(レポ&写真) [スマック] 4.25 後楽園:藤井・赤野、揃って決勝へ
スマックガール "SMACKGIRL WORLD ReMix TOURNAMENT 2008 準決勝" 2008年4月25日(金) 東京・後楽園ホール
レポート:本庄功志(本戦)、井原芳徳(Discovery Fight) 写真:井原芳徳 【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
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【本戦】
[WORLD ReMix TOURNAMENT 2008 ライト級(52kg)準決勝]
第6試合 5分2R ○藤井 惠(AACC) ×ハム・ソヒ(韓国/CMA KOREA) 1R 3'39" 一本 (腕ひしぎ十字固め)
藤井はAACCのメンバーを総出で引き連れ入場し、この試合の重要さを一層引き立たせる。対するソヒは、いつも通り笑顔でファンに手を振り入場。 試合が始まると、両者サウスポースタイルから素早い出入りの打撃を披露する。ソヒがジャブからストレートを先制ヒットさせるが、藤井も下がりながらパンチを返す。だが、真っ直ぐ下がってパンチに対応する藤井に、セコンドからは「それダメ!回って!」と声が飛ぶ。 ラウンド中盤、藤井がパンチのフェイントから抜群のタイミングでタックルを仕掛けるも、ソヒはがぶって切る。藤井の速さに反応したソヒに、観客は感嘆の声を上げる。
その後も一度中途半端なタックルに入り切られてしまった藤井だが、素早く腕を絡めて強引にグラウンドに引き込もうとすると、一気に流れをつかむ。ソヒは踏ん張ったが、藤井はすぐさま足関に移行しソヒを寝かすことに成功。ソヒが足関をしのげば、今度はバックを奪い、ガッチリと足をフックさせスリーパーを仕掛ける。だが、「余計な力は使いたくなかった」という藤井は、すぐに作戦を変更。ヒョードルばりの高速の腕十字で一本勝ちし、恐ろしいほどの強さと存在感を見せつけた。
◆藤井「相手は体幹が強くて、バランスが良かったです。(最後の腕十字について)ハムちゃんは体のやわらかさがあるけど、形的には良い形でしたね。(スリーパーについて)アゴが入っていて、アゴの上からでも極めてやろうと思いましたが、力使いたくなかったので腕十字に切り替えました。練習は基本グラウンド中心でしたが、相手がタックルを切る練習をしてくると思っていたので、パンチを当てて次の展開を作るという練習はしていました。どっちかというとカウンターの練習ですかね。 (決勝にアンナが上がってくると思っていた?)両者(アンナとリサ)はタイプが違うけど、アンナの方が、過去に手を合わせたことがあるのでやり辛いと思いました。 (明日誕生日だが?)いい形で34を迎えることができました。赤野と二人で一本勝ちができてよかったです」
第4試合 5分2R ×リサ・ワード(米国/ユナイテッド・ファイトチーム) ○アンナ・ミッシェル・タバレス(ブラジル/ノヴァ・ウニオン) 判定0-3 (梅木=アンナ/和田=アンナ/山崎=アンナ)
アンナがグラウンドで上になり、スルスルとパスしてマウントを奪うも、リサはパワーで返す。スタンドになるとリサが豪快な投げでテイクダウンするなど、テクニック対パワーという試合を印象付ける。 そのテクニックで先手を取ったのはアンナ。上になると簡単にパスして肩固めの体勢に。これが完全に極まったと思われたが、またしてもリサがパワーで回避する。世界屈指の実力を持った両者の戦いは、あっという間に1Rが終了。 2Rになると、またもリサが投げでテイクダウンを奪い先手を取る。だが、最終的に上になっているのはアンナ。先に下になっても、最終的には上のポジションをキープしているアンナはやはりジャッジには好印象だ。判定フルマークで勝利したアンナは、3年前に苦杯を舐めた藤井との再戦が決勝で実現することになった。
[WORLD ReMix TOURNAMENT 2008 無差別級 準決勝]
第5試合 5分2R ×HIROKO(B CREW/スマックガール無差別級女王) ○赤野仁美(AACC/元スマックガールミドル級女王) 2R 3'09" 一本 (腕ひしぎ十字固め)
