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ミノタウロ、コールマンから完璧な一本!/9.24 PRIDE.16 レポート

ドリームステージエンターテイメント「PRIDE.16」
2001年9月24日 (月・祝) 大阪城ホール
入場者数:14,907人(満員)

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第1試合
×谷津嘉章(オフィス荒武者)
○ゲーリー・グッドリッジ(トリニダード・トバゴ)
1R 3'05" TKO(タオル投入)

谷津が距離を取りながら飛び込もうとするが、グッドリッジの剛腕フックに阻まれるという前回の試合と全く同じ展開。
谷津が胴タックルで不用意に飛び込むと、グッドリッジがフロントチョークに捕まえる。グッドリッジが尻餅を付いたところで、谷津がセコンドに片手を振ってタオル投入を促し、タオルが投入され試合終了。

読者の事前勝者予想:
グッドリッジ 269 (84.1%)
谷津嘉章   51 (15.9%)


第2試合
×山本憲尚(フリー)
○アスエリオ・シウバ(ブラジル)
1R 0'11 TKO(レフェリーストップ)

山本のリングス時代の師匠・前田日明氏の現役時代の入場テーマ曲「キャプチュード」で山本が入場すると、前田の地元・大阪のファンは大歓声。セコンドにはリングス時代の同僚・成瀬昌由、山本が練習する藤原道場の小林聡が付き、期待を抱かせたが、試合はあまりにもあっけない内容だった。
山本のローに合わせてアスエリオがフック。そこですでに山本が左眉をカットし出血。下がる山本にアスエリオがパンチ、蹴りで突進し、倒して上からパンチを落としたところでレフェリーがストップ。

読者の事前勝者予想:
アスエリオ 183 (60.0%)
山本憲尚  122 (40.0%)


第3試合
×松井大二郎(高田道場)
○ムリーロ・ニンジャ(ブラジル)
3R 0"51 TKO(レフェリーストップ)

同僚・ペレのリベンジを誓い、ニンジャが入場。セコンドにはペレとヴァンダレイも付く。対する松井にも桜庭がセコンドに付き、さながらPRIDE.17の前哨戦といった雰囲気。
1R早々、ニンジャがバックを取ったところを下から松井がアームロックを狙う。しかしニンジャは外して胴締めスリーパー。松井は冷静にディフェンスし、1分ほどたって引っ繰り返しインサイドガードの体勢からパンチを落とす。松井はその後もしつこく動くニンジャにフロントチョークを仕掛けるなど果敢に攻める。だが残り1分、パンチの連打をもらってしまった松井がコーナーに追い詰められ、ニンジャのサッカーボールキック、頭部への膝蹴り、踏み付けの殺人ラッシュで顔面出血。ピンチとなったがラウンド終了ゴングに救われる。

2R、松井が下になる展開が続く。ニンジャはサイド、マウント、バックとポジションを移動し、細かいパンチを連打。次第に松井の動きが鈍くなり、白いマットが血に染まる。その後もニンジャはサイドから膝を叩き込む。完全にニンジャのラウンドに。

3Rもニンジャがパンチ、キックで松井を苦しめる。松井が投げを狙ったところで倒れてしまいニンジャがサイドを取る。ここでロープにもつれこみ、岡林レフェリーの動きをブレイクの仕草と思った松井が一瞬気を抜いた隙に、ニンジャがサッカーボールキック一閃。松井が意識を失ったところにニンジャがさらに蹴り込んでレフェリーが試合を止めた。ニンジャがラフファイトでの強さを発揮した好勝負だった。

読者の事前勝者予想:
松井大二郎 181 (62.0%)
ニンジャ  111 (38.0%)


第4試合
×ガイ・メッツアー(米国)
○ヒカルド・アローナ(ブラジル)
判定1-2

 米国の同時多発テロを受け、メッツアーは星条旗を背負い、星条旗模様のタイツで入場。試合でも気合十分で、アローナをフックで脅かし、タックルも切り、差し合いになってもなかなか倒れない。一回り小さいアローナは攻め手を欠くが、残り1分でパンチの連打を命中させる。メッツァーは強引に組み付き、コーナーでの差し合いのままゴング。

 2R、組み合っての攻防でアローナがパンチを命中させたが、立ち上がり際にメッツアーの左ハイがアローナの顔面にクリーンヒット。ひるんだアローナの上をメッツアーは制す。しかしアローナは起死回生、下からの膝十字を極める。メッツアーは苦しい表情も見せたが、ポイントをずらしてピンチを脱する。アローナはダウンのダメージがなかなか回復せず、意識もうろうとした様子のまま闘い続ける。

 3R、お互い消耗しきった様子。ドントムーブでリング中央に戻る時に、二人揃って立ち上がらず四つんばいで動いていた様子からも消耗の激しさが伺われる。アローナはインサイドガードからパンチを連打する場面が何度かあったが、メッツァーのクロスガードを外すことはできず、そのまま試合終了。ジャッジの評価は分かれたが、僅差ながらアローナに軍配。とても苦しい闘いだったが、アブダビ二連覇、リングスワールドタイトルミドル級前王者の威信を守った。

読者の事前勝者予想:
アローナ  229 (71.6%)
メッツアー 91 (28.4%)


休憩時間中、大会エグゼグティブプロデューサーのアントニオ猪木氏が観衆の大熱狂の中登場し、大みそかに行われる「INOKI BOM-BA-YE」を宣伝した。

第5試合
×小路晃(フリー)
○セーム・シュルト(オランダ)
1R 8'19" TKO(レフェリーストップ)

