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(レポ&写真) [DEEP] 8.5 後楽園:MIKU、渡辺久江下し王者に

DEEP事務局 "ファイティングロード Presents DEEP 31 IMPACT"
2007年8月5日(日) 東京・後楽園ホール

  レポート:本庄功志  写真:ひっとまん大場。  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


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第9試合 DEEP女子ライト級(48kg)タイトルマッチ 5分2R
×渡辺久江(フリー/王者)
○MIKU(クラブバーバリアン/挑戦者)
判定0-2 (梅木=MIKU/大城=ドロー/森山=MIKU)

※MIKUが第2代王者に

 今年5月から始まった、渡辺久江の保持するDEEP女子ライト級王座の挑戦者を賭けたストーリー。MIKU、瀧本美咲、ハム・ソヒによって争われ、5月6月と一本勝ちをして、茨の道を抜け出したのがMIKUだ。
 ストーリー性が強いほど、試合に興奮し、緊張し、感動する。渡辺×MIKUは女子格闘技軽量級屈指の好カードであり、さらにベルトに至るまでの段階、タイトルマッチという二重の好条件が後押しした今回の戦いは、試合前からビリビリするほどの緊張感に包まれていた。

 「MIKUは勢いさえ殺せば問題ない相手」と試合前に話した渡辺。連勝して自らの挑戦者に名乗りを上げた相手に、注意する事は“勢いのみ”と語った。だが、当日富山からマイクロバス2台で来たというMIKUの応援団。そしてたくさんののぼりが舞い、コールが起こる場内。応援団と連動された挑戦者の勢いは、王者を完全に飲み込んでしまった。

 試合は、渡辺が「相手の勢いに引いてしまった」と序盤から後手に回る展開。開始早々距離を詰められ、右ストレートを被弾してしまう。渡辺はニカーッと笑いパンチを返すも、テイクダウンを奪われてしまう。しかし、相手の腕に下からプレッシャーをかけ、冷静にブレイクを待ってスタンドに戻す。
 ところがMIKUの勢いは止まらない。休むことなくすぐさまパンチで前に出るMIKUは、組んで渡辺をぶん投げるようにして上になると、腕十字で渡辺を牽制。そしてバックへとポジションを進めるとチョーク、スタンドに戻ると伸びのあるワンツーで渡辺を下がらせる。

 2Rは、長い時間グラウンドでの展開に。組んで相手の反り投げを潰した渡辺は、徐々にポジションを上げてマウントへ。首にプレッシャーをかけるが、MIKUにリバーサルされ体勢が逆転。しかしすぐに渡辺も返し、上下が激しく入れ替わる互角の展開が続く。
 だが、有利なポジションを長く保っていたのは勢いで勝るMIKUだった。判定になり僅差でMIKUが新王者に。試合は、全ラウンドを通じて決定的な場面はなかった。グラウンドの攻防はほぼ互角だったが、スタンドでの勝負が明暗を分けた。しなしさとこ、渡辺久江と移り変わってきた時代。今後はまた新たにMIKU時代という一つの歴史がスタートする。

◆渡辺「打撃戦をしたかったですが、相手の伸びるパンチに苦戦しました。相手の勢いに引いてしまった自分がいましたね。今後はゆっくり休んで、試合の事を考えていきたいと思います。MIKU選手は挑戦者決定戦を勝ちあがってきました。だから、今度は自分が段階を踏んで、実力を積んで、絶対に取り返したいです。自分は彼氏や男はそれほど追わないですが、ベルトに関しては形に残る物なので取り返したいです」

第6試合 71kg契約 5分2R
○Barbaro44(クラブバーバリアン)
×石川 真(PUREBRED大宮/修斗ライト級(65kg)世界6位)
2R 3'12" TKO (レフェリーストップ:スタンドパンチ連打)


 DEEP対修斗の構図でも話題を呼んだ今回の一戦。両者殴り合いを望んでおり、試合は期待を裏切る事のないバチバチの殴り合いになった。
 殴り合いで先手を取ったのは石川。ジャブをコツコツ当てながら、時折強烈な左フック。カウンターも逃さず当てていき、スタンドのペースを握る。Barbaro は左右のフックで応酬。
 2Rに入っても、石川の打撃は冴える。左フックのヒットを重ね、ジャブで相手の距離にさせない。Barbaroはアッパーを絡めた打撃を返すもヒットは浅い。だが、ラウンド中盤にBarbaroの左フックがクリーンヒット。腰が落ちた石川に追撃のパンチ連打で、逆転勝利をもぎ取った。

第10試合 76kg契約 5分3R
×長谷川秀彦(SKアブソリュート/DEEPウェルター級王者)
○キム・ドンヒョン(韓国/CMA KOREA)
3R 4'57" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ連打)


 長谷川は投げ、片足タックル等でテイクダウンを狙うも、ドンヒョンを倒す事ができず序盤から体力を消耗していく。対するドンヒョンは強烈なパウンド、猪木アリ状態からの踏み付け、サッカーボールキックなど容赦ない攻めで試合を支配。長谷川の良いところを封じ、最後はスタンドでバックを取りジャーマンで投げると、そのままマウントパンチを連打して現王者を粉砕した。両者は10月にタイトルを賭けての再戦が確実だ。

