(レポ&写真) [DEEP] 4.20 名古屋:公武堂ファイト。第2部は全戦KO
NEX-SPORTS "DEEPフューチャーチャレンジ・公武堂ファイト3" 2008年4月20日(日) 愛知・公武堂MACS 3Fタイガーホール 公認・DEEP事務局
レポート:木佐木昭 写真提供:金子カオリ 【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
[第2部]
第7試合 総合ルール 65kg契約 5分2R ○中島崇夫(Team Barbosa Japan) ×門脇 勝(NASCER DO SOL) 2R 2'35" KO (バスター)
1R、打撃の交換から、門脇が組んでテイクダウンと同時にマウントになると、肩固めのような状態から空いた左手で、中島の側頭部を十数発殴り続ける。苦しむ中島がハーフガードに持ち直すと、門脇のパウンドが顔面とボディを力強く打ち分ける。中島はマットに付いている門脇の左手をアームロック。門脇はパウンドを打つのをやめアームロックをほどこうとするが、中島はアームロックスイープに成功する。 スタンドでは門脇が中島をコーナーに押し詰めて左ヒザを連打。中島は体を返すと逆に門脇をコーナーに押し込んで足を踏みつける。ブレイク後、門脇が空手仕込みの多彩な蹴り技から組み付いて、右と左のヒザ蹴り。右四つの組み合いから中島が投げると、門脇は投げられながら投げ返して自らサイドを取る。しかし中島が一旦クロスガードに戻すと、離れた門脇がトップからパウンドを振り落とす。中島は強烈なパウンドを受けながら瞬時に三角絞め!極めの形が完全に作られたが、門脇は中島を三角のまま持ち上げるとバスターで逃れてまたパウンドで反撃する。
2R、打撃のやり取りの後、組み合いから門脇が中島をコーナーに押し込むが、中島は体を返す。ブレイクするとまたさっきと同じ展開だが、体を返した中島は外掛けでテイクダウンを奪われる。ハーフガードで揺さぶると門脇は不安定になり、中島は立って逃げようとするが、その立ち際に門脇がバックを奪いオンブでバックを取る。そして完全にチョークの形。キャッチ宣告もされるが、勝負を諦めない中島は斜め前にひねり回るように跳ぶ。二人の体がマットに叩き付けられる激しい音と、勝負時の歓声が混ざり合う。そしてその瞬間起き上がったのはなんと中島だった。チョークを極め、勝利を手中に収めていた筈の門脇は失神し、そのまま数分間動けなかった。
第6試合 キックルール 70kg契約 3分3R ×魚住敦志(フリー) ○黒木信一郎(アレス) 1R 2'14" TKO (3ダウン:ハイキック)
試合開始直後から黒木が一方的に攻める。魚住はまるでサンドバッグのように打たれ続ける。黒木は攻め手の引き出しが多く、一発一発も強い。何もさせてもらえない魚住は打たれ強さを発揮するものの、「KOでぶっ倒す!」という宣言通り、黒木がKOで勝利した。
第5試合 キックルール 60kg契約 3分3R ×坂元寛史(NASCER DO SOL) ○原 文博(NEX) 3R 2'21" TKO (レフェリーストップ:右ローキック)
1R、原がまず両ミドルキックで攻め立てる。このラウンドの原のキックは単発ながらも強烈。坂元は10cmの身長差が災いしたのか、空手時代からのクセなのか、パンチの軌道は低くなりがちで、上を見上げながら戦うのでアゴが上がり気味になり、ガードが下がるとディフェンスが極端に弱くなる。 2R、ジャブの交換、そしてパンチの打ち合い。原はガードが下がらず、アゴも上がらないものの、両手が開きがちになりやすい。その隙を見逃さず、坂元はジャブ・ストレートをしっかり当てて行く。しかし原のキックは1Rと変わらずキレがあり坂元を苦しめる。 3R、開始間もなく原のワンツー、右ローの3点コンビネーションがまともに入ると、明らかに坂元の動きが鈍る。原はそのチャンスを逃さず、さっきと全く同じコンビネーションを2回、3回、4回、5回と繰り返す。左足にダメージを受けた坂元は原の右ローを全くカットできなくなり、蹴られる度に左足を『く』の字折り曲げて体勢を崩す。追いかける原が更に追撃の右ローを蹴って坂元が動けなくなるとレフェリーが間に入る。スタンディングダウンだ。坂元は左足を引きずりながら、右ローをもらいつつも、踏ん張りが利かない足ではそれしかないというジャブで、原の開いたガードから数発的確に返して行く。原の鼻の上はそれでカットしたのか、軽く出血が始まる。ガードの甘い原だが、それと引き換えに、また強烈な右ローを連打。そしてコーナーに追い込むとパンチラッシュ!ボディブローも織り交ぜた攻撃に、動かなければ止められる坂元は成す術がない。「心が折れないなら足を折ってやろう」と、原の強烈な右ローが坂元の左足を襲うと、坂元は前のめりに倒れ、レフェリーが試合を止めた。 努力を怠らなかったアマチュアストライカーの原が、何の格闘技経験も無しにキックボクシングを始めたのは35歳の頃からだった。それからたった2年で、打撃が得意ではないにしろプロシューターである坂元を破ったのは快挙だと言えよう。