 211cm、112kgのシュルト、172cm、92kgの小路。両者の体重差が10kg以上あるため、軽いほうの小路に「両手両足をマットを付けた状態での頭部への蹴り」の有無の選択権が与えられたが、小路は“有り”を選択。ただでさえ厳しい相手に、より危ない状況で挑むこととなる。
 40cmの身長差。両者がリング上で並ぶだけで歓声が湧く。小路は距離を取りフットワークを見せる。シュルトがスタンドでのフロントチョークに捕らえそうになるが、小路は落ち着いてテイクダウン。シュルトの長い足のクロスガードが一瞬離れたところを片足パスするが、すかさすシュルトは引っ繰り返して上に。膠着の後、シュルトはスタンド勝負を望み、寝転ぶ小路をレフェリーが立たせる。シュルトがプレッシャーをかけ、次第に距離をつめパンチ、膝を命中させるようになる。そして8分過ぎ、コーナーにつめてパンチと膝を連打したところで小路がダウンしレフェリーストップ。シュルトがPRIDE初戦を危なげない内容で飾った。

読者の事前勝者予想:
シュルト 246 (79.9%)
小路晃  62 (20.1%)


※ 小路×シュルト後、11月のPRIDE.17で対戦するヴァンダレイ・シウバと桜庭和志がリング上で挨拶した。
ヴァンダレイは「ゲンキデスカー!」と日本語で叫んだあと、「いっぱい練習して素晴らしい試合をするので期待して下さい。(再び日本語で)サクラバ、カカッテコイ!」と語り桜庭をにらみつけ、桜庭は「元気ですよ!。前回短い試合だったので、今後はもっと長いいい試合をできるようがんばります」と返答。両者はがっちり握手した。

第6試合
×ギルバート・アイブル(オランダ)
○ドン・フライ(米国)
1R 7'27" 失格(アイブル3度の注意)

 フライは「TERRORISTS SUCK」と書かれたTシャツ、星条旗をあしらったタイツを着用。星条旗をかかげ胸に手を当て、アメリカ国歌を聞きながら入場する。新日本プロレスの悪役ぶりから一転、総合格闘技の復帰戦はさながら正義の味方といった雰囲気で登場したフライだが、まさか試合の中でテロリスト並の無法ファイトに苦しむとは予想したであろうか...?

 105kgながら引き締まった体のフライに対し、110kgにまで増量したアイブルは以前よりふっくらした雰囲気。アイブルはいきなり飛び膝蹴りで突進。フライはしがみつきディフェンス。しかしその間アイブルはフライの目に指を入れる反則。苦しそうにコーナーを背にしたフライに、パンチ、膝を叩き込む。しかし試合は続行され、ロープ際の差し合いでアイブルがフライの目に再び指を入れたところでようやくイエローカードが提示される。フライの目が腫れたためドクターチェックの後、試合再開。しかしその後もアイブルがロープをつかんだため、再びイエローが提示される。アイブルはコーナーでの差し合いでフライに頭突きされたと島田レフェリーに抗議したが、故意ではないとして聞き入れられず。

 再開後、アイブルが飛び膝で突進するが、フライは倒して上からパンチ。アイブルが下から腕十字を試みたところでフライが横四方に逃れ頭部に膝を連打。アームロックで気をそらして、マウントを奪取。フライが5年前のUFC時代を彷彿とさせる見事な試合運びを見せる。まもなくしてアイブルが引っ繰り返してしまい、一度スタンドに戻るが、またもフライがタックルからテイクダウン。上から肩固めで締め上げ、勝利は間近かと思われる。しかしアイブルが立ち上がってフライをコーナー押し込んで、その時にアイブルがまたも目つぶしとロープつかみをしたため、レフェリーが反則を取り、注意が3度目に達し失格となった。

 相手の反則による勝ち星にフライは納得いかない様子で、アイブルに「また試合しよう」とアピール。アイブルは自分の反則に懲りず「なんでイエローカードなんだ!」「ファッキン!」と激怒していた。

読者の事前勝者予想:
フライ  187 (56.7%)
アイブル 143 (43.3%)


第7試合
×マーク・コールマン(米国)
○アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジル)
1R 6'10" 腕ひしぎ三角固め

 前回PRIDE.15ではコールマンの負傷で流れたヘビー級トップ対決がついに実現。序盤コーナーでの差し合いが続く。ノゲイラは打撃でも意外なテクニシャンぶりを見せ付け、組み付いてのアッパー、離れての右フックでコールマンを脅かす。さらにハイキックを狙うがスリップしノゲイラが下になってしまう。だが下からの攻めはノゲイラのお手の物。コールマンがパンチと首折りを狙うも、冷静に防御し、三角絞め、アームロックで逆にコールマンを脅かす。しばらく膠着が続いたが、ノゲイラがコールマンの右手にアームロックを仕掛け、コールマンが振りほどいた隙に、空いた左脇を三角絞めで捕らえる。コールマンはたまらず立ち上がってしまい、ノゲイラは腕十字に移行し、コールマンはタップアウト。リングスKOKトーナメント覇者ノゲイラが、PRIDE-GP王者コールマンを完封した。

 勝ったノゲイラは笑顔で「みんなの応援のおかげで勝てたと思います。猪木さんや百瀬さん達に感謝します」と語った。

読者の事前勝者予想:
ノゲイラ  233 (67.1%)
コールマン 114 (32.9%)

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Last Update : 09/27 03:34

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