3R ○エル・カネック(メキシコ/AAA) ×大刀光(SPWF) 1R 4'55" TKO *グラウンドパンチによるレフェリーストップ
動きは緩慢ながら大刀光がグラウンド技術の成長を見せ、カネックをバックからのスリーパーで追い詰める。膝立ちの体勢でギロチンを狙うが、腕が抜けてガードポジションになると一気に形勢逆転。カネックがインサイドガードからサイドポジションにあっさり移動しパンチを連打し続け、レフェリーが試合をストップ。ドス・カラスJr.の代打で急遽出場したカネックが逆転勝ちをおさめた。
◆ カネックのコメント 「ルチャリブレは世界一。私は普段から戦うための練習をしているので、今回のために特に練習をしたということはない。相手はとても厳しかった。確か日本のスモウレスラーだと聞いている。今日のマスクはバーリトゥード用に作ったものだ。三月のDEEPにも呼ばれたら喜んで出場する」
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セミファイナル 5分3R ×矢野卓見(烏合会) ○ランバー・ソムデート吉沢(M16ジム) 判定0-3(平27-30,大城28-29,梅木28-29)
組み技と打撃のエキスパート同士による注目の一戦。矢野171cm,65kg、ランバー155cm,55kgと矢野が一回り大きいが、ランバーの存在感がみなぎっており差をそれほど感じさせない。
矢野はグラウンド勝負に持ち込もうと組み付くが、ランバーは素早く離れる。矢野は自分からマットに倒れスルスルとランバーの足元に移動して足関節を狙う。万事休すかと思われたランバーだったが脱出に成功。猪木アリ状態で寝転んだままの矢野の足に、ムエタイ仕込みのローを連打。これが効いた矢野は立ち上がってからの足元がおぼつかなくなる。矢野はグラウンド勝負に持ち込もうとするがランバーは付きあわず、寝転ぶ矢野にローを連打するという展開が繰り返される。
2Rランバーに最大のピンチが訪れる。矢野が組み付いてテイクダウンに成功すると、素早くバックにまわりチョークスリーパーを狙う。だがランバーは植松直哉らとの練習の成果を発揮し体を回転させながら何度も危機を脱する。ラウンド終盤シュートサインが出たがランバーはゴングが鳴るまで耐えきる。インターバルに入った瞬間ガッツポーズを取るランバーと、1Rを残しながら既に疲れ果てマットに膝をつく矢野の姿が対照的である。
3Rも猪木アリ状態でのランバーのローが何度もクリーンヒット。矢野は打開を見いだせずローを貰い続けるばかり。しかもラウンド終盤のスタンドでの組み合いから、なんとランバーがギロチンチョークを狙うという逆転現象も。これは極まらず矢野がクロスガードのランバーを持ち上げジャイアントスイングのように回したが、悪あがきのようにしか見えない。最後はマットに寝転んだ矢野にランバーがローを放ったところで試合終了。勝ちを悟ったランバーは入場のときに持っていた機関銃のおもちゃを振りかざし、採点集計中も「ランバ!ランバ!」と喜びの雄叫び。レフェリーや矢野に機関銃を向けパフォーマンス。総合デビュー戦ながら驚異的な適応力を見せ付け見事勝利をおさめた。今後も総合の試合への出場に意欲を示しており、軽量級の台風の目となること間違いなしだ。
◆ ランバーのコメント 「試合前は負けると思ってた。寝技で戦いたかったけど、相手の力が強かったので、キックを多用することになった。2Rのスリーパーはあごで止まっていたので逃げ切れると思った。ギロチンは練習では極めたことがああるけど、試合ではうまくいかなかった。今日の結果には満足している。機会があればこれからも総合の試合に出たいと思う」
◆ ヤノタクのコメント 「(肩で息をしながら)とにかく疲れましたね。ダウンするようなダメージではないけど、相手のキックも効いていたし。2Rのチャンスに色気を出して、エネルギー切れちゃいましたね〜。3Rは抜け殻のようになっていて、最後のジャイアントスイングで予備の燃料も使い果たしました(笑) (相手が)10キロ軽くて良かった・・。同じ体重だったらシャレにならん。負けてしまったけどお客さんが喜んでくれたので、頑張った甲斐がありました」
メインイベント 特別ルール69kg契約 5分3R ○村浜武洋(大阪プロレス) ×ビクトル・ラバナレス(メキシコWBC) 1R 0'40" 膝十字固め
ラバナレスはボクシンググローブを着用して試合に挑む。1Rに3ダウン、5エスケープまで認められる特別ルールながら、試合はそれが全く関係ない内容に。村浜がラバナレスのパンチをかわしてタックルであっさりテイクダウン。ラバナレスは下からしがみつくが、村浜はあっさりポジションを移動し膝十字に。ラバナレスはエスケープすらできずあっけなくタップアウト。村浜が「作戦通り」の勝利。東京スポーツ制定のプロレス大賞・新人賞を受賞した男が、熱望するジョン・ホーキへのリベンジ戦、K-1ミドル級グランプリ出場に向け存在感をアピールした。
◆ 村浜武洋コメント 「練習どおりですね。打撃で行くつもりだったんですけど、初めから打撃だと向こうのペースになるかなと思って。仕留めきれなくてもいいから、とりあえず1回グラウンドにいこうと。そのグラウンドでダメだったら、(タックルを警戒して)腰も引けてくると思うんでパンチで行こうと思っていたんです。 ローキックを効かせてシャイニングウィザードで決める、というパターン2もあったんですが(笑)。1回目のタックルは相手がどれだけ対応できるか確かめる意味もあったんですけど、そのまま決まってしまいましたね。 (ラバナレスに)向かい合ってみて、威圧感がありましたね。無理やりタックルにいっても入ったとは思ったんですけど、今後につながらないと思うんで。カウンターでいく練習をしていたので、下がりながらも手を出しているような印象を与えておいて、それで向こうがパンチを出してきたらタックルに入るという狙いでした。 (今後の予定は?という問いに)猪木軍対K−1で盛り上がっていますよね。打撃から総合をやっている選手はいますけど、プロレスや総合から打撃にいった選手はいないじゃないですか。しかもプロレスができて、総合もできて、さらに打撃もできる人間は世界に、”大阪プロレスの村浜”しかいないだろうと。K−1の中量級がいまいち盛り上がりきれていないところがあるんで、トータルにできる自分が行ってかき回さないといけないと思っています。オールナイトニッポン(石井館長がレギュラーを務めるラジオ番組)にFAXを送んないとダメですね(笑)。もちろん新日本プロレスにも出たい気持ちもあります」
◆ ラバナレスのコメント 「総合の試合はもうやらない。こういう試合をするためには、それに合った練習をすることが必要だったが、自分はキックボクサーと少し練習をしただけだった。相手の膝十字はものすごく痛かった。1月にはボクシングの防衛戦を控えている」
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Last Update : 01/02 20:11
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