(レポ&写真) [スマック] 3.11 新宿:しなし涙の防衛。端が王座挑戦権
キルゴア / スマックガール実行委員会 "SMACKGIRL 2007 〜女王は新宿の夜を赤く染るか?〜" 2007年3月11日(日) 東京・新宿FACE 入場者数:968人(超満員札止め)
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第8試合 メインイベント スマックガール・フライ級女王タイトルマッチ 5分3R ○しなしさとこ(フリー/初代女王) ×瀧本美咲(禅道会/挑戦者) 判定2-1 (和田=しなし/芹澤=瀧本/山崎=しなし) ※しなしが初防衛に成功
しなしが赤コーナーから入場してきた時、彼女がチャンピオンだということを思い出すのに、少々時間がかかった。150cmの小さな体からは、いつになく悲壮感が感じられる。 昨年のKO負けの後、二戦連続の一本勝ちを果たしても注目度に欠け、ポジションが曖昧になった。現在の女子総合の軽量級は、渡辺久江、MIKUといった新世代の台頭で、しなしを中心に回らなくなってきている。今回対戦する瀧本は過去に2度勝利している相手だが、しなしも「この階級で美咲ちゃんが一番強い」と語る最強の挑戦者だ。女王はこの苦境を乗り越えることができるのか。
試合は、しなしが首投げでテイクダウンの先取に成功する。投げ→腕十字固めの必勝パターンに持ち込もうとするも、瀧本がしっかりとディフェンス。 試合が進むにつれ、しなしの投げの失敗が増え、タックルに行っても切られる展開が続く。瀧本にバックを許すシーンが目立つようになるも、進化した女王は、打撃で活路を見出す。左のフックで牽制し、右のフック、アッパーを出す。距離が遠くなると右ミドルとプレッシャーをかける。 しかし、そんな簡単に攻略できないのが瀧本。2Rに入っても、瀧本は2回に1回はしなしの投げを潰し、バックに回ると、ボディにヒザをめり込ませる。スタンドでも、瀧本が鋭いジャブをしなしの顔面にヒットさせ主導権を握らせない。
投げをことごとく潰されるしなし。だが「焦りはなかった」と話す。見切られても、流れの中で相手の腕・足を瞬時に狙い、巧さを見せる。 2R中盤にしなしが、投げの流れから裏十字、反転して腕十字と腕を一気に伸びきり、最大のチャンス。だが瀧本はなんとか耐え、30秒が経ち時間切れのブレイク。会場からは自然と大きな拍手が沸き起こる。 試合の終盤になると、瀧本が「熱があった。減量がきつかった」との理由でスタミナ切れを起こし失速。しなしのタックルが決まりだし、流れを渡す。下から腕十字を狙う瀧本だが、しなしは冷静に対処。しなしが上のポジションをキープし続け、試合は終了した。
判定はスプリットでチャンピオンを支持。勝利が決まった瞬間、しなしは喜びを爆発させ、昨年の悪夢を払拭したかのように、人目をはばからず泣いた。しなしの再浮上はここから始まる。 試合前には、「今年は強い選手とだけ試合をしたい」と話したしなし。試合後は、「もっともっと強くなりたい」「夢は大きく、世界進出かな」と口にする。2007年の彼女は、攻めることしか見えていない。
◆しなし「みんなのおかげで勝てました。すごい嬉しいです。(現在泣いていて)ブラジル行ったら涙もろくなってしまいました。ブラジルでは、嬉しいときは喜ぶ、泣きたいときは泣くといった、自然体になることを学びました。 (投げをすべて潰されていたが?)そうですね。(相手)研究していましたね。強いですやっぱり。でも焦りはなかったですね。(作戦通りできなかった?)リラックスすることしか考えていませんでした。作戦はなかったです。好きにやっていいって言われたんで。思ったより私もパンチが当たったからビックリしました。今までの試合の中で一番落ち着いていましたね。試合の途中で楽しくなってしまいました。(勝因は?)腕が極まったシーンがあって、あれが分かれ目だったと思います。
(また、次の挑戦者が来ると思うが?)何にも考えられないです。またここに呼んでもらえるようにがんばります。またブラジル行って強くなりたい。早くブラジルに帰りたいです。(新宿FACEという会場は?)広い会場でリングの周りに人がいないより、手前に人がたくさんいて会場が満員のほうがいいです。試合でこんなに泣いたのは初めてですね。相手が強いのもありますが、一度地獄を見ているので、続けてきてよかったです。去年は負けて学びました。今後は、素の自分で行ければいいと思います。いろいろなところで試合がしたいですね。(今後の目標は?)夢は大きく世界進出かな。」
