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(レポ) [K-1 WGP] 3.5 ニュージーランド:シュルト、アーツに敗れる

FEG "FieLDS K-1 WORLD GP 2006 in AUCKLAND"
2006年3月5日(日) ニュージーランド・オークランド:トラストスタジアム  観衆:8800人(超満員札止め)

  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


■スーパーファイト

第7試合 3分3R(延長1R)
×セーム・シュルト(オランダ/正道会館/'05 世界GP王者)
○ピーター・アーツ(オランダ/チーム・アーツ/'94 '95 '98 世界GP王者)
判定0-2 (28-28/28-29/28-29)

※シュルトにつかみの反則による減点2あり

 シュルトの巨体から繰り出される前蹴りやミドルやテンカオに押され気味だったアーツだが、右フックで飛び込み距離を詰める戦法でペースを握らせず。だがこうなると両者が組み付く展開が繰り返されるように。今年から組み付きのチェックが厳しくなった影響もあり、2Rには両者に警告が2度出される。3Rになるとさらにシュルトに対する注意が繰り返され、イエローカード2枚で減点1。その間にもアーツが何発かパンチを的確にヒットしたことが評価され、王者シュルトの判定負けとなったが、アーツに負けたというよりもルールに負けたという印象が残った。


第9試合 3分3R(延長1R)
○レイ・セフォー(ニュージーランド/レイ・セフォー・ファイトアカデミー/'0 世界GP3位)
×フランソワ・ボタ(南アフリカ/バッファローズ)
判定3-0 (30-27/30-27/30-28)


 セフォーが右ローを着実に当て続け攻勢。時折お得意のノーガード戦法やバックスピンキックも駆使し観客を楽しませる。決定打に欠きやや単調な展開ではあったが、9年ぶりの故郷凱旋試合としてはまずまずの内容となった。


■ オセアニアGP

第1試合 1回戦Aブロック(1) 3分3R(延長1R)
×シリル・アビディ(フランス/ブリゾンジム)
○堀 啓(日本/チームドラゴン)
2R 終了時 TKO (続行不可能:左足負傷)


 アビディは昨年のパリ大会で左足を痛め、今回が復帰戦だったが、まだ完治していなかった様子。堀のローにあっさりとバランスを崩し、終盤にはダウンを喫してしまう。1R終了後、長いドクターチェックの後、試合は続行するが、堀の右ローでまたもダウン。なんとかラウンド終了までアビディは持ちこたえたが、セコンドがタオルを投入した。


第2試合 1回戦Aブロック(2) 3分3R(延長1R)
○ジェイソン・サティー(ニュージーランド/ETKジム)
×ポーラ・マタエレ(ニュージーランド/レイ・セフォー・ファイトアカデミー)
判定2-0 (29-28/29-29/29-28)


 2R中盤までサティーがパンチを当て主導権。だが後半はマタエレがパンチと膝を返し挽回。3Rは一進一退の展開となるも、サティーがなんとか逃げ切った。


第3試合 1回戦Bブロック(1) 3分3R(延長1R)
×バダ・ハリ(オランダ/ショータイム)
○ピーター・グラハム(オーストラリア/ムンダインズジム)
3R 2'54" KO (左胴回し回転蹴り)


 グラハムは1R中盤、右の叩き付けるようなパンチをハリの側頭部に当てグラつかせる。15kgの体重差に苦しむハリだが、大振りのフックや飛び膝、回し蹴りで果敢に応戦し、アウェーの会場を湧かせる。右ローも着実に当て、パンチをブロックしてから右ストレートを返す等、基本技も駆使。グラハムも疲れが見えだし、2R最後には空手出身者らしく後ろ胴回し蹴りの大技を繰り出す場面も。
 3R、ハリは左ミドルや右ロー、グラハムはストレートや右ローを当て、一進一退の消耗戦。K-1らしい打ち合いに会場は湧く。とはいえどちらも決め手がなく、延長戦突入かというムードに。だが終了間際、2Rの最後同様、グラハムが右ストレートのフェイントからの遠心力たっぷりの後ろ胴回し蹴りをハリの首筋にクリーンヒット。ハリは大の字にKOし会場は大盛り上がりとなった。ハリは昨年世界GPリザーブ戦でレコをKOし一気に知名度を上げたが、皮肉にも同じ技で散ってしまった。


第4試合 1回戦Bブロック(2) 3分3R(延長1R)
○ポール・スワロンスキー(ポーランド/ファインダーズ・ユニ・ムエタイジム)
×ロニー・セフォー(ニュージーランド/レイ・セフォー・ファイトアカデミー)
判定3-0 (30-29/30-27/30-29)


 過去にも両者は対戦経験があり、スワロンスキーが勝利。今回もスワロンスキーがローを磁に試合を組み立て、ロニーのフックをほとんど防御し完勝した。


第5試合 準決勝戦Aブロック 3分3R(延長1R)
×堀 啓(日本/チームドラゴン)
○ジェイソン・サティー(ニュージーランド/ETKジム)
3R 1'34" KO (右フック)


 サウスポーでリーチの勝る堀が、左ミドル、左ローを当て主導権。1R序盤にはサティーに飛び込んでの右フックを合わせられる場面もあったが、2Rには左のテンカオをきっかけにストレートの連打とハイでラッシュを仕掛ける等、確実な攻めでサティーを痛めつける。
 2Rまでサティーは右周りで堀の左の蹴りを弱めるという、どちらかといえば守勢のスタイル。だが後が無くなった3Rは前に出てパンチを振り回す積極的なスタイルにシフト。これが最後にチャンスを呼び寄せる。それでも左ミドルをもらい距離を取られるが、繰り返すうちに堀はパンチに応じるように。すると堀の左フックに合わせ、サティーがショートの右フックを堀のアゴにクリーンヒット。堀は前のめりで倒れ、見事サティーが逆転勝利をもぎ取ることに成功した。


第6試合 準決勝戦Bブロック 3分3R(延長1R)
×ピーター・グラハム(オーストラリア/ムンダインズジム)
○ポール・スワロンスキー(ポーランド/ファインダーズ・ユニ・ムエタイジム)
2R 1'42" KO (2ダウン:右ローキック)


 互いにローを当てる攻防が続いたが、1回戦のダメージが大きいグラハムは、スワロンスキーの攻撃を浴びるうちに失速。右ローで2連続ダウンを喫し、決勝進出を逃した。


第7試合 決勝戦 3分3R(延長1R)
×ジェイソン・サティー(ニュージーランド/ETKジム)
○ポール・スワロンスキー(ポーランド/ファインダーズ・ユニ・ムエタイジム)
2R 1'45" KO (左ハイキック)

※スワロンスキーが優勝

 サティのフックをブロックしたスワロンスキーは、これまでの試合同様着実にローを当てる。左フックや左ハイも散りばめて相手をかく乱。地元のサティーに対する「ジェイソン」コールが巻き起こるが、最後はスワロンスキーがミルコを思わせる左ハイで豪快にサティーをKOし、開幕戦への切符を初めて手にした。


リザーブファイト 3分3R(延長1R)
×ベン・エドワーズ(オーストラリア/ブルドッグジム)
○ジェイ・ヒッピー(ニュージーランド/エリート・タイ・キックボクシング)
判定0-2 (28-30/28-28/28-29)

リザーブファイト 3分3R(延長1R)
×シドニー・アシアータ(ニュージーランド/レベル・リー・ガー)
○マット・サモア(オーストラリア)
3R 終了時 TKO (続行不可能:肩の脱臼)
※3R判定1-1 (29-29/29-27/28-29)

Last Update : 03/15 10:30

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