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(レポ) [UFC 65] 11.18 サクラメント:ヒューズ・ミア・三島が完敗

Zuffa "Ultimate Fighting Championship 65: Bad Intentions"
2006年11月18日(土) 米国カリフォルニア州サクラメント:アルコアリーナ

  レポート:井原芳徳(協力:WOWOW)  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


第9試合 メインイベント UFCウェルター級タイトルマッチ 5分5R
×マット・ヒューズ(アメリカ/チーム・エクストリーム/王者)
○ジョルジュ・サンピエール(カナダ/TKOマネージメント/挑戦者)
2R 1'25" TKO (レフェリーストップ:左ハイキック→グラウンドパンチ)

※サンピエールが新王者に

 右膝の状態の悪いヒューズに対し、リーチと打撃テクニックで勝るサンピエールがロー、ジャブ、ストレートを的確に叩き込み主導権。サンピエールがバックキックを当てると、ヒューズは苦笑いを浮かべサンピエールとハイタッチ。組み付こうとするが簡単にサンピエールにかわされてしまう。
 中盤にはサンピエールの左ローがヒューズの下腹部に2連続でヒット。もちろんサンピエールが悪いため、場内はその度にブーイングに包まれるが、よけきれないヒューズの調子の悪さを象徴する場面でもある。
 その後もサンピエールが左ジャブで主導権を維持し、右ストレートでヒューズをぐらつかせる。さらにヒューズの不用意な右ミドルを捕まえ、右ストレートを当てつつテイクダウン。パウンドを当てた後、立ち上がり際に左膝を当てる。
 ヒューズは胴タックルでテイクダウンを狙うが、サンピエールに突き放され苦笑い。場内は拍手に包まれる。最後はサンピエールの右と左のフックがヒット。ダウンしたヒューズはラウンド終了のブザーに救われる。
 2Rもヒューズの胴タックルを突き放し、サンピエールが左ジャブと右ローを当て主導権。ヒューズは早くも疲れを見せ、ガードが下がるように。痛めている膝にローをもらいスリップする場面も。最後はヒューズが胴タックルに行こうと一瞬腰を下げると、既にヒューズの攻撃パターンを読んでいるサンピエールが左ハイ。首筋に思いっきりもらいダウンしたヒューズに、パウンドと肘を連打したところでレフェリーが試合をストップ。まさかの王座奪取&リベンジに成功した。
 

第8試合 メインイベント UFCヘビー級タイトルマッチ 5分5R
○ティム・シルビア(アメリカ/チーム・エクストリーム/王者)
×ジェフ・モンソン(アメリカ/アメリカン・トップ・チーム/挑戦者)
判定3-0 (50-45/49-46/49-46)

※シルビアが防衛

 モンソンはジョン・レノンの「イマジン」で入場。セコンドには同じワシントン州出身のジョシュ・バーネットの姿も見える。シルビアが登場すると場内からはブーイングが。人気は西海岸出身のモンソンの方が上だ。
 1Rはレスリング出身のモンソンのタックルを、シルビアが切り続ける攻防。スタンドでは両者距離を取り、背の高いシルビアの顔面に、数度モンソンが右フックを叩き込む。
 2Rも同様の展開。長期戦を意識してか? シルビアはなかなか攻めないが、タックルを切られるモンソンはジャッジに対して印象が悪い。
 3Rになり試合はようやく動き出す。すぐにモンソンがタックルでテイクダウン。リーチ差の影響でパウンドが届かず、逆にシルビアのパンチと肘をもらってしまうが、3分過ぎにいったん立ち上がり、サイドに回り込むことに成功する。シルビアが抜け出す際にギロチンを仕掛けチャンス。すぐにすっぽ抜けるが、再びサイドをキープする。もう1回ギロチンを狙うも、読まれてしまい失敗。モンソンは右まぶたから出血しドクターチェック。視界がふさがり、ラウンド終盤にはシルビアのテンカオを2連発でもらい苦しむが、寝技の主導権でポイントを奪ったようだ。
 とはいえモンソンが良かったのはここまで。4Rにはタックルを切られるとサイドポジションを許し、アームバーと肘のプレッシャーで劣勢。脱出して上になるも、シルビアの三角絞めにつかまる。外したものの、得意の寝技でシルビアに主導権を譲る。
 最終ラウンドのシルビアは逃げ切りモード。序盤戦同様、モンソンのタックルを切り、立ったまま距離を取り続ける。場内は大きなブーイングに包まれ、ビッグ・ジョン・マッカーシー・レフェリーも両者に積極的なファイトを促すが、シルビアはお構い無し。モンソンのタックルを切り続け、そのまま終了。実力差はさほど感じられなかったものの、試合運びの巧さでベルト防衛に成功した。


