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(レポ&写真) [全日本キック] 7.29 後楽園:山内、スターリンとドロー

全日本キックボクシング連盟 "Super Fight 2007"
2007年7月29日(日) 東京・後楽園ホール  観衆:1,650人(満員)

  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


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第9試合 Wメイン(2) 日本VSオランダ国際戦 70kg契約 3分5R
△山内裕太郎(AJジム/全日本スーパーウェルター級王者)
△レイ・スターリン(オランダ/KBアーネム/WFCA世界ミドル級王者)
判定1-1 (50-49/49-49/49-50)


 スターリンは前後左右に細かくステップを踏み、山内をコーナーに詰めて右ストレートと右ローを当て先手を取る。経験豊富な山内といえど「初めてのタイプ」と話したように序盤は手を焼いたが、「攻撃は軽いなと思った」という。相手の動きに慣れた2R中盤、肘を当てると一気に流れをつかむ。右ハイをクリーンヒットさせた後、右肘でスターリンの前頭部をカット。3Rも右フックを数度当て、流れを引き寄せる。
 スターリンも一歩も引かず、4R終盤には左ボディと右フックで山内をぐらつかせるが、山内もその直後に右ハイをヒット。ピンチで火がつき底力を見せるのが山内の真骨頂だ。5Rも満員の場内が盛り上がりっぱなしの壮絶なパンチ戦を繰り広げ、試合は判定へ。三者三様の評価となり、引き分けという結果となった。
 4月のK-1でのドラゴ戦の敗戦の悔しさから、「4ヶ月、寝れない日々が続いた」という山内。だが、そのドラゴに勝ったことのあるスターリンとの再起戦でドロー。試合後「勝てなくて悔しい」と話したが、スターリンに対する周囲の評価を「過大評価だった」と言い放ち、スターリンにも「世界で本当に凄い選手はクラウス、サワー、ブアカーオ、魔裟斗ら5人ほどだけだと思うけど、山内はすぐその下にいて、その上を狙える選手だ」と言わしめた。山内は「前回KO負けで、今回がドローだったので、次、世界を獲れれば」とも話し、自信を取り戻した様子だった。

第8試合 Wメイン(1) 日本VSオランダ国際戦 67kg契約 3分5R
○山本優弥(青春塾/全日本ウェルター級王者)
×ジミー・エイメルス(オランダ/KBアーネム/WFCAオランダ・ウェルター級王者)
判定3-0 (50-45/49-45/50-45)

※2R左ハイキックでエイメルスに1ダウン

 優弥は大会直前にとある箇所を負傷したせいもあってか、神妙な面持ちでリングインする。だがローの打ち合いの後、2Rに左ハイキックでダウン先取に成功。その後左手のガードが下がり、エイメルスの右ストレートをたびたびもらってしまったものの、強烈な左ミドルでエイメルスの右脇を赤く腫れ上がらせ、右ローをエイメルスの左足に効かせる。とはいえエイメルスもキック王国オランダのホープだけあり、タフさは尋常では無い。優弥の攻撃をいくらもらっても表情を変えず、最後までパンチを返し、5Rにはバックハンドブローを当ててみせる等、試合をヒートアップさせた。
 試合後マイクを持った優弥は「10月の代々木大会に向けて、倒してアピールしたかった。60kgのトーナメントだけに話題を取られたら、70kgの僕はムカつく。自分は代々木のメインを取る気でいます」とアピールした。好調ぶりと試合内容の良さでは山内にも引けを取らないものを見せたが、果たして優弥の夢はかなうのか?

