(レポ&写真) [MAキック] 8.14 後楽園:フライ級・森田と高橋が激闘
マーシャルアーツ日本キックボクシング連盟 "DETERMINATION (決心) 7th 〜梶原一騎19回忌追悼記念 第8回梶原一騎杯 キックガッツ2005〜 " 2005年8月14日(日) 東京・後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳 【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
第3試合 交流戦 52kg契約 3分5R ○森田晃允(橋本/MA日本フライ級1位) ×高橋拓也(拳之会/NJKFフライ級王者) 判定3-0 (緒方50-48/小林50-49/大沢50-48)
森田、豪打対決制しNJKF王者狩りに成功
フライ級離れしたパンチの破壊力に前から定評のある両者。1R開始から、互いにフックをクリーンヒットさせ、団体対抗戦らしく白熱した試合を繰り広げる。だが激しい打ち合いの中でも、森田は高橋の連打をしっかりブロックすると、パンチだけでなくコンビネーションからの右ローを当て、少しずつ主導権を引き寄せる。逆に高橋はパンチに頼りすぎ、パターンを森田に読まれるように。次第に後ずさりする場面が増える。だが高橋は何度か森田のパンチでグラつきながらも、すぐ回復して森田にパンチを当て返し、驚異的なタフネスを発揮。結局最後まで森田を追い込むことはできなかったものの、会場は大ヒートアップ。終了後には対抗戦にも関わらず、観客がスタンディングオベーションで両者の激闘を讃えた。
NJKF王者を判定で下した森田はマイクを持つと「パンチ力No.1の高橋選手に打ち勝ったので、俺がフライ級ハードパンチャーNo.1だ!」「チャンピオン(小暮正祥)が怖がって逃げているので、高橋選手に勝ったことのある魂叶獅[たかし]選手とやりたいです。本当の日本一を決めましょう」とアピールした。MAキックは9月に入り、11/6ディファ大会で小暮と森田のフライ級タイトルマッチを行うことを発表している。 なお、森田は梶原一騎杯を獲得。例年ならばメインかセミから選出されるが、両者フルラウンドの激闘に、真樹日佐夫選考委員長を始め、役員全員一致で森田の受賞に決定した。
第7試合 メインイベント UKF世界ジュニアミドル級タイトルマッチ 3分5R △DAVID(アメリカ/真樹沖縄/王者) △我龍真吾(ファイティングマスター/挑戦者・J-NETWORKウェルター級王者) 判定1-0 (緒方50-50/小林50-49/秋谷50-50) ※DAVIDが王座防衛
K-1経験者・DAVIDを追い越せず。それでも我龍は走り続ける
序盤から互いに単発の右ローを当て合う展開。3RにはDAVIDの鋭いローで我龍の動きが一瞬鈍くなることもあったが、「ローかボディで倒れるようなことがあったら引退する」と言い切る我龍は、表情を変えず前に出て応戦する。 ほとんど差のないまま4Rを迎えたが、DAVIDはここからはリングを回っての逃げ切りモード。我龍は前に出て右フック、左ボディを当てるが単発止まり。これには我龍も試合後「相手の逃げ足が早くて、何で俺リングの中を走ってるんだろう?って」と苦笑いしたほどで、なかなか連打につなぐことができない。 結局最後までDAVIDを捕まえることができないまま、試合終了。判定はドローとなり、DAVIDが辛くも王座を守りきった。
我龍の関係者は判定に抗議したが、当人は「倒せなかった俺の負け」と素直に結果を受け入れ、ファンに謝った。控室に戻っても我龍は「いつも僕は倒すか倒されるか。今年に入ってから勝った試合は全部KOですから」「判定に文句を言うんじゃなく、俺が相手を倒せるよう強くなればいいだけのこと」「判定で勝って世界王者になっても、『すみません』と謝ってたと思います」と持論を説いた。 ただの勝ちでは満足しない。これが“喧嘩師”我龍の勝負哲学だ。そしてK-1 MAX参戦を目指す彼は、その哲学を体現することこそが、K-1のリングに上がり、かつ一般大衆にも認められるための必須条件だということをわかっている。
