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[AX]10.31 旗揚げ大会 写真掲載

女子総合格闘技AX旗揚げ戦 "We Do The Justice"
2001年10月31日(水)東京・北沢タウンホール

▼渋谷系女子総合格闘技・スマックガールから事実上の分裂をする形で発足したAX(アックス)の旗揚げ戦は、マァ☆ティンこと星野育蒔と、久保田有希という女子総合のトップ対決への期待と注目度の高さを反映してか、立ち見も出るほどの大盛況だった。試合もそれにふさわしいハイレベルな打撃の攻防が続き、女子総合というジャンルが着実に育ちつつあることを感じさせた。エキシビジョンとしてキックボクシング、サンボという立ち技または寝技限定で完成した競技も披露され、さながら「女子格闘技の博覧会」といった雰囲気だった。

 演出面でも花道やスクリーンを設置したり、試合前にはルール解説のビデオ、メインイベントの前に選手紹介のビデオを映したりといろいろ工夫が見られた。だが映像の作り込み方から音楽や照明の配慮に至るまで、スマックが持っていたある種の「華」を欠いている印象を受けたのは残念だ。男子の格闘技なら今回のように「生真面目」な演出でも十分なのだろうが、女子の格闘技である以上、女性的な美しさ・柔らかさを活かすような相応の演出をもう少し考えるべきだろう。レフェリング、ドクターチェック等、「競技」としての充実を指向していること自体は大いに評価したいが、選手層が薄く技術水準の低い現状では「興行」としての物足りなさをありのままさらけ出すことになってしまう。別にスマックの演出をそのまま真似なくても、オリジナルな発想でいくらでも面白く味付けする余地はあると思う。そしてよほどの変な演出でない限り競技としての成長を妨害することも無いだろうし、むしろ盛り上がれば競技の成長を助けることになるだろう。

 だが何はともあれ、まだAXは始まったばかり。1年前に女子総合シーンの今の姿を誰が想像したであろうか?。木村浩一郎プロデューサーも演出については満足しておらず、今後の改善は大いに期待できそう。星野育蒔という強烈な個性、そして芽吹き始めた女子総合のこれからの成長を、本誌もどんどんバックアップしていきたいと思っている。(井原芳徳)

※ルールはスマックでも使われていたReMixルールとほぼ同じ。グラウンドは30秒以内。

第1試合 アマチュアルール 5分2R
×藤城生実(SSSアカデミー)
○中島智希(フリー)
判定

 再三藤城がテイクダウンを奪いバックマウントを取ったが、中島の打撃でのアグレッシブと相手へのダメージが評価され判定勝ち。

第2試合 アマチュアルール 5分2R
○虎島尚子(RJW)
×照井和瑛(HJK)
1R 3'12" KO

 虎島が開始早々から腕十字を狙い、立っても回転の早いパンチ、キックの連打で2度のスタンディングダウンを奪い完勝。勢いのあるファイトは、今後のAXでも猛威を振るいそうだ。

第3試合 エキジビジョン・キックボクシングマッチ 3分1R
角田絵美(SSSアカデミー)
吉沢紀子(フリー/元WMTC女子フライ級4位)

 キックを中心としたエキシビジョン。互いのセコンド・植松直哉と山口元気のやり取りが面白かった。

第4試合 エキシビジョン・サンボジャケットマッチ 5分1R
しなしさとこ(Freely Chambers)
藤井恵(Freely Chambers)

 日本の女子サンボ界のトップ選手二人による素早い動きの投げ、関節技に満員の観客から溜め息が漏れた。試合後、ガールファイトのトレーニングを品川区中延のCHAMBERS TOKYOで毎週火曜・金曜に行っていることをアピールした。今後彼女達のAXでの公式戦に期待したい。

セミファイナル
○張替美佳(フリー)
×加藤悦子(湘南格闘倶楽部)
1R 0'39" フロントチョーク

パンチ、キックで攻めた張替が引き込んでのフロントチョークであっさり勝利。

メインイベント
○星野育蒔(米里倶人満[べりーぐっどまん])
×久保田有希(オフィス荒武者)
判定

 柔道をベースに持つ両者の対戦ということでグラウンド勝負になると思いきや、以外にもスタンド中心の攻防に。星野陣営はグランウンド勝負を想定していたためか、久保田の長いリーチを活かした予想以上のプレッシャーをなかなか詰められない。だがスマック時代よりも練習環境が充実した星野は打撃テクニックが2ケ月前の試合より明らかに向上している。パンチラッシュや高く伸びるハイで何度も久保田を脅かし、的確なローで久保田が試合後歩けなくなるほど左足を痛め付ける。

 グラウンドになったのは3度だけで、いずれも星野のテイクダウン狙いを久保田が崩しての物。そのうち2度は久保田がバックから星野を脅かし続けグラウンド制限時間の30秒が経過しスタンドに戻るという展開で、残り1回は試合終了間際の攻防で星野が足関節を狙ったところでゴングが鳴ったという展開だった。

 判定は1、2Rに打撃で上回った星野がかろうじて勝利したが、結果には満足せず。スマックの時同様、リングアナウンサーのインタビューにも興奮した状態で「もっともっともっと、練習して、もっともっと強くなりたいです!」と身振り手振りを交えて語っていた。星野は久保田との再戦を希望。次回大会は12月に開催される模様だ。

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Last Update : 11/29 05:32

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