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(レポ&写真) [スマック] 9.6 後楽園:辻リベンジ。端&HIROKO女王に

キルゴア / スマックガール実行委員会 "entget present's SMACKGIRL 2007 〜女王たちの一番熱い夏〜"
2007年9月6日(木) 東京・後楽園ホール  観衆:1,596人(満員)

  レポート:井原芳徳、本庄功志(HIROKO戦)  写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】



 【ONLINE SHOP】 DVD「SMACK GIRL 9」06年7月〜07年3月の37試合収録


第9試合 メインイベント 特別ルール(寝技時間制限なし&パウンド有り) ライト級(52kg) 5分3R
○辻 結花(総合格闘技闇愚羅/初代ライト級女王) 
×アンナ・ミッシェル・タバレス(ブラジル/ノヴァ・ウニオン)
1R 4'47" KO (パンチ連打)


 柔術世界選手権(コパ・ド・ムンド)優勝経験者のアンナが、開始すぐに組み付いて辻を倒すとハーフガードの体勢に。得意の寝技を駆使し、一気にマウントポジションに移行する。
 だが前回対戦時の敗戦もあって、あらかじめこの展開を想定していた辻は「マウントを取られても返せばいいと思った」と冷静。相手がパウンドを落とし、力が入ったタイミングを見計らい、ブリッジで体勢を入れ替えることに成功する。
 とはいえスタンドでも、アンナがリーチを活かした伸びやか蹴りで主導権。辻はやや苦し紛れに蹴りを返すと、つかまれて再び倒される。だが辻は下から足を昇らせ三角を狙うと、嫌ったアンナは立ち上がったため、レフェリーがブレイクをかける。
 スタンドに戻ると、やや静かな攻防が続いたが、その静寂を切り裂くように、辻が突然ジャンピングの右フック。これが見事命中し、アンナはダウン。アンナは立ち上がるも足下がおぼつかず、辻がパンチの連打でKO勝ちした。

 唯一の黒星の相手へのリベンジに成功した辻は、マットを叩き涙を流し大喜び。うれしさのあまり「死ぬかと思った」とバックステージでは振り返っていた。作戦は「1Rは凌ぎ、2〜3Rに逆襲」というものだったが、思いのほかの早い決着。試合前に今回の必殺技を「ラッキー7風船上げ」と予告していたが、それが今回の勝負の決め手となったジャンピングの右フックだという。「メガホン叩き」に続き、大の阪神ファンの辻らしいネーミング。しかし「(ボクシングを得意とする)Edgeが闇愚羅に来てなかったらあのパンチは出せてなかった」といい、辻のシリアスな思いが込められている。チーム一丸となって奪った勝利だったといえよう。

第8試合 スマックガール・ミドル級(58kg)女王タイトルマッチ 5分3R
×赤野仁美(AACC/第2代女王)
○端 貴代(和術慧舟會東京本部/挑戦者)
判定0-3 (和田=端/梅木=端/山崎=端)

※端が女王に

 寝技ではほぼ互角の両者だが、立ち技で上回る端は、立ち技主体のファイトで主導権。右アッパー、右ストレート、右ロー、右ミドルを、的確に当て続ける。
 赤野は何度かテイクダウンに成功し、2Rには腕十字でチャンスをつかむが、端はしっかり防御。ついには赤野が端の右ミドルを捨て身で捕まえてグラウンドに持ち込むようになるが、それを読んだ端は逆に上のポジションを奪ってみせる。
 3Rも赤野は下からの腕十字や足関で必死の反撃を繰り返すが、2Rまでの劣勢を埋める攻撃には至らず。スマックルール10戦目にして初めて土がつくと同時に王座陥落。端はスマックルール唯一黒星の相手にリベンジすると共に、王座奪取に成功した。

第7試合 スマックガール・無差別級女王タイトルマッチ 5分3R
×高橋洋子(巴組/第3代女王)
○HIROKO(巴組/挑戦者)
判定0-3 (和田=HIROKO/芹澤=HIROKO/山崎=HIROKO)