◆瀧本「言い訳ではないんですけど、先週熱が出てしまって、減量もきつかったですが周りの人に支えてもらいました。スタミナに自信がなかったですが、セコンドから試合終盤に『あと2分』と言われて、『人生の中で2分なんてどうってことない』と思い頑張りました。(相手の印象は?)もっと練習すれば届く人だとわかりました。(作戦は?)打撃で翻弄していきたかったのですが、向こうも打撃で行く作戦だったようで、威圧感に押されました。相手の方が気持ち1枚も2枚も上でした。(今後の抱負は?)気持ちを含め、技1つ1つに強さを身に付けたいです」
第7試合 スマックガール・ミドル級女王次期挑戦者決定戦 5分2R ○端 貴代(和術慧舟會東京本部) ×シビル・スター(アメリカ/ダン・スバーン・ブラッド・サースティー・アーミー) 1R 2'47" 腕ひしぎ十字固め
お色気ムンムンの紹介VTRで、「アグレッシブ・モンロー」の異名を取るシビル。ダン・スバーンの弟子として、期待値が高かったものの、グラップリングで名を馳せた端の相手ではなかったようだ。 序盤から端の鋭い右ローがヒットし、シビルは前に出られない。打ち合いの中でも、端のコンパクトなワンツーに対し、シビルは振り回すようなパンチでヒットに乏しい。端は猪木アリ状態から、ボディにふみつけを放つなど完全に流れを掴む。ラウンド中盤に端がマウントを奪取。ロープ際だったものの難なく腕十字を極め完勝した。 この試合を見た限りでは、シビルの良いところは見られず、正直実力差があったように思えた。ミドルの選手が少ないのもあるかもしれないが、初参戦のシビルに挑戦権を争わせたことに疑問を感じた。
第6試合 格闘王国Presents SMACKGIRL KILLER QUEEN TOURNAMENT 1回戦 フライ級 5分2R ○舞(チーム品川) ×吉田正子(フリー) 判定2-1 (和田=舞/梅木=吉田/山崎=舞)
吉田が一発パンチを放つと、舞は4連打と倍以上の手数で返す。ラウンド中盤から吉田が引き込みを連発し、ラバーガードからの仕掛けを見せるも、極めるまでには至らない。下から腕十字を再三に渡って狙う吉田の攻めを、舞は落ち着いて潰し、ボディにパンチを放ち寝技30秒ルールを有効に使う。舞が上、吉田が引き込んで下の状態がほとんどで、決定打なく試合は終了。お互いアグレッシブに攻めたが、下のポジションに居続けた吉田の印象が悪かったようだ。
第2試合 格闘王国Presents SMACKGIRL KILLER QUEEN TOURNAMENT 1回戦 フライ級 5分2R ×関由紀子(巴組) ○兼谷絵里(和術慧舟會A-3) 判定0-3 (梅木=兼谷/和田=兼谷/山崎=兼谷)
兼谷が再三に渡りグラウンドでトップポジションをキープする。両者身長差もあり、スタンドでも兼谷が首相撲からのヒザで試合をコントロール。2R、兼谷のアームロックにキャッチがコールされるも極められず。だが、すべての局面で試合をリードした兼谷が、判定で危なげなく勝利した。
第3試合 スーパーギャルズミックス杯 無差別級トーナメント準決勝 5分2R ×唯我(演劇集団純情維震軍) ○HIROKO(巴組) 判定0-3 (梅木=HIROKO/芹澤=HIROKO/山崎=HIROKO)
HIROKOの180cmの長身は女子格闘技界ではそれだけで脅威だ。特に今回の試合で、そのモンスターぶりをまざまざと見せてくれた。 スタンドではリーチ差があるHIROKOが唯我を圧倒。唯我は距離を詰め、右フックを放っていくも届かない。ならば次の手とタックルを狙うも、HIROKOは簡単にがぶって潰す。180cmの身長で、この基本動作が難なくこなせるところも強味。タックルを切ったHIROKOはボディに鉄槌、ヒザを連打。寝技30秒の時間を無駄なく使う。 2Rに入っても、HIROKO有利は変わらない。唯我が組み付いて、テイクダウンを奪うも下のHIROKOの防御は固い。ラウンド終盤に、上になったHIROKOが腕十字の体勢に入り、腕を伸ばしきるも終了のゴングに阻まれる。判定は文句なしのHIROKO。唯我はゴング直前に極められた腕を、苦しそうに押さえていた。