我龍のテーマ曲、横浜銀蝿の「ぶっちぎりRock'n Roll」は、「走り出したら止まらないぜ」という歌詞から始まる。9月は試合を休むが、10月からはまた走り出す。3ヶ月連続試合をして、今年はなんと全12試合をやるつもりだというから驚きだ。この日はK-1経験者・DAVIDを追い越すことができなかったが、その高い志を持ったまま走り続けていれば、いつかK-1の方が後ろから追っかけてくるような時がやってくるはずだ。
第6試合 セミファイナル 交流戦 63kg契約 ショーダウンマッチ(3分3R・延長2分2R) ○白鳥 忍(モンゴル/高橋/全日本ライト級王者) ×ホン・ヒョーシク(韓国/WKFライト級王者) 判定3-0 (小林30-27/松田30-27/緒方30-26) ※2R右ストレートでホンに1ダウンあり
白鳥が韓国の元ボクシング王者相手に物怖じせず、パンチでも真っ向勝負。2R終了間際に右ストレートでダウンを奪う。やや大振りなのが気になったが、ハイキック、膝蹴り、回し蹴りと豪快に攻め続け、文句無しの判定勝利をおさめた。
第5試合 セミファイナル MA日本フェザー級タイトルマッチ 3分5R ×大高一郎(山木/王者) ○駿太(谷山/1位) 判定0-3 (大沢47-50/小林48-50/緒方48-50) ※駿太が新王者に
大高は敗れはしたものの、J-NET、全日本、IKUSAでは実力で勝る他団体チャンピオン相手にバチバチの殴り合いを繰り広げ、強烈な印象を残し続けている。だが、自分の団体に戻っての試合になると、当然追われる立場。防衛戦ともなれば、相手が勝ちにこだわったファイトを繰り広げるのもいたしかたないところ。この日はムエタイスタイルの駿太の首相撲につかまりっぱなしで、終始膝をもらい続け完敗。あっさりと王座を失った。蹴りもパンチも大振りの一発狙いが多く、今のスタイルにやや行き詰まりが感じられた。王座を失いプレッシャーのなくなった状態の今こそ、建て直しの絶好のタイミングだと思う。
第2試合 ウェルター級王座次期挑戦者決定戦 ショーダウンマッチ(3分3R・延長2分2R) ○水町 浩(村上塾/MA日本Sライト級王者) ×丸山元樹(マイウェイ/MA日本ウェルター級3位) 2R 1'09" KO (3ダウン:膝蹴り) ※水町が11.6ディファ大会で王者・白須康仁(花澤)に挑戦
水町は両手をブランと下げてパンチを当てる小林聡のようなスタイルで序盤から攻勢。本来の体重に近いということもあり、動きも好調だ。2Rには強烈な左ボディで2連続ダウンを奪うと、最後は膝蹴りで丸山をKO。白須康仁のタイトル挑戦権を獲得した。 なお、水町はウェルター級王座挑戦権を得たため、スーパーライト級の王座を返上した。
第1試合 スーパーフェザー級王座次期挑戦者決定戦 ショーダウンマッチ(3分3R・延長2分2R) ×泉 雄策(山木/1位) ○中西一覚(谷山/2位) 判定0-3 (大沢27-30/秋谷26-30/松田27-30) ※2Rに右フックで泉に1ダウンあり ※中西が11.6ディファ大会で王者・小石原勝(習志野)に挑戦
中西はサウスポーの構えから左ミドル、左ハイ等を的確に当て、2Rに右フックでダウンを奪う。その後もパンチ、ハイ、肘で攻勢を意地し、小石原勝への挑戦権を得た。
※第4試合は初代タイガーマスク・佐山サトル vs. 小笠原和彦のプロレス。レフェリーはユセフ・トルコ氏
■ ジム対抗戦(2ノックダウン制)
第6試合 ライト級 2分3R ○近藤一輝(真樹愛知) ×辺田光徳(DANGER) 判定3-0 (30-28/30-28/30-29)
第5試合 フェザー級 2分3R ×松永直樹(真樹愛知) ○拳竜(村上塾) 3R 1'17" KO
第4試合 ミドル級 2分3R ○ガルフ・ユーリット(イギリス/真樹沖縄) ×稲留大輔(早川) 1R 0'48" KO
第3試合 ライト級 2分3R ×小原アキラ(ブラジル/真樹愛知) ○望月一史(マイウェイ) 1R 1'02" KO
第2試合 ライト級 2分3R ○中村ひろき(真樹沖縄) ×赤坂直彦(HOSOKAWA) 1R 0'55" KO
第1試合 フェザー級 2分3R ×島田 泰(真樹沖縄) ○KEIJIROU(正拳会館) 判定0-3 (28-30/28-29/28-30)
Last Update : 09/16 14:00
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