※HIROKOが女王に

 序盤から、HIROKOがリーチのあるジャブで高橋をけん制。プラス左右のローを交ぜたコンビネーションは、シンプルだが重みが感じられる。高橋に打ち終わりを狙われる場面が目立ったが、下がらず前に出続ける。
 2RからHIROKOのプレッシャーが、高橋を飲み込み始める。コーナーに追い詰め、細かいパンチを当てると、高橋の顔は少しずつ腫れてくる。たまらずタックルで逃げる高橋。だが、簡単に切られてしまう。
 まだ新人という粋にいるHIROKOに対し、“女王”の高橋がこのような戦況に陥ってしまう事自体、既に勝負はあったのかもしれない。ラウンド後半には、HIROKOの右ストレートが当たり高橋を後退させると、会場は一気にヒートアップする。
 「3Rは疲れた」と話すHIROKO。だが、休まずジャブとローで先手を打ち、右フックで圧力。また、時折カウンターを当てるなど非凡なセンスを見せ、スタンドの攻防を主導する。高橋は、下がりながらも一発構成で勝負に出ていたが、倒すまでには至らず。
 判定は、手数、ヒット数で上回ったHIROKOに軍配。デビュー4戦目にして、女王の座に君臨した。

◆HIROKO「(先輩の高橋選手と向かい合ってどうだった?)高橋さんだとは思わず、リングで初めて会ったんだと思って戦いました。試合は練習してきた事を出すだけでした。でも、3Rは疲れてしまったので、ちょっとダメでしたね。(パンチをもらっていたが?)痛かったです。(今後は誰と戦いたい?)外国人とやりたいです。クーネンとか。(外国人は)どんなくらいのパワーなのか気になりますね。(SM女王の過去を持つが、こっちの女王の感触は?)こっちの方がうれしいです(笑)(今後の目標は?)5分3Rをもっとガツガツいけるようにしたいです。上を見てがんばります」

第6試合 51kg契約 5分2R
×Edge(総合格闘技闇愚羅)
○ハム・ソヒ(韓国/CMA KOREA 争心館)
判定0-3 (芹澤=ハム/山崎=ハム/梅木=ハム)


 ソヒがサウスポーの構えから重みのある左ストレート、左ミドル、右ロー等を何発も的確にヒット。Edgeもパンチに定評のある選手だがソヒには通じない。グラウンドに持ち込みたいが、体格で勝る上、首相撲も得意なソヒはなかなか倒れず。数度テイクダウンに成功したが、ソヒの防御力はアップしている。結局最後までソヒがEdgeを痛めつけ完勝。48kgのフライ級への減量は厳しそうだが、52kgのライト級では日本人の脅威となりそうだ。

第5試合 53kg契約 5分2R
×関友紀子(巴組)
○藤野恵実(和術慧舟會GODS)
判定0-3 (梅木=藤野/山崎=藤野/和田=藤野)


 藤野が立っても寝てもギロチンチョークで再三チャンスを作り、スタンドでもパンチを的確に当て完勝。学ランにパイプイスのヒールファッションでマイクを持つと、対戦要求しながらも欠場した風香に対し「プロレスラーがケンカ売っといて、怪我とか体重とか言ってんじゃねえよ!」と吠えた。

第4試合 ライト級 5分2R
×吉田正子(フリー)
○石岡沙織(空手道禅道会)
判定0-3 (和田=石岡/山崎=石岡/芹澤=石岡)


 スタンドのパンチ戦はほぼ互角。2Rになると寝技が増え、吉田も足関でチャンスがあったが、終盤に石岡が腕十字を極めかけ、キャリアで勝る吉田から白星を奪った。

第3試合 61kg契約 5分2R
○中井りん(修斗道場四国)
×アシァ・ザ・バシァ(オーストラリア/チーム・シャファー / XPLOSION)
1R 1'03" 腕ひしぎ十字固め

※バシァは計量オーバーによりイエローカード1

 中井は56.8kg、バシァは契約体重2kgオーバーの63kgと、体格差の大きい試合だったが、バシァの素早い打撃を防御して豪快に投げ飛ばすと、速攻の腕十字で見事勝利した。

第2試合 アッパーライフPresents The Next Cinderella Tournament 2007 ライト級決勝戦 5分2R
○V一[ヴィーはじめ](Max Jiu-Jitsu Academy & Yoga Studio)
×富松恵美(パラエストラ松戸)
判定2-1 (梅木=V一/山崎=富松/和田=V一)
※V一が優勝

第1試合 アッパーライフPresents The Next Cinderella Tournament 2007 フライ級(48kg)決勝戦 5分2R
○村浪真穂(和術慧舟會トイカツ道場)
×海老原まどか(パラエストラ柏)
判定3-0 (和田=村浪/芹澤=村浪/山崎=村浪)
※村浪が優勝

Last Update : 09/09 23:26

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