第5試合 スーパーギャルズミックス杯 無差別級トーナメント準決勝 5分2R ×たま☆ちゃん(巴組) ○武田美智子(禅道会) 判定0-3 (梅木=武田/芹澤=武田/山崎=武田)
たま☆ちゃんがゴングと同時に、胴回し蹴りで奇襲。しかし武田は冷静にブロックし、スタンドでも相手のタックルを切る。武田は組み付いて投げを連発し、約10kg以上の体重差で上のポジションをキープ。たま☆ちゃんにペースを握らせず完封勝ちした。決勝ではたま☆ちゃんの後輩・HIROKOと激突する。
第4試合 フルコンタクト空手特別試合 2分2R(延長2分) ○小林由佳(西山道場) ×佐藤智恵(極真会館 田町道場) 判定3-0
小林が果敢に前に出て、突きを見舞う。佐藤の上段蹴りを被弾しても、構わずに突進。内股に左の蹴り、逆突きが有効で、終盤に佐藤は嫌な顔を見せる。小林は前に手数多く出続け判定勝利。「5月には全日本ウェイト制があるので、その前の戦いも慎重にいきたい」と、試合後話した。
第1試合 55kg契約 5分2R ×岡田 円(西山道場) ○藤野恵実(和術慧舟會GODS) 1R 2'34" ストレートアームバー
序盤に藤野が腕十字のチャンス。しかし、寝技30秒ルールに阻まれてしまう。スタンドになると、岡田が突進してパンチを振っていくも、バランスを崩しマウントを取られてしまう。そこからは、藤野が素早く相手の腕を絞り上げ勝利。 岡田は、レフェリーに「なんで止めるんだ!」というような表情で詰め寄り、悔しさを露にした。泣きながらリングを降りた岡田だが、そのような負けん気を見せる女子格闘家は、いるようでなかなかいないと思う。彼女は、まだ今年高校卒業したばかりの18歳と若い。反骨の精神で、トップに駆け上がる時間は十分にある。
キルゴア / スマックガール実行委員会 "SMACKGIRL-F 2007 〜The Next Cinderella Tournament 2007 開幕戦〜" 2007年3月11日(日) 東京・新宿FACE
[ワンマッチ]
第12試合 ライト級 5分2R ×茂木康子(ストライプル) ○内藤晶子(和術慧舟會RJW) 判定1-2
第11試合 ライト級 5分2R ○高林恭子(ALIVE) ×石岡沙織(禅道会) 判定3-0
第10試合 ミドル級 5分2R ○森藤美樹(T-BLOOD) ×HARUMI(巴組) 1R 0'35" チョークスリーパーホールド
第3試合 50kg契約 5分2R ○SACHI(禅道会) ×奥村ユカ(S-KEEP) 2R 3'05" 腕ひしぎ十字固め
[アッパーライフPresents The Next Cinderella Tournament 2007 1回戦]
第8試合 フライ級 5分2R ○村浪真穂(和術慧舟會トイカツ道場) ×高瀬紗弥華(禅道会) 1R 2'59" TKO (レフェリーストップ:膝の負傷)
第4試合 フライ級 5分2R ○海老原まどか(パラエストラ柏) ×溝口麻美子(A-SQUARE) 判定3-0
第7試合 ライト級 5分2R ×齋藤安奈(巴組) ○V一[ヴィーはじめ](MAX柔術アカデミー&ヨガスタジオ) 1R 4'53" チョークスリーパーホールド
第6試合 ライト級 5分2R ○富松恵美(パラエストラ松戸) ×Megu(禅道会) 判定3-0
第5試合 ミドル級 5分2R ○弁慶(ガムランナック) ×坂本ひとみ(フリー) 1R 1'41" 腕ひしぎ十字固め
[SMACKGIRL GRAPPLING PRINCESS LEAGUE 02] (Giグラップリング公式ルール ライト級4人トーナメント)
決勝戦 4分2R ○牛塚愛子(AACC) ×小寺麻美(REDIPS) 1R 3'08" 腕ひしぎ十字固め ※牛塚が優勝
第2試合 1回戦 4分2R ×船越あゆみ(U-FILE CAMP赤羽) ○牛塚愛子(AACC) 2R 1'05" チョークスリーパーホールド
第1試合 1回戦 4分2R ○小寺麻美(REDIPS) ×長野美香(S-KEEP) 1R 1'35" 腕ひしぎ十字固め
Last Update : 03/14 12:40
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