第4試合 総合ルール 65kg契約 5分2R ×都築博之(GSB) ○長谷川史(NEX) 2R 4'47" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ連打)
1R、都築の鋭い打撃を、距離を取って避ける長谷川は、タイミング良く両足タックル。テイクダウンと同時に両足を抱いてパスを狙うも都築がクロスガードで守る。そこから都築が下から鉄槌を振り上げると長谷川の顔面を襲うが、長谷川もパウンドを打ちながらパス。マウントからバックマウントになると都築はそのまま立って長谷川を落とそうとするが、長谷川も落ちないように耐える。長谷川のバックフックの力が強く、都築が倒れるとまたマウント。肩固めを狙いつつも極めに行けないと察すると、長谷川はそのまま無防備になった都築の側頭部を殴り続ける。打撃技術では都築に分があるが、グラウンドでの実力の差は歴然としていた。 2R、都築の右ストレートを長谷川がガードするのを皮切りに、いくつかのパンチ交換。その最中、長谷川が両足タックルでテイクダウンしサイドを取るが、これは運悪くロープ際でブレイク。スタンドに戻り、長谷川もパンチを当てるが、そこで有利なのは都築。長谷川は中間距離で戦わないように心がけ、都築の打撃に合わせてタックルでまたテイクダウン。サイド、マウント、バックマウント、またマウントと、長谷川の粘っこいグラップリングに都築は全く歯が立たない。マウントから長谷川がボコボコと殴り続けると、レフェリーが試合を止めた。
第3試合 キックルール 62kg契約 3分3R ○中村明宏(TANK) ×坂井 拓(GSB) 3R 2'29" TKO (タオル投入:パンチ連打)
中村はアップライトの構え。試合序盤から右ハイ、左ハイを、無駄のほとんどないモーションで繰り出す。坂井はそれをしっかりガードするが、ローの対処が追いつかない。坂井は中村のキックに合わせてジャブを返すという、受けの姿勢。しかし中村の左ミドルは特別キレがあり、坂井に防御の的を絞らせない。坂井もコンビネーションで中村を攻めるが、2R中盤から坂井はローのダメージがかなりひどくなる。 3Rには中村が坂井をコーナーに追い込むとワンツーの連打でスタンディングダウンを奪う。その後、坂井も反撃を試みるが中村の防御は固い。もはや攻め手を失った坂井を見て、中村は渾身のパンチで一方的に攻めると、坂井のセコンドからリングにタオルが投げ込まれた。
第2試合 総合ルール 72kg契約 5分2R ×鈴木康宏(EVOLUTION) ○五味洸一(NEX刈谷) 1R 1'17" KO (グラウンドパンチ連打)
五味とサウスポーの鈴木が向かい合うとフックを打ち合い。当てたのは五味の方で、さらにもう一発フックを当てる。グラウンドにもつれ込むと、五味はポジションキープせず殴り続け、鈴木は立って逃げる。五味のパンチラッシュから組んで中腰でヒザ蹴り。そしてそのままアッパーを連打。鈴木がマットに膝を付くと、五味も膝を付いて、ガブリの体勢でまた顔面を殴り続ける。鈴木の防御の動きがなくなったのを見てレフェリーが試合を止めた。
第1試合 キックルール 62kg契約 3分3R ○仁木隆夫(WEST-O) ×榊原貴仁(TANK) 2R 1'17" KO (パンチ)
同体重とは思えない程、仁木の引き締まった大きい体が目立つ。主に右ローからのパンチで攻める仁木が主導権を握り、反して榊原は動きが固い。1Rは、終盤に榊原がアッパーとストレートを当てて盛り返すが、完全に仁木のラウンド。2R早々、仁木が右ストレートを当てて、榊原はダウン。その後、榊原は組んでダメージ回復に行く以外何もさせてもらえない。KO狙いの好機だが、組まれるのを避けるためか仁木は距離を取ってローで確実に攻める。そのローで榊原を弱らせたところ、最後はしっかりパンチを当てて危なげない勝利を収めた。
[第1部]
第7試合 DEEP Xルール 73kg契約 4分/4分/2分 ×マルロン・メディロス(NEX) ○小木曽直[おぎそ・すなお](NBJC) 1R 3'20" ギブアップ (三角絞め) メディロスは柔術茶帯の在日ブラジル人。小木曽は柔術紫帯で、二人の体重差、実績を比べると、メディロスの優位は揺るぎ難い。 小木曽はゴングが鳴る前から左手を前へ突き出し、空手の型のような構えで自陣コーナーにたたずむ。メディロスがリング中央に歩み寄ると小木曽はようやく動き出し、今度はさながら須藤元気のように背中を見せる半身の低い構えでメディロスの周りをまわる。それでもメディロスは冷静に近付き組み付くと即座にしゃがみ小木曽の左足に片足タックル。