第7試合 ライトヘビー級 5分3R
×アレッシオ・サカラ(イタリア/ブラジル・ドージョー)
○ドリュー・マクフェドリース[Drew McFedries](アメリカ/チーム・エクストリーム)
1R 4'07" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)


 序盤パンチでやや攻め込まれたサカラだったが、左ストレートをきっかけにパンチのコンビネーションで反撃。だがマクフェドリースも下がりながらパンチを返し、ダメージを感じさせない。残り1分近くには、金網に詰められてパンチをもらったにも関わらず、右アッパーと左フックの連打で一気に反撃。サカラをダウンさせ、パウンドを連打したところでレフェリーがストップした。マクフェドリースはUFC初登場ながら驚異的な打たれ強さとパンチ力でインパクトを残した。


第6試合 ヘビー級 5分3R
○ブランドン・ベラ(アメリカ/シティ・ボクシング)
×フランク・ミア(アメリカ/ラスベガス・コンバットクラブ)
1R 1'09" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)


 ボクシングの攻防で、ベラは軽快なステップからカウンターで左のストレートをヒット。さらに右ストレートをミアの鼻柱に2発叩き込むと、そのまま組み付いてアゴに膝。最後はダウンしたミアに、サイドからパウンドを連打したところでレフェリーが試合を止めた。
 ベラは総合戦績8戦全勝、UFC戦績4戦全勝。ここ3試合は全て1Rで勝負をつけている。スタミナがどれだけあるかがわからないが、打撃の巧さは脅威。王者シルビアに挑戦する日もそう遠くは無さそうだ。


第5試合 ライト級 5分3R
○ジョー・スティーブンソン(アメリカ/コブラ会柔術ライモンズ・スクール)
×三島☆ド根性ノ助(日本/総合格闘技道場コブラ会)
1R 2'07" タップアウト (フロントチョークスリーパー)


 アメリカのテレビ中継の最初を飾ったこの試合。三島はいつもの「福岡市ゴジラ」をBGMに通路から登場。フェアテックスのTシャツの上に青い半天を着込み、赤鬼のお面をかぶり、スヌーピーの人形を左手に抱えるという摩訶不思議な姿のまま金網の中へ。両手の人差し指を立てるポーズを笑顔で決め、リラックスした様子だ。ファンや関係者のメッセージが書かれた日の丸をセコンドが掲げている。
 日米コブラ会対決は、打撃無しの攻防に終始。開始早々、三島はサウスポーの構えからストレートのワンツーを放つと、スティーブンソンの両脇を差して、素早い反り投げでテイクダウン。すぐさまハーフガードに。だがスティーブンソンは落ち着いており、左脇で三島の首をギロチンチョークで捕まえる。クロスガードの状態で締め上げると、三島は一瞬苦しそうな表情を見せるが、腰を浮かして防御。マットに叩き付けてポイントをずらし脱出する。
 スティーブンソンが再びギロチンを狙うと、その隙を突いて三島はパスガードに成功。とはいえスティーブンソンはポジションキープを許さず、上四方になりかけた三島をすり抜け、再びガードに戻す。下からの執拗なギロチン狙いでプレッシャーをかけ続け、三島に主導権を与えず。フィニッシュもギロチン。今度はガッチリと極まり、三島はタップするしかなかった。
 地元カリフォルニア出身の24歳のホープ・スティーブンソンの華麗な勝利に満員の客から大きな歓声。勝ち名乗りを受けるスティーブンソンを背に、三島は肩を落とし無念の表情を浮かべていた。


第4試合 ウェルター級 5分3R
○ニック・ディアス(アメリカ/シーザー・グレイシー・アカデミー)
×グレイソン・チバウ(ブラジル/アメリカン・トップ・チーム)
2R 2'27" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第3試合 ヘビー級 5分3R
○アントニー・ハードンク(オランダ/ヒクソン・グレイシー柔術)
×シェルマン・ペンダーガースト[Sherman Pendergarst](アメリカ/チーム・エクストリーム)
1R 3'15" TKO (レフェリーストップ:右ローキックでダウン後)

第2試合 ライトヘビー級 5分3R
○ジェームス・アーヴィン(アメリカ)
×ヘクター・ラミレス(アメリカ)
2R 2'36" TKO (レフェリーストップ:右フック→グラウンドパンチ)

第1試合 ヘビー級 5分3R
×ジョシュ・ショックマン(アメリカ)
○ジェイク・オブライエン(アメリカ)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)

Last Update : 11/21 14:47

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