赤野が引き込もうとスタンドの状態からHIROKOの胴に足をフックさせ、抱きつくような状態に。HIROKOはコーナーをうまく使い、スタンド状態から顔面にパンチを連打する。離れて対峙した状態になると、パンチでプレッシャーをかけるHIROKO。だが、赤野が引き込みに成功すると、下から腕十字を仕掛け、外されるも足関節に切り替え攻め手を休めない。しかし、それらをすべて防いだHIROKOは、赤野のボディにパウンドを連打。「効いていなかった」と話した赤野だが、印象は悪い。 ブレイクで再びスタンドに戻ると、赤野が投げでテイクダウンし、あっさりとマウントを奪い再度腕十字。だがHIROKOのクラッチは強く極めることができない。 2Rになるとタックルを簡単に切ったHIROKOは赤野のグラウンドへの誘いに付き合わず、イノキアリ状態からキック。だが、赤野の巧みな仕掛けでグラウンドに流れると、三度腕十字に捕まる。外してボディにパウンドという1Rと同様の展開になるが、四度目の腕十字でついに力尽きタップ。HIROKOはデビュー5戦目にして初敗北を喫した。
◆赤野「最初、膝が来るのかなと思っていましたが、相手なかなか出してこなくて。膝を取ってテイクダウンしようと思っていましたから。(ボディにパウンドをもらっていたが?)それは効いていなかったですね。もっと簡単に投げられると思っていましたが、体格差があってなかなか難しかったです。下から十字を取る時も、今までの相手とは違う感触がありました。普通なら決まっていたと思います。 (試合後、「自分の格闘技を作り直す」と言っていたが?)打撃の強化と、決勝戦の相手のマルケス選手のスピードに負けないようにすることですね」
第3試合 5分2R ×江本敦子(フリー) ○ジュネル・マルケス(米国/CSW) 判定0-3 (梅木=マルケス/芹澤=マルケス/山崎=マルケス)
試合開始直後、いきなり江本が突進してパンチを振るうも、マルケスの方がパンチの精度は上。パンチをもらい下がってしまった江本は、投げられてサイドポジションを奪われてしまう。そこでマルケスが勢い余って顔面にパウンドを放ってしまいイエローカード1。 仕切りなおしてスタンドから始まるも、パワフルなパンチをヒットさせるマルケス。グラウンドになっても上のポジションをキープし続け、完勝に近い内容で決勝戦に進出した。
[ワンマッチ]
第2試合 54kg契約 5分2R ○WINDY智美(パンクラスism) ×AZUMA(y-park/J-GIRLSバンタム級2位) 2R 2'08" TKO (レフェリーストップ:パンチ連打)
強烈な右のローから左右のフック、前蹴りで自分の距離を作るなど、スタンドではWINDYのペースで試合が進む。だが、AZUMAもカウンターを細かく当てていく。試合前のAZUMAの望みどおり、キックボクシングと変わらない攻防となるが、コーナー際でのクリンチの攻防でなかなかブレイクがかからないのは総合ならでは。その場面でWINDYは首を下げさせ、相手の顔面に巧みに膝をぶつける。 2Rになると再び組んでの膝でダメージを与えたWINDYは、AZUMAをコーナーに詰めパンチを連打。動きが止まりAZUMAにスタンディングダウンが宣告される。試合が再開されるもAZUMAは既にグロッキー気味。再びアッパーを絡めたパンチで追撃するWINDYの顔は笑っている。その攻撃で前のめりに倒れたAZUMAは、ダメージの大きさに嘔吐してしまう。WINDYは、キック界からの刺客を打撃で破壊し、久々に“最恐”ぶりをスマックのファンに見せつけた。
第1試合 ミドル級 5分2R ×竹下嘉奈子(和術慧舟會東京本部) ○中井りん(修斗道場四国) 判定1-2 (和田=中井/芹澤=中井/山崎=竹下)
中井は竹下とのリーチ差に苦戦するも、細かく動き続け右フックをヒットさせる。ラウンド終盤にはコーナーに詰めて左ボディをきっかけに竹下を追いつめ、好印象のまま1Rが終了する。2Rになると投げに失敗し、スリーパー、腕十字と狙われるもうまく回避。その後はスタミナ切れの相手に常に動き続け判定で勝利した。
【Discovery Fight】
第3試合 ライト級 5分2R ×小寺麻美(REDIPS) ○長野美香(S-KEEP) 判定1-2 (山崎=長野/芹澤=小寺/梅木=長野)
長野が持ち前のレスリングテクニックを活かし、ポジショニングで優勢だったが、極めの展開になかなか持ち込めず。スタンドでは単発ながらも小寺のパンチを浴びる。プロ総合初白星を果たしたものの、課題の残る内容だった。
第2試合 ミドル級 5分2R ×超弁慶(ガムランナック)※弁慶から改名 ○森藤美樹(T-BLOOD) 判定1-2 (和田=森藤/梅木=弁慶/芹澤=森藤)
スタンドでは右フックや左ミドルを浴びた森藤だったが、セコンドの石田光洋のアドバイスをしっかりと聞きつつ、グラウンドではアキレス腱固めや三角絞めでチャンスを作り勝利した。
第1試合 ミドル級 5分2R ○Megu(空手道禅道会) ×坂本ひとみ(AACC) 判定3-0 (芹澤=Megu/和田=Megu/山崎=Megu)
Last Update : 04/26 16:00
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