テイクダウンされた小木曽だが同時にフロントチョークを仕掛ける。メディロスはなんとか頭を抜いてしのぐと、メディロスがアンクルホールドへ。ピンチの筈の小木曽だが、足を捕られながらながら自らもアンクルホールドから膝十字固め、そしてアキレス腱固めと攻撃の手を緩めない。状況の悪くなったメディロスは、体を転がして足関節技から逃れようとロープ際までもつれ、足をはがすとサイドに着く。 一旦ドントムーブがかかりリング中央で再開されると小木曽はクロスガードに戻す。メディロスはそのクロスを割ると、体格差を利用し強引にフロントチョークで小木曽の首を苦しめる。その首が抜けると小木曽がメディロスの頭の方にクロスガードの足を登らせてラバーガード。その圧力がかなり強いのかメディロスが態勢を前のめりにさせると三角絞めの形へ!小木曽はメディロスに技をほどかせるチャンスを与えず三角のロックの形をしっかり作ると、メディロスはあえなくタップ。 体格差や下馬評の不利を覆した小木曽の奇跡的で鮮やかな一本に、場内は大いに盛り上がった。
第6試合 DEEP Xルール 67kg契約 4分/4分/2分 ○玉澤慶朗(NEX) ×河野真寛(Team Barbosa Japan) 1R 1'23" ギブアップ (膝十字固め)
前年度グラップリングツアーMVPの玉澤は、2週間前に行なわれたグラップリングツアーでも優勝するなど波に乗っている。 玉澤は握手のタッチと同時にいきなり座り込む。相手に触れていない状態でグラウンド状態に誘い込むのは反則だが、ルールぎりぎりのその戦法に、レフェリーもそのまま看過しそうになる。玉澤はグラウンドに引き込んで得意の足関ですぐさま試合を終わらせたい構えだ。しかし玉澤はレフェリーに立つように促され、その立ち際に乗じて河野が両足タックル。玉澤がこれを切るとグラウンドにもつれ込みインサイドガードへ。そしてクロスガードがほどけると、「待ってました」とばかりに玉澤は河野の足に喰らい付く。アキレス、アンクルと、玉澤の足関地獄をかいくぐる河野だったが、最後は膝十字で玉澤が貫禄の勝利を収めた。
第5試合 DEEP Xルール 78kg契約 4分/4分/2分 ×美浦好昭(NBJC) ○足立篤宣(GSB) ポイント4-10
とにかく引き込んで戦おうとする足立と、それに付き合い上から戦う美浦。1R終盤、足立が腕十字から三角絞めへと流れてキャッチするが、美浦の盛り上がった筋肉が邪魔して最後まで仕留め切れず、「あと一歩!」というところでゴングが鳴る。 2R、足立の引き込みに合わせて美浦は隙を突いてバックを奪うも、足立のガードが美浦を極めへと持って行かせない。3R、足立がまた下から三角の形で攻めるが、美浦がこらえるとタイムアップ。 要所要所において確実な動きで上回った足立がポイントゲームを制した。
第4試合 DEEP Xルール 61kg契約 4分/4分/2分 △上村和貴(GSB) △平木耕一郎(NBJC) ポイント6-6
互いに引き込みを得意とする似た者同士の一戦。しかし引き込むのは常に平木。平木のハーフガードでの膝の使い方がうまく、試合時間の多くがハーフガードの状態。互いに下からの腕十字や三角絞めで盛り上げる場面もあったが、互いに実力が合い過ぎるのか、決定的な展開には至らない。 上村がテイクダウン3回の計6P、平木がリバーサル3回での計6Pと、同点で試合を終えた。
第3試合 DEEPX Jrルール 4分2R ○佐藤敢太(GSB) ×山口竜也(NEX) 1R 1'23" レフェリーストップ (チョークスリーパーホールド)
中学2年生の佐藤と、1年生の山口。距離を詰めて互いに近付くと、佐藤が胴タックルでテイクダウン。そしてパスガードどころか一気にバックに着く。佐藤がチョークを狙うと、その腕をたぐって山口は防御し続けるが、佐藤がしぶとく一本を奪った。
第2試合 DEEPX Jrルール 4分2R ○清水裕太(NEX) ×鈴木正剛(GSB) 1R 0'34" レフェリーストップ (V1アームロック)
清水は両足タックルでテイクダウンするとすぐサイドへ。そこから鈴木の左腕を捕らえ続けるとアームロック。鈴木の肘が上がると、危険に感じたレフェリーが瞬時に試合を止めた。
第1試合 DEEPX Jrルール 4分2R ○森 陽希(NEX) ×川辺陸哉(GSB) 1R 2'21" レフェリーストップ (チョークスリーパーホールド)
森が両足タックルを仕掛け、もつれながらもテイクダウンに成功するとそのままバックへ。チョークを狙う森の右手をたぐって反転したい川辺だったが、森が川辺の首もとへ右腕を差し込みがっちり絞め上げると、我慢して耐える川辺を見たレフェリーがストップした。
Last Update : 04/22 10:43
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