◆ドンヒョン「観客を楽しませる試合ができなかったので、道はまだまだ遠いです。試合は常に勝つと思っていますが、自分の心が弱いので試合が長引いてしまいます。経験が少ないので、心を強くしないと上にはいけません。(心はどんなところが弱い?)いけるところでいけないところです。自分は常にKOを狙っています。判定勝ちは勝ちだと思いません。今後は長谷川より良い試合をするので、ベルトが欲しいです。ベルトに挑戦させてくれなかったら、別の団体に行っちゃいますよ(笑)」

◆長谷川「DEEPのベルトを巻くと最初はみんなコケますね。相手はよく研究していました。執念も感じました。久々にこんなにパンチもらいましたね。(再戦するとなったら?)自分の強いところをもっと出していきます。自分は(前回の)中尾戦が一番強かったですね。ああいう試合をしていかないと。隙があったんですかねぇ。今後はちょっと休みたいと思います」

◆佐伯代表「ドンヒョンはびっくりするくらい強かったですね。日本の76kgの選手で、彼に勝てる選手は1人を除いていないんじゃないですかね。1人というのが、青木真也です。ドンヒョンに関しては、10月にタイトル挑戦は確実です。長谷川は王者としてのケジメをつけてほしいですね」

第8試合 66kg契約 5分2R
○今成正和(チームROKEN/DEEPフェザー級王者)
×キム・ジョンマン(韓国/CMA KOREA)
1R 3'28" 腕ひしぎ十字固め


 左のロー、ミドルで牽制する今成。だが、ラウンド中盤離れ際にジョンマンの左フックを被弾し、ダウン気味に尻餅をつく。その後追撃のパウンドを連打されピンチに陥るが、足を昇らせ三角絞めのプレッシャーをかけて凌ぐと、下から腕十字を極め勝利した。今成は「もっと上の舞台に、世界と戦っていきたいです」と話した。

第7試合 70kg契約 5分2R
○横田一則(GRABAKA/DEEPライト級王者)
×ミノル・タパレス・ツチヤ(ブラジル/HARD COMBAT)
1R 3'53" 腕ひしぎ十字固め


 本来横田と対戦予定だったアンソニー・マクデビッドが体重超過により試合を放棄したため、フューチャーファイトに出場予定だったツチヤに変更 急遽対戦相手が変わり、モチベーションに不安を覗かせる横田。横田はゴング直前、コーナーポストと向き合うと、気持ちを切り替えるように頷いてゴングを待った。
 横田はツチヤのタックルを切り続け、上のポジションをキープする。若干相手の防御に手を焼くも、腕十字で無傷の横綱相撲見せてくれた。
 横田はマイクで「『横田』っていう声がすごい力になります。でも『ハゲ』って呼ぶのはやめてください。それは郷野さんのブログを見てください。これからもまだまだ上を目指してがんばります!」とファンにアピールした。

◆佐伯代表「マクデビッドは来日時8kgオーバーしていたんですね。それで昨日の昼間までに1.4kgオーバーまで落として、それからはずっと道場で監視していました。でも、本人がスイカを食べたみたいで、また3.5〜4kgオーバーになってしまったんです。それで横田とは話をしまして、73kgまでならやるということになりました。でも、マクデビッドが『道場にいると頭がおかしくなる』ということで勝手に帰っちゃったんですよ。それで、フューチャーファイトに出るツチヤ選手にお願いしました。相手の斎木(敏明)選手には泣いてもらって、次必ず使うという事を約束しました。受けてくれたツチヤ選手にも次チャンスを上げたいですね。マクデビッドに関しては、今後罰金などを含め考えていきたいと思います。」

小見川「DEEPに必ず帰ってきます」

 第5試合の前、UFC初参戦の決まった小見川道大がリングイン。「アメリカのリングで一つ二つ大きくなってDEEPに必ず帰ってきます。佐伯代表、関係者のみなさん。小見川をよろしくお願いします」を話した。

第5試合 83kg契約 5分2R
○白井祐矢(Team M.A.D.)
×瓜田幸造(掣圏会館)
1R 2'42" 腕ひしぎ十字固め

第4試合 83kg契約 5分2R
△村田龍一(吉田道場)
△大類宗次朗(SKアブソリュート)
判定1-0

第3試合 無差別級 5分2R
×高森啓吾(SAMURAI SWORD)
○ヤン・ドンイ(韓国/CMA KOREA)
1R 1'57" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ連打)

第2試合 65kg契約 5分2R
○山崎 剛(GRABAKA)
×北田俊亮(パラエストラ千葉)
判定2-0

第1試合 無差別級 5分2R
○川口雄介(BLUE DOG GYM)
×IRO関(フリー)
1R 1'06" TKO (レフェリーストップ:スタンドパンチ連打)


◆フューチャーファイト

第3試合 65kg契約 5分2R
△大塚隆文(AACC)
△OZ(格闘サークルOZ)
時間切れ

第2試合 70kg契約 5分2R
−ミノル・タパレス・ツチヤ(ブラジル/HARD COMBAT)
−斎木敏明(パラエストラ東京)
中止
※ツチヤが本戦第7試合の横田の対戦相手になったため。

第1試合 65kg契約 5分2R
○島崎太郎(U-FILE CAMP)
×中島崇夫(バルボーザジャパン)
1R 1'16" チョークスリーパー

Last Update : 08/08 11:56

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