第7試合 Wセミ(2) 日本VSタイ国際戦 70kg契約 3分5R
×望月竜介(U.W.F.スネークピットジャパン/全日本スーパーウェルター級1位)
○カノンスック・JMC(タイ/JMC横浜GYM/元ラジャダムナン・スーパーライト級10位)
3R 2'30" KO (右肘打ち)


 JMCに新加入したカノンスックが、日本デビュー戦で現在進行形のムエタイのトップレベルの恐ろしさをまざまざと見せつけた。1Rから上中下左右の蹴りをバランスよくヒット。スーパーライト級から階級を上げたばかりで、破壊力はさほどでは無いが、テクニックはやはり一級品だ。
 2Rになると、望月の右ローが効き出し、カノンスックはピンチに。だが「(同門の)大輝も負けたらおしまいだと思った。サプリメントを用意してくれたり、色々良くしてくれた会長のためにも負けられなかった」といい、作戦を変更。首相撲から膝蹴りを打ち込む攻防に持ち込み、ボディに意識を向けさせると、「相手のアゴが上がった」チャンスを逃さず、意表を突くような右の縦肘をクリーンヒット。ダウンした望月は立ち上がるも10カウントに間に合わず、カノンスックが見事KO勝利を飾った。

第6試合 Wセミ(1) 日本VSタイ国際戦 70kg契約 3分5R
×大輝(JMC横浜GYM/全日本スーパーウェルター級2位・WBCムエタイ世界ウェルター級4位・ラジャダムナンウェルター級9位)
○クンタップ・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックスジム/M-1スーパーウェルター級王者)
判定0-2 (梅木48-49/和田49-49/朝武47-49)


 クンタップはパンチ、ミドル、ロー、前蹴り等、先に先にと攻撃を出し、1Rから主導権。大輝は攻撃が全て後手に。2R終盤にはパンチをもらい、鼻血を出すように。3Rにはクンタップの左右の連打で腰が落ちる場面も。
 だが4R、クンタップは左足を痛めたのか、急激に動きが落ち、構えをスイッチする場面も。大輝は右ローを当て、5Rには左右のフックをたびたびクリーンヒットさせ、クンタップをひるませる。だが百戦錬磨のクンタップは、前蹴りやミドル等を休まず出し、辛うじて逃げ切りに成功。対日本人連勝記録を5に伸ばした。

第5試合 全日本ウェルター級ランキング戦 サドンデスマッチ(3分3R・延長1R)
○湟川満正(AJジム/全日本ウェルター級1位)
×吉川英明(チームドラゴン/J-NETWORKウェルター級1位)
4R 判定2-1 (梅木10-9/朝武9-10/和田10-9)

3R 判定1-0 (梅木28-28/朝武29-28/和田28-28)
※1R左フックで吉川に1ダウン

 1R、湟川が左フックでダウンを奪い、幸先良いスタートを切るが、2R中盤から吉川の左右のアッパーとフックが当たりだし反撃。3Rも若干手数で上回り、延長戦に持ち込む。延長では体力が切れ惜しくも敗れたものの、大差は無く、全日本のトップランカーとも互角の力を持つことを証明するファイトだった。

第4試合 ライト級 3分3R
×西山洋介(光ジム)
○卜部弘嵩[うらべ・ひろたか](西山道場/全日本新空手K-2軽中量級'07優勝)
1R 0'58" KO (3ダウン:左ハイキック)

第3試合 ライト級 3分3R
△白濱卓哉(建武館)
△園山翔一(WSK白仙会/全日本新空手K-2軽中量級'06優勝)
判定1-0 (30-29/30-30/30-30)

第2試合 フェザー級 3分3R
○九島 亮(AJジム)
×大前力也(WSK KSS健生館/全日本新空手K-2軽量級'06優勝)
2R 0'40" TKO (ドクターストップ:膝蹴りによる鼻の負傷)

第1試合 バンタム級 3分3R
×ケンゴ(NJKF・格闘技道場G-1)
○瀧谷渉太(WSK桜塾/全日本新空手K-2軽量級'07優勝)
1R 2'12" KO (膝蹴り)

◆オープニングファイト

第2試合 ライト級 3分3R
×丹藤義則(AJジム)
○渡部太基(藤原ジム)
3R 1'51" KO (左ハイキック)

第1試合 ウェルター級 3分3R
×古屋一樹(光ジム)
○清水 武(藤原ジム)
3R 1'47" KO (3ダウン:左ローキック)

Last Update : 08/01 12:25

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